カフェ・喫茶店の開業、運営ノウハウを発信

自宅カフェとは?自宅でカフェを開業する方法や知識を解説

開業方法・準備

カフェをオープンする夢を実現できるなら、できるだけ低予算でスタートしたいものですよね。

しかし立地条件が良いテナントを借りるとなると家賃は高額になりやすく、もし経営に失敗してしまったときを考えると、ダメージが大きくなります。

実際に多くの資金を使って開業したものが失敗したときの、人生に与える破壊力はその分大きいものです。

そんなときは、自宅カフェという方法を採ることによって、テナントよりも低予算でのスタートを実現できるかもしれません。

自宅カフェとは自宅のスペースをカフェとして利用するスタイルのことで、1,000万円程度は資金が必要とされるテナントに比べると、開業にかかる費用を大きく下げることができる方法です。

今回の記事では自宅カフェについて、まずはどういったものかという基礎的な部分から自宅カフェを開業する流れ、資金に関することまで紹介します。

自宅カフェとはどういうもの?

その名の通り、自宅をカフェとして活用する経営スタイルのカフェです。

自宅の一部をカフェスペースとして利用することで、カフェを開業するのに必要な費用を大幅に抑えることができます。

ただし飲食店を開業するには保健所の審査などがありますので、それに合わせた改装は必要になってくるでしょう。

それでも開業に必要な最低限の改装のみを施して、あとはインテリアにこだわって雰囲気を作るという形であれば、店舗を持つのと比べてかなり低費用でスタートを切ることができます。

平日は本業をやりながら週末のお休みのみ営業をする「週末カフェ」と呼ばれるスタイルもあります。

カフェの開業に不安が残る方はこちらの方がより規模が小さく、低リスクで挑戦することができるでしょう。

自宅カフェ・週末カフェは低予算低リスクで始められる一方、装いが一般的な住宅なのでカフェとして認知されにくいというデメリットもあります。

自宅カフェにこだわる場合は集客が見込めるエリアに引っ越しをするか、こだわらない場合は店舗を持つことも視野に入れた方が結果的に成功することもあるかもしれません。

開業を強く視野に入れている場合、ここまでを確認した上で次のステップに進んでいきましょう。

◆営業許可

最初に自宅の用途地域が「営業規制」になっていないことを確認しましょう。この地域に属していると自宅ではカフェを開業することができません。

これを確認し、開業できそうだと分かったら営業許可を取る準備に入ります。

自宅での開業であっても、必要な資格は店舗の場合と同じものが挙げられます。

飲食店である以上、資格として「食品衛生責任者」を1人用意する必要があります。

必ずしも店長が有資格者である必要はありませんが、スタッフのうち誰かがこの資格を持っている必要がありますので、マストで取得しましょう。

続いて保健所に提出する「営業許可申請」です。

こちらを申請する際には、申請書の他に「施設の平面図」と「食品衛生責任者の原本」、そして「申請手数料」が必要となりますので予め用意しておきましょう。

・その他必要な許可や資格

自宅カフェの場合はあまりないとは思いますが、30名以上の席を用意する場合は「防火管理者」も必要になりますので、もし広いスペースを使って開業する場合はこちらも取得しておきましょう。

この他にもパンを提供する場合には「菓子製造業許可申請」など、必要なものが増えることもありますので、きちんと調べて自分のカフェの場合にはどんなものが必要か把握しましょう。

なお開業してから1ヶ月以内に、今度は税務署に「開業等届出申請」を提出することも忘れずに。

◆住居部分と店舗部分

住居と店舗の分け方は様々あり、好みによる部分もあります。

あまりきっちりと分けずに座敷など通常の住宅の一部分を単にカフェとして利用する場合や、2世帯住宅のように完全に切り分けて入り口も別々に用意する方法、2階を住宅として利用して1階をカフェとして利用する方法などがあります。

いずれの場合でも、来店するお客様のことを考えると生活感があまり出過ぎないように配慮する必要があり、それはアットホームな雰囲気を出す場合にも同じことがいえます。

1階と2階で用途を分けてしまう方法が、分割の仕方としてはメリハリも付けやすく手っ取り早いかもしれません。

この場合は2階の足音が下に響いてしまわないよう、防音工事は必要になってくるかもしれませんのでその確認もして考えてみましょう。

その他にもベランダに洗濯物を干さないようにするなど、お客様の目に生活感が見えないようにすると入りやすいお店になります。細かいことではありますが気を付けて営業することが大切です。

自宅カフェを開業するまで

自宅でカフェを開業するまでの大まかなステップを順に紹介します。

◆名前を決める

まずはなんといってもカフェの名前を考えましょう。

先ほど紹介した保健所に提出する「営業許可申請」にも名前を記載する欄があります。

ホームページやSNSなどを使っての集客にも名前がないとできませんし、内装や看板を作る際にも必要になってきます。

最初に必要とはいえ、名前からお店のイメージにも繋がるのでしっかり考えて決めましょう。なかなか思い付かない場合はコンセプトや客層から逆算するのも良いかもしれません。

◆使うスペースを決める

自宅の中でカフェとして使うスペースを決めましょう。

先ほど紹介した住居と店舗との分け方を考えてみましょう。

間取りやコンセプト、好みなどによって答えは変わってきますので、一概にどれが良いということではありません。自分が心地良いと思える空間作りをすると良いでしょう。

・必要資格の取得

先ほど紹介したように「食品衛生責任者」や、場合によっては「防火管理者」の資格が必要となります。

自身の理想とするお店にどのような資格が必要か確認して、それぞれ取得しておきましょう。

特に「食品衛生責任者」は必ず必要な資格ですので、忘れないようにしましょう。

・営業許可申請

ここまで考えたら、保健所に必要書類とお金を持って営業許可を申請します。

お金については飲食店としての営業許可か喫茶店としての営業許可かで料金が変わってきますが、どちらも1万円台のお金が必要になります。

この申請が通って、許可がおりたら営業を開始することができます。

◆物件

現在住んでいる自宅では開業できない場合や、集客が見込めない場合には引っ越しをするかテナントを借りる必要があります。

自宅カフェを営業したい場合に便利な物件として、自宅兼店舗として作られている店舗付け住宅というものも存在します。

現在の自宅が開業するにあたって条件を満たしている場合は必要ないかもしれませんが、満たしていない場合はこういった住宅も探してみると良いでしょう。

◆改装

現在住んでいる自宅の場合でも、新しく借りた住宅の場合でも、おそらく自身のコンセプト通りになっているということはまずないと思われます。

自身のコンセプトに合わせて改装工事をして、それにあった小物などで飾っていくと自然に進むかもしれません。

開業前に一番費用がかかるところでもありますので、あまりこだわりすぎて資金回収ができないということにならないよう注意が必要です。

費用については次の項でもう少し詳しく紹介します。

自宅カフェにかかる費用はいくら?

開業前の改装工事や、運転資金にはどの程度の費用がかかるのでしょうか?

それぞれ細かく確認していきます。

◆内装費・設備費

こちらは開業するまでの間にかかる費用のことです。

開業するにあたって必要とされる費用は、以下のものがあります。

内装工事:300万円程度

設備や備品:150万円程度

消耗品:40万円程度

広告宣伝費:10万円程度

合わせて500万円ほどの資金が必要になります。

内装工事が一番のボリュームゾーンとなっており、一番調整が利く部分でもあります。

できるだけ小さく始めたい場合は、ここを抑えて始めることによって低予算からスタートすることができるでしょう。

広告にはテレビや新聞の他にSNSなどを利用したマーケティングもありますので、開業前から地道に進めていくことで良いスタートダッシュを切れるかもしれません。

上手く売り上げを作っていくことができたら、内装工事を更に行ったり宣伝費にも多くの資金を費やしたりすることができるようにもなってきます。

◆運転資金

こちらは開業したあともずっとかかる費用のことです。

開業時にも登場した消耗品費や宣伝費などは、継続的にかかる費用でもあります。材料費なども運転資金のひとつです。

規模が大きかったり手間のかかる作業が必要なメニューがあったりする場合には、人を雇うということもあるかもしれません。

そういった場合には人件費もかかってきます。

こういったことから、運転資金は一概にどの程度かかるということはいいづらい部分があるものの、半年から1年程度の運転資金を目安にすると良いでしょう。

1ヶ月の運転資金を30万円程度としたとき、ざっくり200万円程度の用意があれば安心できるといえます。

開業にかかる費用と合わせると大体700万円となります。

まとめ

今回の記事では、自宅カフェを始めるにあたってその流れや必要資金について紹介しました。

自宅カフェとはその名の通り自宅の一部をカフェとして提供するスタイルのことで、その形態にもいくつか種類があります。

住居部分との分割の仕方にも様々なものがあり、最も分かりやすいものとして1階部分と2階部分を分けて使うというものなどがあります。

開業までの流れとして、資格などの事前準備や物件探し、改装工事をして各種申請をすることで開業可能な状態になります。

資金については開業までに必要な費用や、開業直後に売り上げが立たなくても続けられるように用意する運転資金を合わせて700万円程度用意しておくことを目安にすると良いでしょう。

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