カフェ(喫茶店)を開業するとき、内装のデザインはどうする?内装の費用はどのくらいかかる?
カフェの開業には多額の開業資金が必要になります。そのなかでも大きな費用のうちの一つが内装費です。
カフェ経営を成功させるためには、魅力的な内装は欠かせません。しかし、内装費は開業資金のうちの多くを占めるため、内装にこだわりすぎるとカフェ経営を圧迫してしまうことも。
そこで今回の記事ではカフェを開業する際の内装について、費用がどのくらいかかるのか、内装の決め方についてご紹介していきます。
目次
カフェの開業時、内装を考えるのはどの段階?
カフェを開業する際に内装について、いつから考え始めれば良いのでしょうか。
内装は物件選びの段階で考えます。一般的に物件探しをする時期は、カフェを開業する半年くらい前です。
物件選びは内装の検討と密接に関わります。その理由は、物件が「居抜き物件」か「スケルトン物件」であるかによって、内装費が大きく変わるからです。
・居抜き物件
前に店を営業していた内装や設備がそのまま残っている物件のこと。
・スケルトン物件
設備や内装がなく、構造がむき出しになっている状態である物件のこと。
このように、2つの物件のうちどちらを選ぶかによって内装にかかる費用は大きく変わります。そのため、物件探しと並行して内装をどうするかも考える必要があります。
内装を考えるタイミングは物件探しと同じと覚えておくと良いでしょう。
カフェの内装を考えるときに決めておくことは?
カフェの内装を考えるために事前に決めておくべきことを4つ紹介します。
◆店舗のコンセプトを決める
コンセプトはカフェ経営の方針そのものです。
カフェのコンセプトが固まっていないと「内装はどんなテイストが良いのか」「設備は何が必要か」が定まりません。やりたいことや優先事項を明確にするためにもコンセプトの設定は非常に重要です。
また、コンセプトは内装を依頼する業者との打ち合わせの際にも役立ちます。カフェのコンセプトを業者にしっかりと伝えられれば、より理想に近い内装作りを進めることができるでしょう。
◆ターゲット客を決める
コンセプトの次はターゲット客を決めましょう。
ターゲット客を設定することで、その顧客に合わせた立地や内装、店の雰囲気などを考えることができます。自分の思う内装にこだわるだけでなく、顧客が心地良いと思える空間を演出することもカフェには必要です。
学生やサラリーマン、地元のママ友など、ターゲット客はどんなカフェを求めているのかをよく考えましょう。
◆席数を決める
次に、カフェをどれくらいの規模の店にしたいかを決めます。
席数はカフェの売り上げに関わる重要な要素です。売り上げは席数×回転数×客単価で大まかに計算することができます。1日で少なくともこれだけの顧客は入れなければならない席数を、売り上げから逆算して決定しましょう。
その上で、ターゲット客がカフェで快適に過ごすための席数や席のスペースを考えます。顧客が快適に店内で過ごせる環境を作りつつ、お店の売り上げを確保することも考えて席数を決めることがポイントです。
◆内装費の予算を決める
内装費の予算を決めることは非常に重要です。
あらかじめカフェ開業全体にかかる資金がこのくらいで、内装費にはこれだけの予算をあてられるということを考えておきましょう。
内装費の予算が決まっていないと、自分の理想の内装を求めるために内装費がどんどん膨れ上がってしまうということも。そうならないためにも、業者との打ち合わせまでには予算を決めて、その範囲のなかで内装を考えることをおすすめします。
一方で、「席のスペースを大きくとりたい」「上質な空間を演出したい」などコンセプト通りのカフェを作り上げるためにどうしても譲れない部分に関しては、予算を超えて費用をかけても良いでしょう。ターゲット顧客を満足させるための内装造りは、結果としてカフェの売り上げをアップさせる効果もあります。
もし内装費が予算オーバーしてしまいそうな場合は、他の費用をなるべくカットできるように意識をしましょう。
カフェの開業資金のうち内装費用はどのくらいかかる?
カフェの内装費は開業資金の40~50%が相場です。
立地や規模によって異なりますが、一般的にカフェの開業資金は500~1,000万円といわれています。
そのため内装費は250~500万円程度かかると考えておけば良いでしょう。
内装費は居抜き物件かスケルトン物件かによって大きく変わります。居抜き物件の方が前の店舗の内装や設備が残っているので、それをそのまま使う場合は内装費を抑えることが可能です。
スケルトン物件は居抜き物件に比べて費用はかかりますが、自分のイメージするカフェを一から作り上げることができます。
カフェの内装とひと口にいっても、そのなかにはさまざまな要素が含まれています。以下でカフェの内装費用の内訳と費用の一例を示しますので、目安として参考にしてみてください。
【内装費の内訳】
設計・施工管理費(デザイン費) 25万円
造作工事(壁や天井など) 50~100万円
左官工事(下塗り) 15万円
塗装工事 20~40万円
間仕切り壁設置 10~20万円
トイレ設置 15万円
水道・電気・ガス工事 60~70万円
空調工事 20万円
防災工事 20万円
内装費を安く抑えるには?
内装費はカフェの開業資金のなかでも大きなコストとなります。カフェの経営を圧迫させないためにも、内装費はできるだけ安く抑えたいところ。
こちらではカフェの内装費用を安く抑えるポイントについて3つ紹介します。
◆居抜き物件を選ぶ
内装費用を安くする定番の方法として、居抜き物件を選ぶことが挙げられるでしょう。
居抜き物件は一部の内装工事や設備設置の必要がなくなるので、内装費を削減することが可能です。
カフェ経営をするのであれば、同じくカフェの居抜き物件を見つけるのが最適でしょう。運が良ければコーヒーマシンや調理器具などがそのまま残っていることも。
一方で、居抜き物件を選ぶ際に気をつけなければならないのが設備の耐用年数や劣化具合。居抜き物件とはいわば中古物件のようなものです。内装や設備は修繕が必要なものがあったり、使ってしばらくしてから壊れてしまったりと問題があることも多々あります。
このように、居抜き物件はすぐにそのまま使える物件というわけではありません。内装費を安く抑えられることは確かですが、事前に内装や設備の状態を確認して修繕費の予算を確保しておくことをおすすめします。
◆厨房機器を中古で仕入れる
カフェ経営にはコーヒーなどドリンクだけでなく食事メニューを提供することも多いでしょう。食事メニューの提供で必要になるのが厨房機器。
スケルトン物件では厨房機器を揃える必要があります。居抜き物件を選んだとしても、食事メニューを作るための設備がないこともあるでしょう。
厨房機器を揃える際は、中古品を購入することで費用を抑えることができます。新品の設備でなくても問題なく使える厨房機器が中古品で見つかれば、そちらを使う方がお得です。
中古で厨房機器を購入する場合は、きちんと使用できるのかの確認と、保証期間を確認しましょう。
また、中古の厨房機器を購入する際に見落としがちなのが設置費用。厨房機器のなかには冷蔵庫やシンクなど設置費用がかかるものもあります。設置費用が高額になり、新品を購入するのと総額が変わらないということも少なくありません。
そのため、中古の厨房機器を購入する場合はトータルのコストをよく確認することが重要です。
◆複数の業者から見積もりをとる
内装費用を抑えるためには、複数の業者から見積もりをとることをおすすめします。
特に初めてのカフェ開業の場合は、開業にかかる各種費用の相場感が身についていません。そのため、1社だけに見積もりを依頼することで業者が強気の価格を提示してくるケースもあります。
それを防ぐために内装のデザインや厨房機器を発注する際には、複数の業者を見比べてから判断するようにしましょう。
相見積もりをとることで、業者の競争心理が働き価格交渉をスムーズに進めることができます。また、ライバル業者と差別化するために、各業者からさまざまな提案を受けることもあるでしょう。
複数の業者を見比べるもう一つ重要なポイントが、担当者との相性です。
こちらの要望をしっかりと理解し、いろいろな提案をしてくれる担当者と取引をすれば、納得のいく内装作りをすることができます。反対に、自分の要望を汲み取ってくれない、対応が遅い担当者に仕事を依頼すると、イメージと異なる内装工事が進んでしまうこともあります。
費用と担当者との相性のバランスを考えた上で、仕事を依頼するようにしましょう。
まとめ
カフェの内装費は開業資金の約半分を占める大きなコストとなります。
内装はカフェの売り上げにも関わる大事な要素ですので、早いうちからコンセプトやターゲット客の設定などを固めていい物件を見つけたらすぐに検討できるように準備しておきましょう。
安くて良い内装を作るには、居抜き物件や中古の厨房機器を探すこと、複数業者からの相見積もりが欠かせません。
手間と時間はかかりますが、健全なカフェ経営をするためにも今回紹介した内容をぜひ参考にしてみてください。
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