純喫茶ってどんなお店?普通のカフェとの違いや内装、開業時のポイントを解説!
カフェの開業について調べていて「純喫茶」という名称を耳にしたことはないでしょうか。どことなくレトロな雰囲気のある純喫茶とはどのようなものなのか、内装や普通のカフェとの違いなども気になります。
ここでは、純喫茶とはどのようなお店なのか、純喫茶の「純」の意味や喫茶店、カフェとの違いなど、純喫茶についてわかりやすく解説しています。純喫茶を開業したい人向けに、コンセプトや内装例、開業時のポイントなどについても紹介していますので、レトロスタイルのカフェや喫茶店の開業を検討する際の参考としても活用してください。
目次
純喫茶とは
そもそも純喫茶とはどのようなお店なのか、「純」の意味や普通の喫茶店、カフェとの違いについて解説します。
純喫茶の「純」とは?
純喫茶の「純」とは、「純粋にコーヒーを味わうための喫茶店」といった意味合いで使われています。
喫茶店やカフェが日本に増え始めた大正から昭和初期にかけては、現在のようにコーヒーや紅茶、軽食を提供する喫茶店だけでなく、アルコールの提供や接待を伴うスタイルの喫茶店も少なくなかったとされています。
そうした喫茶店との差別化を図り、純粋にコーヒーの味わいを楽しむことを目的としたお店、という意味合いで「純喫茶」と呼ばれるようになったのです。
純喫茶と普通の喫茶店との違い
現在における純喫茶と普通の喫茶店の主な違いとしては、以下のような点が挙げられるでしょう。
喫茶店:コーヒーや紅茶以外に、クリームソーダやミルクセーキ、ミックスジュースといったドリンクメニューやアイスクリーム、パフェなどを提供している喫茶店もあります。テーブル席を多く設けているところもあり、利用する世代もさまざまです。
純喫茶:カウンターがメインとなっており、コーヒーの焙煎や抽出、豆の産地などにもこだわって提供しているのが一般的です。フードメニューはトーストなどの軽食に留め、あくまでもコーヒーをメインにしているのもポイント。利用する年代も高めで、マスターや常連客との会話が楽しめるような落ち着いた空間となっていることが多いようです。
中にはフードメニューが豊富な純喫茶や、コーヒーと落ち着いた空間づくりにこだわった喫茶店などもあり、地域によっては境界があいまいな場合もあります。
純喫茶とカフェとの違い
ちなみに、純喫茶と普通の喫茶店とカフェには、最近まで大きな違いがあったのをご存じでしょうか。純喫茶を含む普通の喫茶店は、開業する際に喫茶店の営業許可を申請していたのに対し、カフェの開業時には飲食店としての許可申請が必要となっていました。
喫茶店の営業許可だけの場合、アルコールの提供や一からの調理を伴うフードメニューの提供はできませんでしたが、食品衛生法の改正により、2021年6月以降はカフェも喫茶店も同じ飲食店の営業許可申請が必要となっています。
そのため、コーヒーにこだわった小さなカフェを開業するのも、純喫茶を開業するのも、現在ではあまり違いはないといえるでしょう。
純喫茶と相性のよいコンセプトや内装は?
純喫茶と相性のよいコンセプトや、内装例について紹介します。
昭和レトロなテイストのカフェ
純喫茶のコンセプトには、昭和のレトロなテイスト溢れる内装が合うでしょう。ダークブラウンの木目を基調としたカウンターや食器棚に大きな壁時計などが落ち着いた雰囲気づくりに役立ちます。
ブリキのおもちゃや万博、昭和時代に開催されたオリンピック関連グッズ、映画や製品のポスターなどを置くのもよいでしょう。
コーヒーの銘柄や焙煎にこだわったメニュー
純喫茶では、コーヒーの銘柄や焙煎方法にこだわった豆を使い、産地やブレンドの種類によっていくつものコーヒーメニューを提供するのもおすすめです。
サイフォンや手動のグラインダーを使うなど、コーヒーの抽出方法にこだわってみるのもよいでしょう。
風味や味わい、焙煎方法など、知ってほしいポイントをメニューに書き込むことで、こだわりを知ってもらいやすくなります。
フードメニューも、コーヒーの味を引き立てるようなスイーツや、昔ながらのプリン、サンドイッチ、カレーピラフなど喫茶店の定番メニューがおすすめです。
1階路面店の小さな間取りがおすすめ
純喫茶用の物件を探す場合、ビルの階上や階下でもよいのですが、入り口が見えやすい1階の路面店を選んだ方がよいでしょう。
小さな間取りでゆったりとコーヒーを楽しむコンセプトの純喫茶は、来店する際のハードルをできるだけ下げることが大切です。
豊かなコーヒーの香りや清潔で落ち着いた店内が外からもわかるよう、窓のガラス部分を大きく取るような内装にするとよいでしょう。
費用を抑えてレトロな内装にするためのポイント
初期費用を抑えて、レトロで味のある純喫茶の内装を実現したい場合、以下のようなポイントを参考にしてみてください。
照明の選び方
レトロ感を出す際の照明は、暖かみのある電球色を選びます。壁面へ設置するブラケットタイプやシーリングライトより、小さめのペンダントライトの方が比較的安価に購入することができるでしょう。
棚やカウンターに間接照明を置くのもおすすめです。ステンドグラスやヴィンテージ生地などを使ったライトなどがおすすめです。
全体的に明るさを抑え、暗めで暖かく落ち着いた照明を意識するとよいでしょう。
壁紙、ファブリック
壁面に使用する素材も、レトロ感のあるものを選びます。レンガやタイルなどを効果的に使うと、昭和時代の重厚で落ち着いた雰囲気を演出できます。
壁前面をレンガやタイルにするのは費用がかかってしまうため、ピンポイントで部分的に使用するとよいでしょう。DIYで貼り付けられる簡易タイルを活用する方法もあります。
ダマスク織りの模様をあしらった壁紙やカバーなども、レトロな重厚感が出るのでおすすめです。ベージュやアイボリーなど、少しくすみのあるカラーを選ぶとよいでしょう。
カーテンなどのファブリックにはワインカラーやマスタードカラーなど、くすみのある暖色系の配色もおすすめです。
テーブル、チェア、備品
テーブルとチェアのセットや備品、食器棚やカウンターなどは、できるだけ同じ素材や色味に合わせた方が統一感を出すことができます。
レトロな雰囲気にするなら、ダークブラウンの木目で統一するとよいでしょう。ベルベットなどで布張りされた椅子やスツールを使っても、レトロな純喫茶の感じが再現しやすくなります。
壁掛けの鳩時計や印象派の絵画を飾ったり、古書をオブジェとしてレイアウトしたりするのもおすすめです。
コーヒーカップはあえて模様や柄を統一せず、さまざまな銘柄やデザインで提供するのもよいものです。縁がゴールドになったものや繊細な花模様など、レトロ感のあるカップセットを選んでみるとよいでしょう。
看板に使う文字のフォントも、レトロ感のある字体を使うことで純喫茶の雰囲気を出すのに役立ちます。
その他アイテム
内装や看板だけでなく、店舗のSNSアカウントを作って発信することで、レトロな純喫茶であることを周知してもらいやすくなります。
店内のインテリアスペースや自慢のメニュー、いれたてのコーヒーなど、こまめに撮影して投稿するようにしましょう。その際、アカウントに使用するアイコンやテキストもレトロなテイストのものを選ぶようにします。
コーヒーへのこだわりや抽出方法など、なかなか伝えにくい情報もSNS上で発信することで、純喫茶やコーヒー好きの人へ届きやすくなるでしょう。
店主として働く際には、ユニフォームにこだわってみるのもおすすめです。モノトーンを基調にしたシャツとベストでスタンダードなギャルソンスタイルや、ベレー帽にくるみボタンをあしらったワンピースなど、昭和テイストのある服装をユニフォームとして採用してみてはいかがでしょうか。
メニューもレトロな雰囲気を意識して
コーヒー以外のメニューにも、レトロな雰囲気が感じられるアイテムがあるとよいでしょう。真っ赤なチェリーが乗ったクリームソーダやプリンアラモード、ゆで卵と厚切りトーストのモーニングなどがおすすめです。
純喫茶の魅力を伝える「純喫茶ジャーニー」では、純喫茶の情報やコンテンツがたくさん掲載されています。ここで紹介した以外にも、純喫茶の内装やコンセプトのヒントとなる情報がたくさん集まっていますので、参考としてチェックしてみてください。
純喫茶でリラックスした空間とおいしいコーヒーを
落ち着いた雰囲気の中でこだわりのコーヒーを提供するスタイルの純喫茶は、昭和レトロな雰囲気が人気となっている近年において、注目の喫茶店となっています。純喫茶では産地や焙煎深度によって複数のコーヒーメニューを用意して、照明や家具、備品なども重厚でレトロな雰囲気のある内装にするのがポイントです。昭和感のあるフードメニューやユニフォームを作ったり、SNSでの発信も積極的に活用したりしながら、コーヒーへのこだわりを伝えて広く周知することも大切です。レトロでリラックスできる空間をアピールし、コーヒー通やレトロファンが集う居心地の良い純喫茶を目指しましょう。
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