魅力的なカフェを作る!カフェ開業に重要となるコンセプトの作り方
カフェを開業するにあたって序盤の段階で着手しなければならず、重要かつ難易度も高いのが「お店のコンセプトを考える」という工程です。
コンセプトはその事業の方針、果ては結果まで全てを決めるといっても差し支えないほど、重要なものです。
とはいえ初めて開業する方にとってはどこが重要で、どのように考えていけば良いのか分からないものでもあるでしょう。
そこで今回の記事ではそのコンセプトの重要性や考え方、効果的なコンセプトの条件などをご紹介します。
カフェを開業するにはコンセプトが重要
コンセプトがどうして重要であるか、自分で誰かに説明することができるレベルまで理解しておくことが大切です。
ここでは、そのコンセプトの重要性についてご紹介します。
◆コンセプトの重要性
コンセプトと聞いてピンと来ない方は「ビジョン」と言い換えても良いかもしれません。カフェにおいてコンセプトとは、店舗の方針全てを決めるといっても過言ではないほどの大きな意味を持ちます。
ではその意味を詳しくみていきましょう。
・方針や計画が立てやすい
カフェというものは、お客様がいないと始まらない商売である以上、全てのことはペルソナ(仮想のターゲット)を想像してそれに沿って進めていくことになります。
ペルソナを考える際の指針となるのがコンセプトであり、コンセプトが明確であるほど正確なペルソナを想像することができます。
例えば「店内に書籍を多く置いて、読書が楽しめるゆったりとしたカフェ」をコンセプトに置いたとしたら、自然とペルソナは読書好きになります。
このペルソナが正確であればあるほど様々なイメージをしやすくなり、ターゲットに刺さる店内の演出やメニューを考えることができます。余計なもので迷うこともなくなるので、意思決定に割くコストも下がるでしょう。
コンセプトが曖昧だとペルソナも甘くなり、様々なことについて悩んだ挙げ句に的はずれな回答を導き出してしまうといったことも考えられます。
・他のお店と差別化ができる
コンセプトが明確だと他店との差を如実に出すことが期待できます。
例えば育ち盛りの学生向けに特大ボリュームのメニューを用意したり、喫煙者の憩いの場として喫煙OKにしたり、他では聞けないようなBGMで演出を図ったりといったことが挙げられます。
このようにその店舗ならではの特徴を考える際にもコンセプトが指針となるでしょう。
・リピーターができやすい
コンセプトに沿って事業計画を立て、差別化を図ることが、自然とお客様にとってそのお店に足を運ぶ理由になります。そこがそのお店の強みといってもいいでしょう。
差別化ができているということは、そのお店でしか味わえない体験を手に入れることができるということです。
それがメニューなのか、店内の雰囲気なのか、PCを開いて静かに仕事ができるということなのか、リッチな気分を手に入れられるということなのか、お店によって異なるでしょう。
こういったお客様にとっての足を運ぶ理由があることで、「その他大勢のカフェ」ではなく「〇〇ができるカフェ」になり、それが目当てでリピーターとして何度も来店してくれるようになります。
コンセプトを考える方法は
様々な場面で物事を深く考える有名な方法として「5W1H」というものがあります。
カフェ経営において値段も大事なことなのでこれにHow muchを加えた「5W2H」で考えていくと良いでしょう。
この項目ではコンセプトを考える上でこれをどのように活用していくか紹介します。
なおここでの5W2Hは「Why、Who、What、Where、When、How、How much」です。ではカフェの開業において考えるべき順番にアレンジして紹介していきます。
・Why(なぜ)
お店の一番の価値はどういったところにあるのかを考えるところです。
先ほどコンセプトの重要性の、差別化の部分で少し紹介したように、大別すれば同じ「カフェ」という区切りだとしても、お客様のボリュームゾーンとなる目的には様々なものが考えられます。
先ほどの例を転用して考えると以下のようになります。
・育ち盛りの学生向けに特大ボリュームのメニューを用意=お腹を満たすことがお店の価値
・喫煙者の憩いの場として喫煙OK=喫煙所としての場を提供することがお店の価値
・他では聞けないようなBGMで演出=安らげる空間を提供することがお店の価値
Whyではこのように、なんのために存在するお店として開業するのかということを考えてみましょう。
・Who(誰に)
お店の価値が決まったらターゲットを考えます。
「どんなお客様でもいいのでとにかく来て欲しい!」という考えだと、誰にも刺さらないコンセプトになってしまう上に、広告も誰に向けて打てばいいのか迷ってしまうでしょう。
ターゲットが明確だと店内の雰囲気やメニューの内容など、様々なことを考えやすくなります。
例えばお子様連れの家族をターゲットに設定する場合、店内にはお子様が遊べる空間を用意する方が効果的でしょう。
リッチな大人をターゲットにする場合には、高級な装いを用意し、チップの導入なども考えた方が良いという結論になるかもしれません。
先ほどの例「育ち盛りの学生向けに特大ボリュームのメニューを用意」のように、Whyが決まったらそのままターゲットが決まることもあるかもしれません。
・What(何を)
Whatではメニューなどについて考えます。
WhyとWhoが決まったら、どのようなメニューを用意するべきかかなり考えやすくなっていると思います。
例「育ち盛りの学生向けに特大ボリュームのメニューを用意」であれば、大盛りパスタや、いくつかのメニューがセットになっているものなどが挙げられるでしょうか。
余談ですが、メニューを考える際にはあれこれ増やしすぎずに、必要最低限のものから始めることをおすすめします。
メニューが多いと必然的に管理しなければならない食材も多くなり、多くの食材ロスを生み出すことにつながるかもしれません。また、お客様にとっては何でもあるがゆえに強みを感じなくなってしまうためです。
・Where(どこで)
Whereでは店舗をどこに構えるか考えます。
上記の3つが決まったら、それが活かせる立地も思い付くのではないでしょうか?
学生向けであれば学校の近くが良いでしょうし、サラリーマン向けであれば駅の近くなどが良いでしょう。
上記のようにWhoを意識すると、効果的な立地を考えやすいかもしれません。
・When(いつ)
ここでは営業時間について考えます。
営業時間にも効果的な時間というものはありますし、お客様が来ない時間にやっていても利益を上げることはできません。
夕食前の休憩所としてのお店であればお昼過ぎから夕飯頃までになりますし、逆に他のカフェがあまりやっていない深夜帯に営業することで差別化を図ることもできます。
いずれにしても、ここまで考えてきたコンセプトから外れないように設定する必要があります。
時間については後から変えることも難しくないので、あまり考えすぎずに少しずつ調整するという方針でも良いかもしれません。
・How(どのように)
Howではサービス提供の仕方について考えます。
極端な例を挙げると、落ち着く雰囲気を目指したいのにラーメン屋や焼き肉屋のように活気良く「いらっしゃい!」と接客してしたらそれはコンセプトに沿った接客とはいえなくなります。
他にも細かい部分では、注文して受け取ってから席につくタイプか、席に案内して注文が決まったらスタッフが伺いに行くタイプかなど接客の仕方には幅があります。
これらのサービスの仕方をできるだけ具体的に考えておくと、実際に現場で迷いなく行動することできるようになります。
・How much(いくらで)
追加のHであるここでは値段について考えます。
原価や家賃、人件費や水道光熱費、どの程度の集客率であれば利益が出るのか計算しましょう。
似たコンセプトを持つ競合の相場と離れすぎないように意識する必要があることも忘れずに決めます。
ターゲットのお財布事情なども考慮していくらであれば利益になるのか考えるこの項目は、事業の成功に大きく影響する重要な項目でもあります。
効果的なコンセプトにするために
コンセプトの重要性と考え方を理解したところで、事業を成功させるために効果的なコンセプトはどのような軸を持って考えれば良いのか紹介します。
◆店の魅力
お店の魅力はこだわりといっても良いかもしれません。
何かにこだわっているお店には、同じくそれにこだわっているお客様を惹き付ける魅力があります。
例えばただ「落ち着いた雰囲気」なのではなく、「1人でも入りやすい落ち着いた雰囲気」、もっと突き詰めると「1人でも入りやすい各席に仕切りのある落ち着いた雰囲気」というように段階的にこだわっていくことができます。
ここにこだわり抜くことによって、お客様にとって唯一無二のお店になることができますし、魅力にもなるわけです。
◆顧客のニーズ
上記のように考えたこだわりを持ったお客様は、どういったものを求めるのかということも意識します。
例えば先ほどの「1人でも入りやすい各席に仕切りのある落ち着いた雰囲気」を好む顧客をターゲットとする場合、どういったメニューがあると嬉しいと感じるか考えていくといった具合です。
これを様々なことに当てはめていくことで、それぞれが顧客のニーズから外れにくくなります。
まとめ
今回はカフェ開業する際のコンセプトについて紹介しました。
コンセプトは開業する上でとても重要なもので、その考え方の代表例として「5W2H」があります。
更に効果的なコンセプトを編み出すための考え方について、お店の魅力と顧客のニーズを意識するということも大切です。
明確なコンセプトがあることで、開業するまでも開業した後も迷いなく行動することができるでしょう。
カフェの開業を検討している方は、まずはぜひコンセプトから考えていくことをおすすめします。
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