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融資を受けるために必要なこととは?カフェ開業に必要な融資の知識について

開業方法・準備資金・融資等編集部オススメまとめ

カフェの開業にあたって、避けては通れない資金調達の問題。

カフェ開業のためには数100万~1,000万円規模の資金が必要とされており、これだけの大金を用意するにはどうすればいいのか悩んでいる方もいますよね。

そんな方に向けて、今回の記事ではカフェ開業の資金調達に役立つ「融資」について解説していきます。

カフェを経営する多くの人は融資を活用して開業しているので、資金調達に悩まれている方はぜひ最後までご覧ください。

そもそもカフェの開業に融資はなぜ必要?

融資によって調達した資金は、カフェ開業のどんな場面で使われるのでしょうか?

最初に必要となるのがカフェを開業するための設備資金です。設備資金の使い道としては以下のものが挙げられます。

・内装・外装の工事費用

・テーブル

・イス

・照明

・コーヒーカップ

・コーヒーマシン

・焙煎機 など

カフェの開業には上記に挙げたような、いわば初期投資ともいえる設備資金が必要となります。カフェの規模や物件の状態に大きく左右されますが、カフェの開業で必要な設備資金は700万円前後が相場です。

開業前はもちろんカフェでの売上や収入はないので、まず初めに金融機関から融資を利用して資金調達をすることが一般的です。

しかし、設備資金だけが開業に必要な全てのお金ではありません。

開業したての儲けがないタイミングでも、従業員の人件費や家賃、コーヒー豆や食材などの仕入れ、水道光熱費などの費用は常に発生します。

このように設備資金以外にも必要なコストは多くあり、これらの支払いをこなしていかなければカフェを経営していくことは困難です。そのため、カフェの経営が軌道に乗るまでの運転資金のことも考えて融資を受けることを考える必要があります。

カフェ開業の融資を受けるタイミングはいつ?

カフェ開業で融資を受けるべきタイミングは開業前です。

カフェ経営の実績がない場合、融資の審査基準は開業を始める方の想いや人柄、事業の将来性などが重視されます。

融資を受けるための条件が易しく、利子を低めに設定してもらいやすい点が開業前に融資を申し込むメリットです。

もちろん開業後に銀行からお金を借りることもひとつの選択肢ではありますが、その場合は簡単に融資の審査に通らないことも少なくありません。

開業後に融資を申し込む場合は、カフェ経営の実績が融資の審査項目に追加されます。もしカフェの経営が上手くいっていなかった場合、融資の金額が少なかったり金利が高かったりと、融資の条件が厳しくなることもあるでしょう。

金融機関の立場から考えれば、経営が上手くいっていない事業者にお金を貸すことは、リスクが高いと判断せざるを得ません。そのため、カフェの運転資金がなくなりそうになったときに融資を受けることは難しいと考えておくべきです。

カフェの経営は安定して収益を生み出すまでに時間がかかります。経営が苦しくなる時期があることも想定し、開業前から計画的な融資を受けるようにしましょう。

カフェ開業の融資にはどんな種類がある?

カフェ開業のための融資は、融資を受ける金融機関によって特徴が異なります。こちらで金融機関ごとに融資の特徴を確認していきましょう。

◆日本政策金融公庫の融資

日本政策金融公庫は、政府が100%出資している公的な金融機関です。

融資に特化した事業者支援を政策的に行っているので、他の金融機関で融資を申し込む際に必要になる経営の実績・経験を審査基準にされることがありません。そのため、初めての開業時でも融資を受けやすくなっています。

日本政策金融公庫の融資はいくつか種類がありますので、融資の一例を以下に示します。

・一般貸付

・新規開業資金

・新事業活動促進資金

・再挑戦支援資金

申し込みを始めてから融資を実行されるまでの期間も約1ヶ月なので、民間金融機関と比較して対応は非常にスピーディーです。

その反面、審査に通過するためには事業計画や店舗の将来像、自分の熱意などをしっかりとアピールする必要があります。

多くのカフェ開業者が利用している金融機関なので、日本政策金融公庫は開業資金の借入先として最初に検討すべきでしょう。

 *上記は2022年1月現在の情報です

◆地方自治体の制度融資

地方自治体が信用保証協会、民間金融機関と連携して実施する融資制度です。

地方自治体が保証料や金利の一部を補助してくれるので、事業者の負担が軽減される仕組みとなっています。

金利が1~3%と低く、審査のハードルが民間の金融機関と比べて低い点がメリットです。日本政策金融公庫と同じく起業促進のための制度なので、新規事業を始める方も審査が通りやすい傾向にあります。

しかし、制度融資は複数の機関が連携するという仕組み上、手続きには時間がかかるという点がデメリットです。融資が完了するまでに3ヶ月程度かかるので、手続きは早めに済ませることをおすすめします。

地域によっては制度の仕組みや審査の基準、申し込み方法などが異なっているため、各自治体に確認してみましょう。

◆民間金融機関の融資

メガバンクや地方銀行、信用金庫などの融資制度です。

民間金融機関は日常的に利用していることもあり、気軽に融資の相談ができるところがポイントでしょう。また、地方銀行や信用金庫は地域密着型の営業スタイルのため、開業のための親身な相談をしてくれる点もメリットです。

しかし、日本政策金融公庫や地方自治体の融資と比較すると、審査の条件や金利などが厳しく設定されることが多いです。過去の実績を問われることも少なくなく、初めての融資先としては難しい場合もあるでしょう。

その一方で、地元の情報に詳しい担当者と情報交換することはカフェ経営のヒントになることが多々あります。地域に根ざしたカフェを目指したいという方は、地元の金融機関からの借り入れを検討してみてもいいでしょう。

融資を受けるときの注意点

次に、融資を受けるための注意点を解説していきます。

◆自己資金を貯める

融資の審査項目のひとつに、開業資金に占める自己資金の割合があります。

開業資金の3分の1以上の自己資金を持っていることが、一般的な融資の条件です。もし自己資金が3分の1を下回ると、融資を受けるうえで不利になってしまいます。

また、多くの飲食店は開業してから事業が流れに乗るまで6ヶ月以上かかります。融資を受けるためだけでなく、開業してからの運転資金を確保するためにも自己資金は早めに蓄えておきましょう。

◆事業計画書が必要

事業計画書とはこれから行うビジネスの戦略や展望をまとめた書類です。事業計画書に必要な内容の一部を以下に示します。

・自己紹介

・なぜ開業したいのか

・商品やサービスについて

・ターゲット顧客

・取引先

・売上予測

・返済計画 など

このように、事業を成功させるためのビジョンや方法を書き記したものが事業計画書となります。金融機関はこの事業計画書をもとに、事業者へどのように融資をするのかを判断します。

事業計画書は現実的な内容で作成することが最も重要です。「こうなりたい」という理想を書き連ねるだけでは計画性がないと判断されてしまうので、理想を実現するためにはなにが必要かを逆算しながら事業計画書を作成していきましょう。

◆返済の約束を守る

融資を受けた後は借入金の返済が発生します。返済の約束は必ず守るようにしましょう。

もし、借りたお金を計画的に返済できないということになった場合、金融機関からの信頼を失ってしまうことになります。借入金の返済が遅れたという事実は次の融資の審査に響くため、事業を継続していくうえでなんとしてでも避けたいところです。

借りたお金をきちんと返済していくためにも、返済額や期日などの確認や資金繰りには十分注意していきましょう。

◆カフェ経営以外に借入金を使わない

融資によって得た資金はカフェ経営以外の用途として使わないようにしましょう。

カフェの経営で安定した収益が出せるようになれば、その利益を自由に使いたくなるときも出てくるはずです。ですが、借り入れをしているという事実を忘れてその利益を無駄に使ってしまっては、いざという時の資金繰りに行き詰まってしまいます。

もし利益に余裕が出てきた場合には、店舗スタッフの能力向上にかかわる研修費や設備投資に費用をかけましょう。消費ではなく投資に費用をかけることで、将来的に大きなリターンを期待することができます。

また、いざお金がなくなったときに再び融資を受けようとしても、金融機関は経営難の事業者にはそう簡単にお金を貸してはくれません。最低限の運転資金は常に確保しておくように心がけましょう。

カフェの開業資金を抑えるためのコツは?

最後にカフェの開業資金を抑えるためのコツをご紹介します。カフェの経営を安定させるためにも、できることは確実に取り組んでいきましょう。

◆補助金・助成金を利用する

金融機関からの融資だけでなく、補助金や助成金を活用して資金調達をする方法もあります。

助成金や補助金は国や自治体が運営する、事業支援や雇用創出、地域活性化を目的とした制度です。返済の必要なものから、無償で与えられるものなど内容はさまざまあります。

また、補助金や助成金は常時募集しているものではありません。毎年特定の時期に行われるものや、その年度にしか募集がかからないものなどがあります。

基本的に補助金や助成金はメリットしかないので、開業の計画がある程度立った段階で自治体に問い合わせてみたり、ネットで調べてみたりすると良いでしょう。

◆居抜き物件を選択する

居抜き物件とは、その物件に入っていた前の事業者の内外装や設備が残ったままの物件のことです。

居抜き物件の最も大きなメリットは、設備資金を大幅に削減できるところでしょう。自分の理想の店舗に近い条件の居抜き物件を見つけることができれば、内外装や備品類に費用がかからなくなります。

居抜き物件を選択するときにひとつ注意したいのが、「造作譲渡費用」です。造作譲渡費用は店内の装飾や厨房機器、テーブルやイスなどを買い取るための費用を指します。

一般的に居抜き物件にはこの造作譲渡費用が発生するので、造作譲渡費用の金額によっては、居抜き物件であってもトータルで割高になる場合もあります。気になる居抜き物件を見つけた際には、造作譲渡費用の確認を忘れずにしましょう。

◆カフェ未経験ならフランチャイズでの開業も検討してみる

カフェの経営に不安があるという方は、フランチャイズでの開業を検討してみてはいかがでしょうか。

フランチャイズでの開業であれば、経営の方法やメニューの開発、徹底したマニュアル、資金援助、ブランドによる集客効果などさまざまな支援を受けることができるので安心して開業できます。

大企業のノウハウを使うことによって、失敗する確率を抑えた安定的なカフェ経営ができる点がフランチャイズ開業の大きな特徴です。

しかし、フランチャイズの場合はさまざまな支援を受けられる分、本社に支払う費用も必要になっていきます。月々の支払いに本部へのロイヤリティが加わってくるので、より綿密な経営計画が求められるでしょう。

また、フランチャイズでは本部のカフェ経営の方針やスタイルを踏襲する必要があります。自分のカフェの理想を強く反映することはできませんので、自分はどんなカフェを作りたいのかをよく考えたうえで選択しましょう。

まとめ

カフェの開業には個人で用意することが難しい非常に大きな資金が必要となります。

銀行からお金を借りるということは簡単な作業ではありません。情報収集をして、事業計画を立て、審査時には面接をパスする必要があるなど、着金するまでには大きなエネルギーが必要となるでしょう。

カフェの開業は資金調達なしには実現できません。自分の理想のカフェを開業するという目標に向けて、やるべきことをひとつずつ計画的に進めていきましょう。

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