個人カフェを開業したい方向け!開業するためのコツやポイントを紹介
さまざまなこだわりが詰まった個人カフェには、大手チェーンとは違った魅力があります。
しかし規模が小さい店であったとしても、カフェを運営するのは簡単とはいえません。
開業に向けて取っておかなければならない資格、考えるべき店のコンセプトや資金繰りなど、じっくりと取り組み検討する必要があるでしょう。
また、カフェを開業するにはどういった手段があるのか、わからないこともあるかもしれません。
今回は、個人カフェを開業するための方法や必要な資格、コンセプトの作り方、資金に関することなど、コツやポイントの押さえ方についてお伝えします。
目次
未経験で個人カフェを開業するには
「未経験だけどカフェを開業したい」と考えている方も多いのではないでしょうか。
結論として、未経験であってもカフェは開業できます。逆に、他業界で培った経験やスキルが生かせることもあるでしょう。
とはいえ、カフェを運営していくために重要な接客スキルや料理は学んでおくべきです。カフェを開業するために経験を積みスキルを磨ける手段と、未経験でもカフェを開業できる方法を紹介します。
◆カフェで働く
自分のカフェを開業するために、ほかのカフェで働くことは経験として大いに役立つはずです。
個人カフェ、チェーン店など、さまざまなタイプのカフェでの実務を経験するのも良いですが、自分が開業したいカフェに似ているタイプのカフェで働くことで大きな学びやヒントが得られます。
接客と調理両方の経験をしたい場合は、分業になっていない店舗を選ぶようにする、または両方を経験するため複数の店舗で働いてみるようにしましょう。
どこで働くかを決めるために、最初はお客様としてカフェを訪れ、雰囲気を確かめてみるのがおすすめです。
◆カフェ開業の学校に通う
カフェ開業のためのスクールに通う方法もあります。
カフェスクールに通うことで、開業のための知識、料理やドリンクの作り方、コンセプトの作成方法、経営のスキルなど必要なことを体系的に学べるでしょう。
疑問点は講師に質問することができ、安心感も得られます。
カフェスクールのなかには夜間通えるものもあるので、仕事をしながら通うことも可能でしょう。
◆フランチャイズを検討する
カフェを開業するためには個人でオープンする以外に、フランチャイズ加盟店としてオープンする方法があります。
フランチャイズとはフランチャイズ本部と契約し、加盟店のオーナーとなるシステムのことです。本部にロイヤルティーを支払う必要はありますが、フランチャイズパッケージを利用することができます。
パッケージにはメニューや経営ノウハウなどがまとめられているため、未経験でも比較的スムーズなスタートが切れるでしょう。
◆雇われ店長として働く
いきなり独立して開業する自信がない場合、雇われ店長として経験を積む方法があります。
雇われ店長とは、店舗を運営している会社の従業員の一人であり、店舗を切り盛りするための責任者です。つまり、店を運営する責任を持つものの、経営権は持っていません。「新規店舗の店長候補」として求人広告で募集されていることも多いでしょう。
同じ「店長」の肩書きを持っていても、オーナー店長は経営者であり、雇われ店長は店を運営する会社の従業員という違いがあります。
雇われ店長は、社員としての収入を得ながら、カフェでの経験を積めるというメリットがある反面、会社の指示で動かなければならないというデメリットもあります。
◆コンサルティングを依頼する
カフェのコンサルティングを依頼するのも一つの方法です。
個別対応になるため、細やかなサポートを受けられるのがメリットでしょう。プロのアドバイスが受けられることで、自分では気づけなかった発見があるかもしれません。
デメリットは、担当のコンサルタントによって能力や得意分野の違いがあること、実際の店の業績に責任を取ってくれるものではないことです。
個人カフェ開業のために必要な資格とは
調理師免許や栄養士免許は、カフェ開業に必ずしもなくてはならない資格ではありません。しかし、持っていることで信頼面が増すということもあるでしょう。
カフェ開業のために取っておかなければならない資格にはどのようなものがあるのか、確認していきます。
◆食品衛生責任者
カフェ開業のためには、食品衛生責任者の資格は必ず取得しなくてはなりません。
カフェごとに資格保持者を置く必要があり、飲食店営業許可を保健所に申請する際にも必須です。
食品衛生責任者の資格は、各都道府県の食品衛生協会が開催している講習を受講することで取得できます。合計で6時間ほどかかり、内容は衛生法規、公衆衛生学、食品衛生学などです。
また、調理師免許や栄養士免許を持っていれば、食品衛生管理者の講習は免除となります。
※2022年2月7日時点の記事であり、基準が変更になる可能性もあります
◆防火管理者
収容人数が30名以上の飲食店を開業する場合には、防火管理者の資格が必要です。取得するためには、日本防火・防災協会が開催している講習を受講しなくてはなりません。
例えばカフェにおいて、300平方メートル以上の延べ面積であれば甲種講習を受講し、300平方メートル未満の延べ面積は乙種または甲種講習を受講する必要があります。
※2022年2月7日時点の記事であり、基準が変更になる可能性もあります
個人カフェのコンセプトのポイント
コンセプトの決定は、カフェにとって最も重要なステップともいえます。
コンセプトによって物件選びや内装、メニューなども決めていくことになるからです。
特に個人カフェでは、コンセプトの独自性に魅力を持たせることが大切になるでしょう。
ここからは、コンセプトの作り方について解説します。
◆コンセプトの作り方
カフェは店舗数が多いこともあり、独自性が求められます。
なんとなくカフェでお茶を飲みたい通りすがりの人は、味や雰囲気がわかっている大手チェーン店に流れてしまうことが多いでしょう。そのため、個人カフェでは「店ならではの味・雰囲気」に魅力を持たせ、「あの店に行きたい」と目指して足を運んでもらえるようになることが大切です。
コンセプト作りのためには、まず開業したいカフェのイメージを思い描く必要があります。
具体的に思い浮かべるのは、以下の通りです。
・ターゲット層
・利用する機会
・お店の強み
ターゲット層とは、どのようなお客様に来店してもらいたいかということです。
例えば家族連れをターゲットとするなら、キッズメニューや駐車場が必要かもしれません。コーヒーにこだわりを持つお客様をターゲットとするなら、コーヒーメニューを豊富にするといった工夫が求められるでしょう。
利用する機会とは、どの時間帯に、何人に、どのような目的で利用してもらいたいかということです。
例えばオフィス街の立地であるなら、ランチに訪れるお客様が多くなるかもしれません。また、おひとり様がちょっと一息つくために寄るカフェというのもあるでしょう。
お店の強みとは、オリジナリティです。この店ならではの看板メニューやこだわりがあることで、チェーン店との差別化を図ります。
強く魅力的なコンセプトがあることで、お客様が関心を持ち、「あの店に行ってみたい」と足を運んでくれることに繋がるでしょう。
◆コンセプトシート
コンセプトシートとは、頭に思い描いたコンセプトを文字として書いていくものです。
文字にすることで、思考が整理され、そこから新たなアイディアも浮かびやすくなります。
具体的には5W2Hをまとめていきます。すなわち、次の通りです。
・いつ(when):営業時間
・どこで(where):立地
・なぜ(why):創業目的・夢
・何を(what):メニュー
・誰に(who):ターゲット
・いくらで(how much):値段
・どのように(how):サービス
簡単な例を挙げます。
・いつ(when):営業時間 11:00~21:00
・どこで(where):立地 東京の住宅街
・なぜ(why):創業目的・夢 体に良い食生活をサポートしたい
・何を(what):メニュー オーガニックにこだわる、コーヒー、野菜
・誰に(who):ターゲット 近隣の住人、会社員、アレルギーを持つ、健康志向
・いくらで(how much):値段 1,000円のランチメニュー、コーヒー500円
・どのように(how):サービス ホッとできるような接客
7項目について、思いつくことをどんどん書き込んでいきましょう。
曖昧だったことを突き詰めていくことで具体性が増し、開業したいカフェのイメージを強く思い描けるようになるはずです。
個人カフェの資金
個人カフェを開業するために必要になる資金を確認していきます。事前にチェックしておくことで、資金繰りが苦しくなる事態を回避できるでしょう。
◆一般的な資金
家賃10万円、10坪程度のカフェにかかる資金は、一般的に次のようになります。
・物件取得費:120万円
・内装:40万円
・設備:200万円
・備品:30万円
・宣伝費:50万円
・運転資金:100万円
合計:540万円
ほとんどのカフェは、収入が安定するまでに1年以上かかるといわれています。オープンから1年ほどは、赤字が続くことも少なくありません。
そのため、半年から1年ほどの運転資金を用意しておき、赤字をカバーする必要があります。運転資金には、食材を調達する料金も入れましょう。こだわりがあればあるほど、かかる金額も大きくなることが想定できます。
また、10席ほどであれば一人でも接客ができますが、従業員を雇うのであれば、開業してから人件費がかかるようになることも考慮しておきましょう。
◆費用を抑えるには
カフェの開業のためにある程度の資金がかかるのは仕方ないとしても、なるべく安く抑えたいものではないでしょうか。
費用を抑えるには、次の方法があります。
・居抜き物件を契約する
・共同経営者と開業する
・内装は自分で行う
・備品は中古を購入
・助成金、補助金を受ける
居抜き物件とは、前に契約していた店舗の内装、備品などをそのまま使える物件のことです。
前の契約者が同じようなコンセプトの店舗であれば、内装を新たにしたり備品を購入したりすることなく、そのまま利用できる可能性があり、大幅に節約できます。
また、一人ではなく共同経営者と開業すれば、資金を折半することができるでしょう。
さらに、内装をDIYしたり、備品を中古で購入したりすることで開業にかかる資金を節約することが可能です。
加えて、カフェ開業者には国や自治体から助成金、補助金を利用できる場合があります。「創業補助金」がその一つです。
また自治体によって名称は変わりますが、東京都の場合「新規開業賃料補助金」という補助金があります。
受けられる助成金や補助金がないか、調べてみると良いでしょう。
※助成金、補助金の内容は2022年2月7日時点の記事です。
コツやポイントを押さえてスムーズに開業しよう
未経験であっても、個人カフェを開業することはできます。
しかし経験や知識は必要なため、実店舗で働いたりフランチャイズに加盟したりするなど、方法を検討すると良いでしょう。
また、個人カフェにはとりわけコンセプトが重要になるため、念入りに検討することが大切です。
コツを押さえ上手な資金繰りをして、スムーズにカフェ開業、運営をしていきましょう。
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