カフェ・喫茶店の開業、運営ノウハウを発信

カフェ開業にコーヒーマイスターの知識は活用できる?コーヒーマイスターのなり方と資格の取り方

資格運営ノウハウ編集部オススメまとめ

カフェを開業するために、コーヒーに関する知識を増やしておいたほうが良いと考える方は多いのではないでしょうか。そしてもちろん、知識が豊富なことはカフェの運営に役立つことでしょう。

知識を身に付ける方法として、資格取得があります。コーヒーに関する資格もいくつか存在しており、その中の一つが「コーヒーマイスター」です。

今回は、コーヒーマイスターについて、どういった資格なのか、資格取得の方法、資格の活かし方などを解説します。

コーヒーマイスターとは

はじめに、コーヒーマイスターの概要について確認しましょう。

◆認定資格

コーヒーマイスターとは、一般社団法人日本スペシャルティコーヒー協会(SCAJ)による日本で初めての認定資格です。

資格を取得することで、コーヒーについての深い知識と基礎技術を習得しているプロのコーヒーマン(サービスマン)として認められ、お客様に豊かなコーヒー生活が提案できるようになります。

資格取得には会員登録する必要があり、法人会員、起業予定の個人会員などの種類がありますが、特に商売としてコーヒーに携わっていない個人としてでも登録できます。

資格取得者数は2020年12月現在、日本全国で5,692名です。そして2021年10月現在、そのうちの486名が、ハイレベルのアドバンスド・コーヒーマイスター認定者になります。

◆スペシャルティコーヒーの定義

日本スペシャルティコーヒー協会が定義するスペシャルティコーヒーについて、もう少し詳しく解説します。

公式サイトによると、日本スペシャルティコーヒー協会が定義するスペシャルティコーヒーとは、コーヒーを飲む人が美味しいと評価して満足するコーヒーであること。

際立つ印象的な風味特性と爽やかな明るい酸味特性を持ち、持続するコーヒー感が甘さの感覚で消えていくこととされています。

また、美味しいコーヒーであるためには、コーヒーの豆からカップまでの全ての段階において、一貫した体制・工程・品質管理が徹底していることが必須です。

コーヒーマイスターの資格を取得したからといって、それだけで特別な仕事に就けるわけではありません。しかし上記のようなスペシャルティコーヒーのことを含めたコーヒーについての知識を深めることができるため、自信を持ってお客様にコーヒーを提供できるようになるでしょう。

コーヒーマイスターの資格の取り方

続いて、コーヒーマイスターの資格取得までの流れを確認しましょう。

◆受験資格

コーヒーマイスター試験を受験するためには、日本スペシャルティコーヒー協会の会員になる必要があります。登録できる会員種別は大きく分けて次の3つです。

1.法人会員企業の従業員として登録

2.会社・店舗の代表者として登録

3.個人で登録

2の法人会員は、会社・店舗の業種別に会費も異なります。1は、2で登録されている法人会員企業の従業員が登録できるものです。

3の個人会員は、さらに次の3つに分かれます。

・個人A会員:年会費3万円 以下のB、Cを除く個人会員

・個人B会員:年会費2万円 起業予定者、1年限定

・個人C会員:年会費1万円 コーヒー関連業に携わっていない個人の方

これからカフェ開業を目指す方は、個人B会員としての登録になるでしょう。ただし、個人B会員は1年限定のため、次の更新のときは個人B会員以外の個人会員(AかC)もしくは法人会員などの別区分の会員として、登録しなくてはなりません。

また、会員資格は1年ごとの更新になります。入会月の月初から12か月(1年)とし、毎年の年会費振り込みをもって会員資格は継続されますが、規定の期日を30日経過しても年会費の入金がない場合、退会とみなされてしまいますので注意が必要です。

◆申し込み

上記の会員登録をした後、自宅にてコーヒーマイスター養成講座を受講し、実技講習会への参加を経て認定試験を受験する流れになります。

資格取得のためには、まずコーヒーマイスター養成講座の申し込みをしましょう。申し込みは、公式サイトの専用の申込フォームに入力し、送信することでできます。なお、電話での受付は行っていません。

受講料は実技講習料・認定試験受験料を含み3万9,000円です。登録したアドレスに受講料振り込みの案内が送られてくるので、期日までに振り込みましょう。クレジットカードでの支払いには対応していません。

受講料振り込みが確認されると、登録した住所にコーヒーマイスター養成講座の専用テキスト、カッピングスプーンが送られてきます。送られてきた専用テキストを使い、自宅にて約3か月学習します。

専用テキストの内容は、次の通りです。

・第1章:コーヒーマイスター

・第2章:コーヒーとカフェの歴史

・第3章:コーヒーの生豆

・第4章:コーヒーの産業・経済

・第5章:コーヒーの産地

・第6章:コーヒーの抽出技術と食器の知識

・第7章:コーヒーの科学と健康

申し込んだ養成講座ごとに選択可能な実技講習会の日程が決まっていますので、都合の良い日時の講習会を選び申し込みましょう。実技講習会への参加は、コーヒーマイスター認定試験の受験資格としての必須条件となっています。

所要時間は3時間、午前:10:00~13:00もしくは午後:14:00~17:00のスケジュールです。主に、東京会場と関西会場で開催され、関西会場は大阪や神戸、不定期に福岡でも開催されます。コーヒーマイスター専用テキスト、カッピングスプーン、証明写真(縦45㎜x横35㎜)2枚、エプロンなどを持って参加しましょう。

◆試験

申し込んだ養成講座によって、受験する試験日程も決まっています。養成講座の申し込みから受験まで、約4か月です。

試験の概要は次の通りです。

・試験会場:東京会場、関西会場、不定期で福岡

・持ち物:受講票・筆記用具(HBまたはBの黒鉛筆・シャープペンシル・消しゴムのみ)・時計(携帯は不可)・新型コロナウイルス感染対策チェックシート

・試験時間:60分

・問題数:100問(1問1点)

・合格基準:60点以上

・試験形式:記述式

・合格率:平均80%前後

受験の結果が分かるのは、約2か月後です。合格者には、合格通知・コーヒーマイスター認定証・コーヒーマイスターバッジ、不合格者には、不合格通知・次回認定試験の案内、認定試験欠席者には、次回認定試験の案内が送られてきます。なお、不合格者や欠席者が次回の認定試験を受けるための受験料は1万円です。

◆資格の更新

コーヒーマイスター資格取得後は、3年ごとに資格の更新が必要になります。

前回更新している方と資格取得後初めて更新される方には、登録先住所へ更新用資料が送られてくるので、必ず確認するようにしましょう。

送付内容は、次の通りです。

1.コーヒーマイスター更新手続きの手順

2.資格更新申請書

3.再入会のご案内

4.返信用封筒

更新手続きの方法は、簡単3ステップです。

1.登録内容を確認する

2.更新申請書の記入、返送

3. 更新手続き料の振り込み

更新手続き料は1万円、日本スペシャルティコーヒー協会の会員更新を忘れていた場合には、合わせて会員年会費も振り込むようになります。

更新を忘れてしまうと、コーヒーマイスター資格が一時無効となってしまうので注意しましょう。また、法人会員企業を退職した、年会費の振り込みを忘れたなどの理由で非会員になってしまった場合にもコーヒーマイスター資格は一時無効となりますが、資格取得をしたアカウントで再会員登録が可能です。

コーヒーマイスター資格の活用方法

コーヒーマイスターの資格を取得することで、さまざまなメリットを得られます。資格の活用方法を見ていきましょう。

◆コーヒーに関する知識

「お客様に美味しいコーヒーを提供したい」という想いはあっても、知識が浅いと難しい面もあるでしょう。

コーヒーマイスター資格を取得することで、コーヒーに関する知識を深めることができ、具体的に美味しいコーヒーの定義が理解できるようになります。

独学でコーヒーの知識を得ることもできますが、間違った情報が紛れている危険性もないとはいえません。

その点、資格取得を通して学ぶのであれば、正しい知識を身に付けることができるので安心です。

◆プロフェッショナルの証明

コーヒーに関しての豊富な知識を持っていたとしても、それを証明するのは簡単なことではありません。

コーヒーマイスター資格を取得すれば、プロのコーヒーマンの証明になります。肩書きを持つことで、コーヒーについての基礎技能と豊富な知識を習得しているという自信にもつながるでしょう。

◆コーヒーマイスター限定のイベント

コーヒーマイスター資格を取得すると、有資格者限定イベントに参加することができます。

また、コーヒーマイスター限定の無料オンラインセミナーにも参加可能です。

さらに、資格の更新をすると、特別講座が受講できます。

資格を取得して、さまざまな講座やイベントに参加することで、ますます知識を深めていけるでしょう。

◆アドバンスド・コーヒーマイスター

コーヒーマイスターがレベルアップした資格として、アドバンスド・コーヒーマイスターがあります。

3つのスクーリング全ての講座と4つのスキルアップセミナーのうち一つの実習を受講し、それぞれの試験に合格することで、SCAJアドバンスド・コーヒーマイスターとして認定されます。

3つのスクーリングの概要は次の通りです。

・講座1. コーヒーとカフェの歴史、コーヒーの科学と健康

・講座2. SCAJ協会、海外のコーヒー協会・団体について、スペシャルティコーヒーの定義、コーヒー生豆について

・講座3. コーヒーの産業・経済、コーヒーの産地

・受講料:各講座1万6,000円(テキスト、実技講習料、認定試験受験料含む)

4時間の座学の後、同日に認定試験を受験します。

4つのスキルアップセミナーの概要は次の通りです。

・焙煎(SCAJ ジュニアローストマスター資格講座)

・抽出/エスプレッソ(SCAJ ジュニアバリスタ資格講座)

・抽出/ドリップ・サイフォン(SCAJ ジュニアコーヒーブリューワー資格講座)

・カッピング(SCAJ ジュニアスペシャルティコーヒーカッパー資格講座)

受講料は2万600円から2万7,500円で、セミナーによって異なります。資格認定のためには、4つの中から最低一つは受講しなければなりません。認定試験は、各セミナーの最後に行われます。

講座やセミナーは都合に合わせて受講でき、取得するまでの期間の制限はありません。また、アドバンスド・コーヒーマイスター資格の有効期間は、コーヒーマイスターの有効期間に準じ3年です。

コーヒーマイスターの資格をカフェ運営に活かそう

コーヒーマイスターの資格取得でコーヒーの知識を深めることができ、お客様に自信を持って美味しいコーヒーを提供することができるでしょう。

資格取得のためには、はじめに会員登録が必要です。そして講座を受講し、試験を受けます。

カフェ運営をしていくために、コーヒーの知識を学ぶことは大いに役立つはずです。コーヒーについての資格の一つであるコーヒーマイスターの資格取得を目指されてはいかがでしょうか。

キーコーヒー 業務用関連コンテンツはこちら

           

開業支援システム、コーヒーセミナー、キーコーヒーの飲食向けサービスなど、法人の皆様に向けたサービスをご紹介します。

           キーコーヒー業務用サービス キーコーヒーへのご相談・お問合せはこちら