カフェの開業に必要な開業資金を調達するには?調達のコツはある?
カフェをこれから開業するにあたり、開業資金の調達に悩んでいるという方も多いのではないでしょうか?
自分の理想のカフェを開業するためには、店舗の賃貸費用や内装・外装の工事費用、コーヒーを提供するための設備費用など様々なお金が必要になります。
開業資金をすべて自分の貯金だけで用意することができれば何も問題はありませんが、それができるという方はほとんどいないでしょう。カフェをこれから始める多くの方々は、銀行などから融資を受けることで足りない資金を調達しています。
そこで今回はそんな資金調達に悩んでいる方に向け、カフェ開業の開業資金を調達する方法をまとめました。
カフェ開業にはどんな資金が必要なのか、融資の種類や融資を受けるための審査にはどんな準備が必要なのか、資金の調達はどうしたら良いのかなど、詳しく解説していきます。
目次
カフェの開業資金はいくら必要?
カフェを開業するための資金はカフェの形態や規模の大きさによって大きく変動します。
カフェの業態と合わせていくつかの例をみてみましょう。
◆「店舗型のカフェ」の開業資金
他の所有者から物件を借りたカフェや、ビルのテナントとして出店しているカフェのことを「店舗型のカフェ」と称します。
カフェの規模にもよりますが、小規模~中規模の店舗型カフェは500~1,000万円程度の開業資金が相場となります。
店舗型のカフェは基本的に「物件取得費」が必要です。物件の契約後はもちろん家賃が発生するので、開業資金を節約するためにも設計や工事は遅れのないようスケジュール管理をしましょう。
借りる物件にもよりますが、家賃以外にも管理費やその地域の町内会費などが必要になることもあります。借りる前に近隣のお店に聞いておくと良いでしょう。
◆「自宅型のカフェ」の開業資金
最近は自宅の一部をカフェとして改装して営業をする「自宅型のカフェ」が増えてきています。
自宅型のカフェの大きな利点は、持ち家であれば家賃がかからないという点です。もちろん物件取得費も不要なので、開業資金のみならず毎月にかかる経費もかなり節約できるでしょう。
しかし、住宅地などにお店として構える場合は、集客の広告宣伝費などにコストを大きくかける必要があるかもしれません。あらかじめ出店する土地周辺のリサーチも行っておくことが大事でしょう。
◆「移動型のカフェ」の開業資金
「移動型のカフェ」とは、固定された店舗を持たずに車両などを使用して営業するカフェのことです。
物件取得費などはかかりませんが、公道では営業できないため公園やスーパーの駐車場など営業するための場所を確保しなくてはなりません。そのためには、あらかじめ使用料や出店費用などを出店場所に相談する必要があります。
移動型カフェは車両の購入費や施工費などで約300万円から開業が可能だということもあり、他の形態と比べても開業資金を大きく節約することが可能です。その反面、車両の駐車場代やガソリン代などの維持コストが必要となります。
カフェの開業資金にはどんなものがある?
こちらではカフェの開業資金には具体的にどんな費用がかかるのかをご紹介していきます。
◆物件取得費
物件取得費とは、物件を契約するときに必要な費用全般をいいます。具体的には保証金、礼金、仲介手数料などが物件取得費の項目です。
物件取得費の一例を以下に示しました。
・保証金:家賃6ヵ月分
・礼金:家賃2ヵ月分
・仲介手数料:家賃1ヵ月分
ここに挙げた費用に、オープンまでの「空家賃」を1ヵ月分とした場合には、総額で家賃の10ヵ月分程度の物件取得費が必要となります。家賃20万円の物件を契約する際には、200万円以上の費用を用意しなけらばならないというイメージです。
◆内外装工事費
内外装工事費は、開業資金の中でも最も費用のかかる部分です。
1坪あたりの工事費は30~50万円が相場となります。10坪の店だと300~500万円、20坪の店だと600~1500万円くらいになることが多いです。
内外装工事費用はこだわればこだわるほど費用が大きくなっていきます。あらかじめ予算を決めたうえで、予算内で収まるように工事の内容を決めるようにしましょう。
◆厨房機器費
食事メニューを提供するカフェに欠かせないのが厨房機器費です。
ガスコンロやシンク、冷蔵庫、冷凍庫、食器棚、製氷機などを新品で購入した場合、少なくとも50~120万円くらいの費用が必要となるでしょう。さらに、オーブンやフライヤー、食洗機なども購入する場合は150~250万円くらいになることもあります。
◆備品代
イスやテーブル、食器などの備品代は各種内外装費とおなじく、こだわればこだわるほどコストが高くなっていく費用です。
オリジナリティを追求して高価なテーブルをいくつか購入すると、それだけで50万円程度の費用がかかります。
一般的には、20席程度のカフェであれば備品代に100~200万円程度は必要です。そこまでこだわりがないのなら備品の初期投資は最小限に抑え、営業が始まってから少しずつ揃えていくという手もあります。
◆運転資金
運転資金はカフェの経営を続けていくうえで非常に重要な資金です。
カフェは開業してからすぐにお店が軌道に乗るとは限りませんので、ある程度の運転資金を確保したうえで開業に臨みましょう。
運転資金は家賃のおよそ10ヵ月分を用意しておくことが理想とされています。家賃15万円の場合は150万円、20万円の場合は200万円が必要です。仮に運転資金を持っていたとしても、カフェの赤字が続く場合は6ヵ月程度しか持ちません。
カフェを繁盛させることに注力しつつも、もしもに備えて運転資金はしっかりと確保しておきましょう。
【カフェの開業資金まとめ】
■15坪・家賃20万円の中規模カフェ
・物件取得費
保証金 120万円
礼金 40万円
仲介手数料 20万円
空家賃 20万円
・内外装工事費 500万円
・厨房機器費 200万円
・備品代 150万円
・運転資金 200万円
合計 1,250万円
■10坪・家賃10万円の小規模カフェ
・物件取得費 100万円
保証金 60万円
礼金 20万円
仲介手数料 10万円
空家賃 10万円
・内外装工事費 300万円
・厨房機器費 100万円
・備品代 50万円
・運転資金 100万円
合計 650万円
個人でカフェの開業資金を調達する方法は?
カフェの開業にどの程度の費用がかかるのかをここまで確認してきました。
ここからはカフェの開業資金をどのように調達するかについて解説してきます。
◆自己資金
自己資金とは自ら用意した資金、つまりは貯蓄のことを指します。
開業資金がすべて自己資金であれば借入金の返済がありませんので、カフェ経営の資金繰りが非常にやりやすくなります。カフェ開業を考えているという方は、今のうちからコツコツと自己資金を貯めていきましょう。
また、金融機関から融資を受ける場合にも自己資金は必要となります。一般的には、融資を受ける段階で開業資金の3分の1以上の自己資金を持っていることが必要です。
開業資金をすべて自分でまかなうにせよ、融資を受けるにせよ自己資金が豊富にあれば余裕を持って開業できるので、今から準備を始めましょう。定期積立などを利用すれば確実に貯蓄できるのでおすすめです。
◆公的金融機関から融資を受ける
公的金融機関とは日本政策金融公庫などを代表とする、国や自治体が主体となっている金融機関です。
日本政策金融公庫とは日本政府の金融機関で、別名「日本公庫」としても知られています。個人経営のカフェとして開業する方向けに様々な融資制度があり、無保証人、無担保で開業資金の融資を受けられるのが特徴です。
融資制度のひとつである「一般貸付」では、最大7,200万円まで融資を受けることが可能です。返済期間は13年以内、年利はおよそ1~3%以内であることが多く、借り手側の負担が少ないため多くのカフェ経営者が利用しています。
◆銀行から融資を受ける
日常でも利用している銀行から融資を受けることも、開業資金調達の手段として検討すべきです。
銀行の種類はメガバンク、地方銀行、信用金庫の3つに分類することができます。それぞれの銀行は、メガバンク>地方銀行>信用金庫の順に融資の金額が大きくなることが特徴です。実際にメガバンクが融資を行うのは、大規模な事業を行う経営者です。
そのため、個人でカフェを開業される場合には地方銀行や信用金庫を利用することがおすすめします。地方銀行と信用金庫は地元密着型の金融機関なので、小規模事業者にも融資をしてくれやすい傾向にあります。
銀行融資は日本政策金融公庫の融資と比較して金利や返済期間など条件面は劣りますが、地元に根ざした民間企業ならではの相談や提案などの手厚いサービスを受けることができるでしょう。
◆身内を頼る
家族や兄弟、友人から開業資金を工面してもらうというカフェ経営者は少なくありません。
身内から開業資金を借りることの大きなメリットは、利子が発生しないことでしょう。金融機関からの融資と異なり、月々の返済がないためカフェ経営の資金繰りを安定させることが可能です。
その反面、親族や友人から借りたお金を返せなくなった場合、人間関係が損なわれてしまうという点が大きなリスクといえるでしょう。身内から貸してもらったお金はしっかりと記録しておき、返済金額や期限の約束を必ず守るようにしましょう。
カフェ開業の資金調達は日本政策金融公庫がおすすめ!
カフェを開業する多くの方は、資金調達の手段として日本政策金融公庫を利用しています。
日本政策金融公庫を利用するメリットを以下に示しました。
・金利が低い
・無担保・無保証
・初の開業でも申込みやすい
・返済までの期間が長い
このように初めてカフェを開業する方にとって取り組みやすいメリットが多くあるのが特徴です。
では日本政策金融公庫から融資を受けるのはどのような手順が必要になるのでしょうか?以下で簡単に紹介します。
【日本政策金融公庫の融資を受ける手順】
1.窓口での相談
カフェの事業計画などを簡単に説明し、申込みに必要な書類を受け取る。
2.申込み
相談の際にもらった書類を記入して、提出する。(郵送でも可能)
【提出書類】
借入申込書
創業計画書
見積書
事業内容を記した資料
3.面談
提出書類をもとに、事業内容について詳しく話をする
4.結果通知(郵送にて)
5.契約
◆融資の審査基準は?
カフェ開業の審査で最も重視されるのが飲食業での勤務経験です。勤務年数だけではなく、どのような実績を挙げたのかも評価対象となります。
さらに、どの程度の自己資金があるかも審査の重要なチェック項目です。自己資金の金額によって融資される金額も増減していきます。
また、公共料金や家賃、クレジットカードなどの支払いの状況も確認されます。支払いが滞っている場合には、審査に通らないこともあるので気をつけましょう。
◆融資を受けるには何が必要?
融資を受けるために必要な書類は以下の通りです。
・通帳(自己資金の確認)
・物件の契約書
・事業計画書
・融資の申込書
事業計画書には開業資金を何に使うのか記載し、内装工事などの見積書なども必要です。さらに、開業後の計画やカフェ経営が軌道に乗った後の売上などを計算し、借入金の返済計画も明記します。
◆無料相談所で相談できる
日本政策金融公庫の利用を検討しているのなら、まずは無料の融資相談に行きましょう。
日本政策金融公庫の担当者は、数々の事業者から相談を受けているので豊富な知識を持っています。どの地域でどのようなカフェを開業したいのか、自己資金はいくらなのかなどを担当者に伝えることで、様々なアドバイスを受けることが可能です。
客観的なアドバイスをもらって自分の計画を冷静に考え直すいい機会となるので、これからどうしようか悩まれている方は日本政策金融公庫の無料相談に行くことをおすすめします。
まとめ
カフェ開業には様々な費用がかかるため、開業資金の総額は個人では調達しきれない大きなものとなります。
多くのカフェ経営者は資金調達に融資を利用していますが、お金を借りることは簡単な作業ではありません。カフェ開業へのやる気や情熱だけでなく、自己資金や実績など、貸し手に信用を与えることのできる材料を揃えることが非常に重要です。
カフェ開業をするのなら日本政策金融公庫の融資をまずは検討してみてください。低金利で返済期間も長く、無料で客観的なアドバイスをもらえることは大きなメリットです。自分ひとりで悩まずに、活用できるものは上手く使って理想のカフェ開業を目指していきましょう。
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