開業に必要な届け出をチェック!手続きの方法と必要な資格
カフェを開業する際には、様々な届け出が必要になってきます。
カフェをオープンするのに絶対に必要なものから、場合によって必要なものまで様々な種類があります。
準備する必要がある届けもあるため、開業前の書類の整理はどうしてもごちゃついてしまうでしょう。
きちんと整理できていないことが原因で、必要な書類の提出が漏れてしまい、罰金や営業停止ということになったら大きなダメージとなってしまいます。
そうなってしまわないよう、開業までの間に必要なものを用意できる体制を整えておくことが大切です。
今回の記事では、カフェを開業する方向けにどういった書類が必要なのか、必ず準備するものやその種類、必要に応じて増える届け出などをご紹介します。
目次
届け出を出す前に準備すべきこと
まずは届け出以外に、準備をしておく必要があるものから確認をしていきましょう。
カフェ開業までの最初のステップでもあるため、まずはこちらを準備して、カフェの開業に向けて歩みを進めていきましょう。
◆コンセプト
お店のビジョンと言い換えてもいいかもしれません。もし決まっていないのであれば、何よりも先に考えることをおすすめします。
カフェを開業するには、コンセプトが非常に大事になってきます。
コンセプトを考える際には、どのようなターゲットに対してどんなメニューを、どういう意図に沿って提供していくかというように、できるだけ細かく考えていくと良いでしょう。
コンセプトが明確でないと、開業するまでのステップをこなすことは困難となってきます。
行動の指針となるものがコンセプトというものであるためです。
全ての事柄をコンセプトに沿って決めていくため、コンセプトが決まっていないと何も進まないといっても過言ではありません。
コンセプトが決まったら、それをもとにお店の名前やメニューの内容、物件の立地条件などを考え、1つずつ揃えていきます。
コンセプト次第でターゲットなども決まるため、コンセプトを考えることはカフェを開業する上でとても重要なことです。
その他細かいことなどにも当てはまる、全ての指針となるものなので、できるだけ細く明確に考え、用意しておきましょう。
◆開業資金
どんなに素晴らしいコンセプトやビジョンがあったとしても、資金がなければカフェを開業することはできないのが現実です。
カフェを開業するには、ざっくり1,000万円ほど必要であるといわれています。
テナントの利用料や、内装費、調理設備や食器、レジなどのサービスを提供するにあたって必要な設備、お店を認知してもらうための広告費など、諸々込みでこれくらいの資金が必要になります。
もちろん場合によっては、もっと多くのお金が必要になることもあるでしょう。
自己資金でなくてもいいので、銀行や信用金庫、投資家からの融資などを通してお金を用意しましょう。
どうしても足りない場合は、もう少し資金を集めてから開業したり、こだわった結果お金がかかってしまっている部分を妥協したりと、どこかで折り合いをつける必要があるかもしれません。
マイナスからスタートする場合は、プラスに持っていくまでかなり難しいので、必要な資金をしっかりと計算した上で、十分な資金を準備してから開業に向かう必要があります。
国や自治体からの融資や助成金もありますので、積極的に利用して必要なお金を工面しましょう。
これらの融資を受ける際には事業計画書が必要になるケースが多いです。
コンセプトをもとに事業計画書を作成し、出資者や銀行、国などにアピールできるよう備えておきましょう。
ビジネスである以上、お金はあるに越したことはありませんし、足りなくなってしまうとお店を畳むことになってしまいますので、できる限り入念に準備しておくと安心できます。
カフェ開業の届け出の種類は
カフェは大きな分類でいうと「飲食店」になります。
飲食店である以上は絶対に必要な申請があるので、ここでご紹介します。これらは必ず準備しておきましょう。
◆飲食店営業許可
この許可が下りないと、カフェを開業することはできません。
飲食店営業許可申請をするにあたってまず必要なものが2つありますので、それぞれ紹介します。
・食品衛生責任者
食品を扱う店舗で、食品の衛生管理を行う責任者のことです。お店の衛生管理が法令に準じるように管理する役目があります。
栄養士や調理師などの資格を持っている場合はそのまま取得することができます。
こういった資格を所有していない場合は、「食品衛生責任者養成講習会」を受講することで資格を得ることができます。
必ずしも店長やオーナーがこの資格を持っている必要はありませんが、お店に1人は食品衛生責任者を立てる必要があります。
また、この責任者は兼務することができず、1人につき1店舗のみ担当することが可能となっています。
・保健所の検査
上記の食品衛生責任者を立てていることは大前提として、飲食店としてふさわしい作りになっているかどうかを保健所に検査してもらう必要があります。
検査には大きく分けると2つの項目があり、建物と設備を検査します。
①衛生的な建物であるか
壁や床は清掃しやすいか、防火性や水はけは良いかなどをチェックします。
他にも、天井はパイプがむき出しになっていると注意される地域もあります。こちらも清掃のしにくさから来る不衛生感によるものでしょう。
②衛生的な設備が整っているか
シンクは二槽式で水とお湯どちらも出すことができるか、トイレは従業員数に応じた数で厨房から離れた位置に設置されているか、照明は一定以上明るいかといったことをチェックされます。
上記以外にも手洗い場や食器棚、ゴミ箱に関する規定などがあります。
かなり細かく規定が定められていますので、しっかり調べておくことをおすすめします。
◆防火管理者
一定以上の規模の建物である場合、防火の管理や予防、火災が起きてしまった際の消火活動を行う責任者という立ち位置の資格です。
こちらは全てのカフェで必要になるものではありませんが、必要となる場合も多いものです。
飲食店に属するカフェの場合、30人以上収容できる店舗では防火管理者を立てる必要があります。
収容人数が30人未満の場合は必要ありませんが、中型以上の店舗となると必要となる場合が多いでしょう。
防火管理者の資格を取得する一番一般的な方法は、防火管理者講習を受講して試験に合格することです。
「甲種防火管理新規講習」「乙種防火管理講習」「甲種防火管理再講習」の3種類があり、 それぞれ受講料や講習時間、つける役職が違うため、どれが必要なのか検討して受講するようにしましょう。
これらの内甲種の再講習に関しては収容人員300人以上の施設のものとなるため、カフェの運営においてはよほどのことがない限りは縁がないでしょう。
迷った場合は、甲種であれば全ての建物で対応することができる資格ですので、そちらがおすすめです。
場合によって必要な届け出とは
上記までは防火管理者以外全てが必ず必要なものでした。 ここではお店のコンセプトやメニューなどによって追加で必要になる届け出を紹介します。
◆開業(廃業)等届出書
個人事業を開業した際に税務署に届け出る書類です。新たに独立する場合には、提出が必要な書類となります。
1か月以内に提出することが推奨されていますが、罰則はないようです。確定申告を青色申告で行う場合は、必ず提出が必要なものとなります。
白色申告に比べて青色申告の方が控除額が多く節税になるので、よほどの理由がない限りは青色申告をした方が良いでしょう。
青色申告をする際にも「青色申告承認申請書」を提出する必要があります。
◆深夜における酒類提供飲食営業開始届出書
ただお酒を提供するだけの場合、実は届け出を提出する必要はありません。
しかし深夜帯といわれる時間に提供する場合は必要になってきます。
その時に提出するものが 「深夜酒類提供飲食店営業開始届」というものです。
深夜0時から午前6時までの間にお酒を主に提供する場合は開店の10日前までに提出する必要があります。
飲食店の営業許可を申請する保健所に出すのではなく、所轄の警察署に提出するものですので、間違いないようにしましょう。
ただし、この時間帯に酒類を提供する場合にも、この届け出を出す必要がない場合があります。
お酒を主に提供するのではなく、飲食物を主に提供するようなファミリーレストランなどでは必要ないとされています。
バーのような雰囲気を演出しようと深夜帯にお酒を提供する場合は必要になるということを、頭に入れておきましょう。
◆菓子製造業許可申請
パンやお菓子のテイクアウトを中心として提供する場合に必要な申請となります。
この申請には厨房を密室にする工事が必要となるため、通常のカフェよりも工事費が高くなることが多いです。
ただし一般的なカフェではパンや菓子の提供をしたとしても菓子製造業に該当しない場合が多く、必要ないこともあります。
物件を契約し工事に入る段階で、保健所に確認しておくのが良いでしょう。
まとめ
カフェを開業するにあたって必要な書類や申請などについて紹介しました。
どんなカフェでも必ず必要になるものは「飲食店営業許可申請」のみです。
店舗の規模によって「防火管理者」を立てる必要があったり、独立して初めての開業であれば「開業等届出書」を提出する必要があったりします。
「開業等届出書」を提出する際には、青色申告の申請も同時に済ませておくことをおすすめします。
その他ではお店のコンセプトや営業の仕方次第で「深夜における酒類提供飲食営業開始届出書」「菓子製造業許可申請」が必要になる場合もあります。
それぞれ自身のお店に沿った必要な書類をきちんと把握して、開業までの準備を進めていきましょう。
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