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フェアトレードコーヒーとは?認証商品のメリットやおすすめのコーヒーをご紹介

業務用コーヒー・備品その他

近年目にすることの多い「フェアトレードコーヒー」とは、どのようなコーヒーなのでしょうか。フェアトレード認証商品にはどのようなメリットがあるのか、フェアトレードの歴史や世界のコーヒー事情、おすすめのコーヒーなども含めてご紹介します。

フェアトレードコーヒーとは

フェアトレードコーヒーとは何か、そもそもフェアトレードとはどのようなものなのかについて見ていきましょう。

フェアトレードによって取引されるコーヒー


フェアトレード(fair trade)とは、英語で「公正な貿易」を意味します。開発途上国での生産品が適正な価格で取引される仕組みのことです。従来の貿易取引の場合、開発途上国の小規模な生産者は市場価格や最新の市場動向に関する情報が少ないことにより、不当に買い叩かれてしまうケースがあります。また、低価格で生産量を維持するために児童労働を余儀なくされたり、過剰に農薬を使用することによる環境破壊、健康被害なども問題となっています。


こうした問題を解決し、生産者の生活労働環境、地球環境を守る適正な取引として始まったのがフェアトレードです。
フェアトレードによって生産・取引されるコーヒーはフェアトレードコーヒーと呼ばれます。コーヒーの生産地は開発途上国にある小規模農園が多いため、フェアトレードで扱われる主要なアイテムの1つとなっています。コーヒー以外にも、チョコレートや衣類などさまざまなフェアトレード商品があります。

国際フェアトレード認証とは


国際フェアトレード認証とは、環境保全や児童労働の禁止、生産者の生活環境改善など、持続可能な生産と公正な貿易取引に関して定められた国際フェアトレード基準が守られていることを認証する制度のことです。認証された商品にはラベルを表示することができます。国際フェアトレード認証ラベルは、エシカル関連ラベルの中で、世界的にもっとも認知されているマークの1つです。

詳しくはwww.fairtrade-jp.org/をご覧ください。

国際フェアトレード認証は、SDGsの「17のゴール」すべてに寄与していますが、特に以下に示す8つのゴール達成に深く寄与するといわれています。


「貧困削減」:生産者・労働者の適正な収入確保に貢献
「飢餓撲滅」:人と環境に配慮した持続可能な生産と農家の生計構築に貢献
「ジェンダー平等」:プレミアム(奨励金)の活用により女性支援に貢献
「労働環境」:労働環境配慮や児童労働禁止等の基準により貢献
「持続可能な消費と生産」:環境や生産者の生活に配慮した生産・消費促進により貢献
「気候変動への対策」:土壌や水源の保全、エネルギー使用削減基準等により貢献
「平和と公正」:生産者が平等な意思決定権を得て、政策提言に深く関われる体制の構築等で貢献
「パートナーシップ」:生産者・企業・消費者・政府の連携を促すことで貢献

SDGsとは“Sustainable Development Goals”の頭文字をとったもので、日本語では「持続可能な開発目標」と訳されます。2015年9月の国連サミットで全会一致で採択され、2030年を期限に「貧困削減」「飢餓撲滅」など、世界共通である17の目標が設定されました。SDGsでは人権を守り、地球環境にも配慮した持続可能な開発を国際的な目標としており、日本国内でもSDGsに配慮した取り組みが積極的に進められています。
こうした背景もあり、近年SDGsに貢献できるフェアトレード商品が注目されているのです。

(資料提供:フェアトレード・ラベル・ジャパン)

フェアトレードの歴史と世界のコーヒー事情

フェアトレードの歴史と世界のコーヒー事情についてご紹介します。

フェアトレードの歴史

フェアトレードの起源は、第二次世界大戦が終了した1946年頃であるとされています。戦後の混乱期に貧しい女性を救うため、アメリカのNGO団体がプエルトリコの女性たちが作った刺繍作品をバザーで販売したのが始まりであるといわれています。1950年代に入るとイギリスやキリスト教国の間にも広まり、慈善活動「チャリティートレード」として普及していきました。1960年代に入ると、開発途上国と先進国との間で不当な貿易取引が行われている事実が問題視され、欧州各地へとフェアトレードの考え方が広まっていきました。

フェアトレードコーヒーが取引されるようになったのは、1980年代中頃とされています。欧米で複数のフェアトレード団体が設立され、さまざまな理由で経済的に困窮している途上国からコーヒーを輸入したのが始まりともいわれています。

1990年代に入るとフェアトレードコーヒーを専門に扱う企業も登場し、認証を受けたことを証明するラベル付きのコーヒーが一般市場にも流通するようになりました。

フェアトレードは、1980年頃までは「オルタナティブトレード」として、ごく限られたマーケットで販売されていたものでした。1980年代末頃にフェアトレードラベルが登場し、1997年にはフェアトレードインターナショナルが創設されたことにより、品質の高い商品を環境に配慮しつつ販売できる経路や認証制度が確立し、現在に至っています。

世界のコーヒー生産と消費の状況

全日本コーヒー協会が発表しているデータによると、2022年の主要なコーヒー産出国1位はブラジルとなっており、インドネシア、エチオピア、ベトナム、フィリピンと続いています。ほかにもアフリカ諸国や南米諸国、東南アジア諸国など、コーヒー生産は開発途上国がメインとなっています。一方、コーヒーの消費は欧米などの先進国がメインとなっているのが現状です。日本もヨーロッパ、アメリカに次ぐコーヒー消費大国となっています。

[参照先]全日本コーヒー協会「世界の国別消費量」

今後はコーヒー消費が増えると予想される一方、環境問題などでコーヒー生産が不安定となっている点も問題視されています。コーヒー生産者が安定して供給できる仕組みづくりのためにも、フェアトレードの普及は有効であるといわれています。

フェアトレードコーヒーのメリット

フェアトレードコーヒーのメリットについてご紹介します。

コーヒー生産者の生活と生産を安定させる

適正な価格でコーヒーを買い取ることにより、コーヒー生産者は、環境を守りながら持続可能で品質のよいコーヒーを生産していくことが可能となります。

自然環境の保全

森林や生物多様性の保全、農薬の使用削減や有機栽培の促進など、自然環境を保全します。

コーヒーに付加価値をつける

フェアトレードでは、近年、特に品質を高めることに注力しています。その成果として、最近ではスペシャルティコーヒーの品評会で、高い評価を得るフェアトレード認証コーヒーも多数出てきています。

なお、日本スペシャルティコーヒー協会(SCAJ)では、スペシャルティコーヒーを以下のように定義しています。

「消費者が美味しいと評価して満足するコーヒーであること。 (中略) 生産国においての栽培管理、収穫、生産処理、選別そして品質管理が適正になされ、欠点豆の混入が極めて少ない生豆であること。そして、適切な輸送と保管により、劣化のない状態で焙煎されて、欠点豆の混入が見られない焙煎豆であること。さらに、適切な抽出がなされ、カップに生産地の特徴的な素晴らしい風味特性が表現されることが求められる。」

[引用]日本スペシャルティコーヒー協会(SCAJ)「スペシャルティコーヒーの定義」

フェアトレード認証コーヒーのメリット

フェアトレードコーヒーの中でも、認証ラベル付き商品は厳しい条件をクリアしたことの証明となっています。

世の中には、フェアトレードコーヒーと謳っていても、認証を受けていないものもあり、実際にどのような生産や取引がされているのか第三者が確認できない商品も存在しています。

第三者による定期的な監査によって基準を守っていることが確認された証として、国際フェアトレード認証ラベルのように世界的な認知と信頼のあるラベル表示を行うことによって、フェアトレードの仕組みが守られていない商品と差別化することができます。

フェアトレード以外の認証コーヒー

フェアトレード認証以外にも、コーヒーにはいくつかの認証が存在しており「認証系コーヒー」と呼ばれることがあります。認証コーヒーの主な種類は以下の通りです。

<レインフォレスト・アライアンス認証>

1987年に設立された「レインフォレスト・アライアンス」は、人と自然が調和の中で繁栄する世界に向けて活動する国際非営利団体です。

認証農園では生産者が森林を保護し、労働者の人権や生活向上の推進、気候危機を緩和し適応するため、持続可能な農業を実践しています。 カエルのイラストが描かれたラベルが特徴となっています。

詳しくはwww.rainforest-alliance.org/ja/をご覧ください。

<有機JAS認証>

有機JAS認証とは、日本の農林水産省による認証制度の1つです。農薬や化学肥料などの化学物質に頼らず、自然界の力で生産された食品として認証を受けた事業者が貼ることのできるラベルです。

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フェアトレードコーヒーでサステナブルに貢献しよう

フェアトレードコーヒーとは、公正な取引によって生産者の環境や地球環境を守り、持続可能な社会活動に貢献していると認められたコーヒーのことで、認証を受けたコーヒーは認証ラベルを表示することができます。1990年頃より欧米を中心に広く普及していた制度ですが、昨今のSDGsへの取り組みなどから、改めて注目されています。フェアトレードコーヒーとして認証されたコーヒーを選択することで、SDGsへ貢献するきっかけにしてみましょう

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