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人気上昇のテイクアウトカフェを開業したい!テイクアウトカフェのメリット・デメリットとは

運営ノウハウ編集部オススメまとめ

ライフスタイルに変化が見られる昨今、テイクアウトカフェの人気が高まっています。

需要が増えた一因には、リモートワークの増加や店内飲食制限の影響で、持ち帰って食べる機会が増えたことにもあります。

「カフェを開業するなら、テイクアウトカフェを!」と思うものの、今後も需要は伸びていくのか、通常のカフェとはどう違うのかと疑問を抱えている方もいるかもしれません。

そこでこの記事では、テイクアウトカフェとはどのようなものなのか、メリットとデメリット、開業するまでの流れなどについて解説します。

テイクアウトカフェとは

はじめに、テイクアウトカフェの形態や人気になっている理由、今後の需要について見ていきましょう。

◆テイクアウトの形態

一口にテイクアウトカフェといっても、その販売方法はさまざまです。

例えば、元々カフェを営業していて、そのメニューをお持ち帰り用にパックして販売する、または、カフェの一部にテイクアウト用のコーナーを設ける販売方法。

あるいは、テイクアウト専門店として販売する、移動販売用の車を使って販売する方法などが挙げられます。

さらに、メニューを作って販売する形態と仕入れたものを販売する形態があるでしょう。

◆人気になっている理由

飲食店業界が苦戦する中、テイクアウトの市場は拡大傾向にあるそうです。

理由の一つとして、軽減税率が導入されたことが挙げられます。軽減税率とは、対象品目に係る税率を8%に据え置く制度です。

飲食店の場合、店内飲食であるイートインでは消費税率10%、お持ち帰りであるテイクアウトは消費税率8%になります。

同じメニューでもテイクアウトのほうが安くなりお得感があるため、テイクアウトが選ばれる傾向があるようです。

また、不要不急の外出を控えるといった外出の自粛が求められたことも理由として挙げられます。テイクアウトの便利さを多くの人が実感したことで、需要が増えたということです。

さらに、晩婚化による単身者の増加、共働きの家庭が増えていることが、テイクアウトの利用の増加に繋がっているのでしょう。

◆今後の需要

前述の人気が高まっている理由に挙げたことは、今後もテイクアウトを利用する機会を増やしていくと考えられます。

また、今後も需要があり続けるのかを考えるに当たり、カフェのテイクアウトのニーズを再確認する必要があるでしょう。

オフィス街のカフェであれば、ランチのお弁当やコーヒーのテイクアウトが訴求ポイントです。

また住宅街のカフェであれば、「おうちカフェ」を楽しむ人が増えた影響で、通常の店内メニューや本格的なコーヒーとケーキのセットなどのテイクアウトに需要があると想定できます。

ターゲット層を見極め、求められるメニューやサービスを提供することで、気軽に利用できるテイクアウトカフェの需要は伸びていく可能性が高いでしょう。

テイクアウトカフェのメリット・デメリット

テイクアウトカフェのメリットとデメリットを確認していきましょう。テイクアウト専門店という設定で考えてみます。

◆メリット

はじめに、メリットを確認しましょう。

・物件規模が小さくても開業できる

テイクアウト専門のカフェは、基本的に調理場と販売スペースがあれば開業できます。

通常のカフェと比べると物件規模が小さくても良いため、物件の取得費用、内装工事費、家賃、光熱費が抑えられるでしょう。

初期費用に加え、運営していくうえでの固定費が少なくても済むことは、大きなメリットです。

・少人数での営業が可能

客席がないテイクアウト専門店は、少ない人数で営業することができます。

客席があるカフェでは、来客数が増える時間帯に接客対応ができるスタッフを配置しなくてはなりません。

しかしテイクアウト専門店の場合は接客に必要なスタッフ数が少なくて済むため、最少人数の人員でも営業が可能です。

よって、人件費を抑えられることに繋がります。

・客席の縛りがない

客席があるカフェでは、満席時にお客様を待たせてしまうことや、そのまま帰られてしまうこともあります。

満席になるのはうれしい反面、せっかく来ていただいたお客様を受け入れられないのは、売り上げ面ではダメージです。

その点、テイクアウトカフェでは、混む時間帯のために多めに用意しておく工夫をすれば、足を運んでいただいたお客様を受け入れられない事態は起こりません。

◆デメリット

続いて、デメリットを確認しておきましょう。

・メニュー単価が低め

店内飲食するカフェとは違い、テイクアウトカフェでのメニューは持ち帰りしやすいものに限定されます。

また、単価の相場はリーズナブルな価格である傾向があり、全体的に安めといえるでしょう。

あまりに相場から離れた価格を設定すると、集客が難しくなる可能性があります。高く設定したい場合は、希少価値があったり高価な食材を使っていたりするなど、それ相応の価値が求められるでしょう。

・備品の準備が必要

テイクアウト専門カフェでは、お客様が商品を持ち帰りできるように容器や袋などの準備が必要です。

カフェオリジナルのものを用意しようと思えば、備品にかかるコストが上がってしまうでしょう。また、店内に備品をストックしておくスペースも必要になります。

なお、昨今は環境に配慮する意識が高まっています。そのため、プラスチック製ではなく環境配慮型の資材を取り入れるといった取り組みも大切です。

販売する商品代には、備品のコストも加えた価格を設定しておきましょう。

・立地に左右される

テイクアウト専門カフェに限ったことではありませんが、立地によって運営が厳しくなるかどうかが左右されます。

テイクアウト専門カフェの競合は、持ち帰り総菜を販売しているスーパーやコンビニです。

競合店に埋もれてしまわないよう差別化を図り、需要があるのか、または需要を作り出すことができるのかを開業前に良く検討することが重要です。

開業するまでの流れ

ここからは、実際にテイクアウト専門カフェを開業するまでの流れにおいて、すべきことを解説します。必要な届け出や資金、物件の選び方について確認しておきましょう。

◆届け出

現在、カフェを営業していて、そこで提供しているメニューをテイクアウト販売する場合には、基本的に別途許可申請はいりません。しかし、店舗とは別の場所で営業する場合、許可申請が必要になります。

提供する商品によっても許可申請は異なるので、細かくチェックしておきましょう。

・個人事業の開業・廃業等届出書

新たに個人で開業するのであれば、税務署に「個人事業の開業・廃業等届出書」を提出する義務があります。

開業後1カ月以内に届け出ることとされており、遅れてしまうと所得控除が受けられないといった不利益が発生してしまうので気を付けましょう。

・飲食店営業許可

新たにテイクアウトカフェを開業する、あるいは既に営業している店舗とは別の場所で開業する場合には、飲食店営業許可を取得する必要があります。

営業許可が下りるためには、一定の基準をクリアしなくてはなりません。定められている基準は自治体によって異なるため、管轄の保健所に確認してみるようにしましょう。

なお、キッチンカーによる販売であっても許可申請は必須です。

・食品衛生責任者の資格

前述の飲食店営業許可を取得する条件の一つとして、食品衛生責任者の資格取得があります。

取得のためには、各都道府県で実施されている講習会へ参加することが必要です。通常1日の講習であり、受講料は1万円ほどかかります。eラーニング方式による講習会も始まっているので、管轄の食品衛生協会の情報をチェックしてみましょう。

また、調理師や栄養士の免許を持っていれば、講習が免除されます。

・菓子製造業許可・アイスクリーム類製造業許可

パンやケーキなどのスイーツを作ってテイクアウト販売する場合には、菓子製造業許可が必要です。

また、アイスクリームやシャーベット、アイスキャンデーのテイクアウト販売には、アイスクリーム類製造業許可が必要になります。

取り扱うメニューによって申請するべき許可証は変わるため、管轄の保健所に確認するようにしましょう。

◆資金

テイクアウトカフェを開業するための資金繰りは、大変重要です。金額や調達方法など、十分に検討することを怠ってはなりません。

・開業資金を確認する

開業するためには、どれくらいの資金を用意したら良いのかを確認しましょう。

一般的にテイクアウトカフェであれば、10坪ほどの広さがあれば開業できます。この場合は、物件取得費、内装工事費にそれぞれ100万円程かかるのが相場です。

とはいえ、立地や内装によって費用は変わってくるので、自店舗の場合を考えるようにしましょう。

・資金の調達方法を検討する

開業資金を把握したら、その調達方法を検討します。

もちろん、十分資金を貯めているケースもあるでしょう。しかし、資金が足りない場合には銀行からの融資、補助金や助成金を利用する方法があります。

いずれにせよ事業計画書の提出が求められ、説得力のある計画書を作成しなければ審査に通らないことがあるので注意が必要です。

◆物件

テイクアウトカフェの運営がうまくいくかは、立地にも大きく左右されます。

店のコンセプトをしっかりと考え、そのコンセプトに沿った物件探しをするようにしましょう。

ターゲット層を見極め、提供するメニューが営業する場所で需要があるのかを検討することが重要です。

テイクアウトの需要が高そうな場所として、オフィス街、学生が多いエリア、単身世帯が多いエリアなどが挙げられます。同じ単身世帯が多いエリアであっても、高齢者と若者では求められるメニューが変わってくるでしょう。

提供したいメニューの需要がありそうなエリアを探してみると同時に、魅力的な物件が見つかったら、そのエリアで求められるメニューを提供できるのかを考えてみることも大切です。

人気のテイクアウトカフェを需要のある場所で開業しよう

飲食業界が低迷する中、テイクアウトカフェの需要は高まっています。

軽減税率が適用されていること、手軽に利用できることなどが人気の理由です。

テイクアウトカフェは、客席があるカフェよりも小さな物件での開業が可能であり、スタッフ数も最少人数で済むため、コストを抑えることができるでしょう。

しかし、提供するメニューによって申請しなければならない許認可の種類が異なる点には、注意が必要です。

需要が高く、提供するメニューがターゲット層と合っている立地を見極めた上で、求められるテイクアウトカフェを目指しましょう。

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