雑貨カフェを開業するには?押さえておくべきポイントをわかりやすく解説
雑貨カフェを開業する際には、通常のカフェ開業と比較してどのような点に注意すればよいのでしょうか。そもそも雑貨カフェとはどのようなカフェをさすのか、経営時のメリットなども把握しておきたいところです。
この記事では、雑貨カフェとはどのようなカフェなのか、概要やメリットに加え、開業までの流れについてわかりやすく解説しています。カフェ経営を成功させるポイントについてもご紹介していますので、これから開業を検討する際の参考にしてください。
目次
雑貨カフェとは
雑貨カフェとはどのようなカフェなのか、概要や開業のメリットなどについて解説します。
雑貨店とカフェを兼ねている店舗のこと
雑貨カフェは、雑貨店とカフェを兼ねて営業している店舗をさします。ひとくちに雑貨カフェといっても、扱う雑貨の量やカフェスペースによって営業形態は微妙に異なります。雑貨販売をメインにして、店舗の一角のみでカフェ提供を行う場合は「カフェコーナーのある雑貨店」のようになり、カフェスペースをメインに少しだけ雑貨も扱う場合は「雑貨も販売しているカフェ」といった形態となるでしょう。
雑貨カフェのメリット
雑貨カフェを経営するメリットとしては、販売する雑貨を置くスペース自体がインテリアの一部となり、カフェ店内の雰囲気づくりがしやすい点が挙げられます。カフェの提供と雑貨販売という2つの売上が期待できる点も大きなメリットといえるでしょう。
また、ハンドメイド雑貨の作家や他店とのコラボ、個展や各種イベントなど、コラボレーションや企画がしやすいのも雑貨カフェの魅力となっています。
雑貨カフェの開業までにやるべきことは?
雑貨カフェの開業までにやっておくべきポイントについて解説します。
コンセプトをしっかりと考える
雑貨カフェの開業前に、どのようなコンセプトで経営するのかをしっかりと練っておくことが大切です。例えば、カフェのメニューをオーガニックや有機野菜を使用するなどナチュラル系のメニューにする場合、扱う雑貨もオーガニックコットンや無添加の石鹸などを置く事で統一感が生まれます。レトロ雑貨の販売をしたい場合は、カフェメニューにもレトロなネーミングをつける、アンティークな食器を使用するといったコンセプトも考えられるでしょう。雑貨とカフェの雰囲気が違い過ぎるとコンセプトがあいまいになって埋もれてしまったり、ファンになってもらえるはずのターゲットを逃してしまったりするリスクが出てしまいます。
扱う商品やメニューだけでなく、内装や看板、店舗名など、トータルで雰囲気を考えたコンセプトづくりをするようにしましょう。
開業費用の準備
コンセプトの明確化と併せて重要なのが、開業費用の準備です。カフェ開業に必要な費用は、物件の大きさや立地、設備の状況などによっても大きく異なります。小規模なカフェの開業に必要な費用の相場は500~1,000万円といわれています。通常のカフェ開業に加え、雑貨カフェでは雑貨の仕入代も確保する必要があるでしょう。開業後の運転資金も考慮して開業資金には余裕をもたせたいなら、初期費用は極力抑える意識が大切となります。
仕入先を選定する
雑貨の仕入れはもちろん、カフェの営業にも食材や消耗品などの仕入れが必要です。カフェと雑貨両方の仕入先を選定する必要があるため、早い段階からリサーチしておくようにしましょう。
メニューに使う食材やドリンクの仕入は、安定して仕入れられる信頼できる業者を選ぶのが望ましいでしょう。オンライン発注可能か、大量注文にも対応しているかなど、希望するポイントをリストアップしておくと選びやすくなります。
雑貨の仕入先については、何を扱うかによって選び方も予算も大きく異なってきます。初期費用を抑えたい場合は、売れた分だけを精算できる委託販売が可能な作家さんへオファーをするほか、オーナーが手作りした小物やアクセサリーを販売する方法もあります。
雑貨カフェ開業までの流れ
雑貨カフェを開業するまでの大まかな流れは以下のようになります。
物件を探す
物件取得費は初期費用の多くを占めるため、物件選びは重要なポイントとなります。開業後の集客、運転資金も考慮して費用を抑えることも大切ですが、コンセプトを考慮にいれた立地や坪数の物件を選ぶことも必要となります。
素朴で手作り感のある雑貨カフェを開業する場合、郊外の店舗ならのんびりとした環境でリラックスした時間を提供しやすく、繁華街の店舗なら回転数が上がりやすいなど、似た雰囲気の店舗でもコンセプトやターゲットによって、成功しやすい物件の条件は異なります。立地や坪数、設備の揃った居抜き物件かどうかなど、優先順位をつけて選んでいきましょう。物件選びと併せて、内装や外装の施工業者も選定します。
カフェ開業には営業許可の取得が必要
雑貨店とカフェを兼ねて営業する場合、カフェ営業には飲食店の営業許可が必要となります。飲食店の営業許可を取得するには、管轄の保健所へ申請後、厨房や水回りなどの設備条件をクリアしなければなりません。食品衛生責任者の資格保有者も必要となるため、資格のない人は講習の受講が必要です。収容人数が30名を超える場合など、物件によっては防火管理者の受講が必要なケースもあります。防火管理者の資格は、日本防火・防災協会が開催している講習を受講する必要があります。
営業許可や必要な資格について知りたい場合は、事前に物件を管轄する保健所へ相談して確認するようにしましょう。
備品や家具の購入
物件の取得と内装や外装を依頼する業者が決まったら、家具やインテリア、厨房に必要な機器を購入します。壁紙の張り替えや棚の作成など、簡単なものは自身で作成するDIYを活用することで、施工にかかる費用を抑えることができます。備品や家具も新品の代わりに中古品を活用できないか検討してみましょう。
高額な内装や外装が必要ないか、家具や備品にどの程度こだわるかは、コンセプトによっても異なるものです。とはいえ、初期費用を抑えたい場合は、開業後経営に余裕が出てから少しずつ揃えることも考慮した方がよいでしょう。
カフェで使用する食材や販売する食品を仕入れる場合、賞味期限や日持ちなどに注意して仕入れる量を決める必要があります。大量に仕入れた方がコストを抑えやすい反面、大量の期限切れが出れば食品ロスとなり、赤字の原因となってしまうため注意が必要です。
食材や商品に加え、紙ナプキンやおしぼり、ストローといった消耗品の仕入れも必要です。何をどのくらい仕入れるか、ストック場所なども考慮してリストアップし、購入する時期や数量を管理するようにしましょう。
各種決済方法への対応やレジなど、会計や精算に関する準備も忘れずに行いましょう。
広告、宣伝を行う
オープンする日が決まったら、開店前からチラシやポスターなどで宣伝を行います。オープン記念セールや割引を行うと集客力が高まり、お店の周知にも繋がるので積極的に宣伝しましょう。
無料で運用できるSNSやホームページの活用も大切です。うまく運用できれば広く拡散できるため、お店の雰囲気やメリットが伝わるような投稿を心がけましょう。
開業届を提出する
開店準備に加えて、個人事業主として初めて開業する場合は税務署へ開業届の提出も必要です。確定申告で青色申告をする場合や、インボイス制度に対応する場合も事前の届出が必要となります。
スタッフを雇う場合や、法人にする場合には別途手続きが必要です。たくさんの手続きや準備を一気に進めてトラブルにならないよう、開店までの計画表も作るとよいでしょう。
雑貨カフェを成功させるポイント
雑貨カフェの経営を成功させるポイントについてご紹介します。
コンセプトに合ったメニュー、商品選びが大切
雑貨カフェに限らず、飲食店や店舗経営においては、コンセプトを明確にすることがとても大切です。「こういうお店がやりたい」というこだわりが伝われば、口コミでファンを増やして安定した経営に繋げたり、取材を受けたりする機会も訪れやすくなるでしょう。
「このメニューやアイテムはここでしか買えない」「同じものを買うならここで買いたい」と思ってもらうために、ターゲットとなるお客様の目線で考えるようにしましょう。また、こだわりを大事にすることも大切ですが、資金には余裕を持ってメニュー開発や商品選びを行いましょう。
SNSは積極的に活用しよう
近年では、SNSによって人気に火がつくカフェが増えてきています。最初は閲覧数が少なくても、お店の魅力が伝わる投稿は定期的に続けることが大切です。「アカウントフォローでドリンクサービス」などのキャンペーンでフォロワーを増やせば、口コミで拡散される可能性も高くなるため、積極的に活用しましょう。
近隣との交流や横の繋がりも重要
広告やSNSによる宣伝と併せて、近隣との交流やコミュニケーションも大切にしましょう。近隣の住宅やオフィスから利用してくれるお客様を獲得することはもちろん、競合他店とのコラボレーションや地域のイベントなどを企画する際にも、日頃の交流が役立ちます。店内での接客と同じくらい、周囲とのコミュニケーションを大切に考えるようにしましょう。
カフェの開業方法や準備についての知識を身につけよう
開業ナビでは、カフェの開業方法や準備についてさまざまな情報をご案内しています。
開業の流れや運営ノウハウなど、さらに詳しい内容について知りたい方は、以下のページからも確認することができます。
◇ カフェ開業方法、準備に関するページはこちら
雑貨カフェ開業でこだわりを実現しよう
雑貨カフェは、雑貨店とカフェを併設した店舗のことで、雑貨販売とカフェ提供の2つのルートで売上が期待できるほか、雑貨の販売スペースがお店の雰囲気をアップできるほか、雑貨とカフェとのコラボレーションやイベントがしやすいといったメリットがあります。カフェの開業には飲食店の営業許可が必要となり、雑貨の仕入先など準備することは多いですが、やりたいコンセプトを明確にして、こだわりの雑貨カフェを実現できるようにしましょう。
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