カフェ開業・経営のための集客できるメニューとレシピを作っておこう
カフェを開業し経営していくには、メニュー計画がとても重要です。メニューは集客、顧客満足度、利益率に影響を与えるものだからです。そのため、開業前から検討しておくことも必要ですし、オープンしてからも戦略を練り続けていくことが欠かせないでしょう。
メニュー作りは、カフェ営業の明暗を分けるともいえますが「それほど深く考えてなかった」ということもあるかもしれません。
そこでこの記事では、カフェのメニューをどのように考え、どのような観点から作っていけば良いのかということについて解説します。
目次
メニューを考える前にするべきことは
いきなりメニューを考え始めるのではなく、メニュー作りの際には先にしておくべきことがあります。具体的なメニュー作りの前にするべきことは、主に2つです。
・コンセプトを明確にする
・ターゲット層を考慮する
◆コンセプトを明確にする
カフェを開業するときには、コンセプトを考える必要があります。コンセプトとは、どのような店にしたいのかということです。
例えば「素材にこだわるカフェ」「カフェ教室やライブなどのイベントも行うカフェ」などになります。
メニューは、このコンセプトに沿うものということをベースにして考えましょう。カフェのコンセプトに魅力を感じて来店するお客様が「思っていたのと違う」と落胆するのではなく「思っていた通りのカフェ」「期待以上」と思っていただけるためです。
◆ターゲット層を考慮する
カフェのコンセプトや立地によって、ターゲット層は決まってくるはずです。
オフィス街の立地であればランチに訪れるお客様が多いでしょうし、郊外の立地であれば家族連れや近くの住人が来店することが多くなるかもしれません。
ターゲット層を考慮すれば、ランチメニューを充実させたり、キッズメニューを作ったりといったメニュー作りの戦略も明確になっていくでしょう。
逆に、一人でコーヒーをじっくり味わいたいと来店するお客様が多いにもかかわらず、コースメニューを充実させても、ニーズとずれたメニューとなってしまうため、注意が必要です。
カフェのメニューの基本を知っておこう
メニュー作りには、構成のバランスの良さを意識すると良いでしょう。カフェのメニューでは、次の3つに分けて検討するのが基本です。
・看板メニュー
・定番メニュー
・利益率の高いメニュー
それぞれ詳しくみていきましょう
◆看板メニュー
看板メニューとは「〇〇といえば」で思い出していただけるような、カフェの顔ともいえるメニューのことです。
よって、ほかの店と同じようなものではなく、独自性がある必要があります。看板メニューは他店との差別化を図るものであり、集客を狙える要素といっても過言ではありません。
看板メニューでは、次の2点を意識しましょう。
・味
・見た目
看板メニューは、一度味わったら思い出して来店していただけるような味わい深さがある必要があります。お客様に喜んでいただけるよう美味しさにこだわり、研究を重ねなくてはなりません。また、おいしく作るために、その道のプロの技を習得することも有効でしょう。
看板メニューは、見た目にもこだわる必要があります。ボリュームであったり飾りつけであったり、思わず写真に撮りたくなるメニューであることが大切です。
感動を与える見た目を意識することで、SNSにアップされることもあり、集客効果も期待できるでしょう。
ただし看板メニューが流行りのものだった場合、ブームが去るのと同時にお店の存在も忘れられがちなので注意が必要です。
◆利益率の高いメニュー
カフェでの原価率は、20~25%に抑えるのが理想とされています。原価が低ければ利益率は上がりますが、原価率が高いメニューのほうが顧客満足度は高いという現実もあるでしょう。
ゆえに、なんでも原価率を下げれば良いというのではなく、トータルでの利益率を保つようなメニュー作りが大切です。
原価率が高めのメニューとのバランスを取るために、原価率が低くて済み利益率が高いメニューも用意しましょう。例として、賞味期限が長いものが挙げられます。
いくら利益率が高いメニューを考案しても、その日に注文がなければ廃棄するしかない状態では利益を上げることはできません。
材料も持ちが良いものを選ぶ必要がありますし、クッキーのような焼き菓子であれば多少の日持ちはするでしょう。また、焼き菓子であれば、コーヒーとセットメニューや持ち帰り用にすることもできるので効率的です。
メニュー作りでのポイント
続いて、カフェのメニュー作りでのポイントを確認します。カフェのメニューでは、次の3つを意識しながら検討すると良いでしょう。
・価格設定
・メニュー名
・作る時間
それぞれを詳しくみていきます。
◆価格設定
カフェの原価率の目安は20~25%ですが、すべてのメニューに適用する必要はありません。全体的に見た利益率を考えるようにしましょう。
ここで大切になるのが「客単価」です。コンセプト作成時に、客単価の設定もしてありますか?
仮に、客単価1,000円とした場合で考えてみましょう。
・ケーキセット ケーキ+ドリンク
・ランチ フード+ドリンク
・夜のメニュー おつまみ+アルコール類
上記がメインの注文で、すべて1,000円の設定だとしたら、セットで利益率を保つようにすれば良いということになります。
また、メニューの価格設定に「ゴルディロックス効果」を採用するのも良いでしょう。これは、選択肢が3段階あると、人は真ん中を選びやすくなるというものです。よって、客単価1,000円をキープしやすくなるよう、次のようなメニュー設定をしてみましょう。
・ケーキセットA:800円
・ケーキセットB:1,000円
・ケーキセットC:1,200円
さらに、割安感を演出するのなら、金額の末尾を8に揃えるといったような「端数価格効果」と呼ばれるテクニックがあります。1,000円ではなく980円とすることで、価格以上に安いイメージを抱きやすく、お得感を得られやすくなるため、価格設定時に取り入れるのも一案です。
◆メニュー名
注文をするときに必ず目に入るメニュー名は、とても重要です。受注数にも関わってくるため、こだわりを持ってメニュー名を付けましょう。
メニュー名で大切なことは、分かりやすく、かつ五感に訴えるものであることです。
例えば、単に「ホットコーヒー」とするより「〇〇産の豆を使った芳ばしい味わいのコーヒー」としたほうが、注文したくなるのではないでしょうか。
メニュー名にプラスできる例として、次のものがあります。
・調理法:じっくり煮込んだ、さっぱり仕上げた など
・産地:国産、〇〇産 など
・食感:もちもち、ふわふわ、しゃきしゃき など
「豆選びにこだわりぬいた」「〇〇の味を再現した」など、そのメニューにかける力の入れ具合を入れるのも良いかもしれません。
ただし、いろいろと付けすぎて、何のメニューだか分からないということは避けましょう。
◆作る時間
メニューを考える際に、スピーディーにお客様に提供できるのかということも検討する必要があります。
カフェは回転率を速くすることで、収益を伸ばしていけます。しかし、注文を受けてから作って提供するまでの時間が長くかかってしまうことで、回転率を上げることが難しくなってしまうでしょう。
時間が限られているランチ時間に寄ったとすれば、注文したものが出てくるまでに想像以上に時間がかかることで、リピートはないと考えて良いかもしれません。
提供までに時間がかかる旨を注文時に伝える手段もありますが、時間がかかるメニューをターゲット層は求めているのかという見極めも大切です。
また、調理や焙煎などの時間がかかるだけ、人件費や商品価格も考慮する必要が出てくるでしょう。そのため、提供時間をスピーディーにするレシピ作りが求められます。
メニューブックを作る工夫
お客様はメニューブックを見ながら注文を決めます。ゆえに、カフェの魅力を伝えられる、見やすいメニューブックにする工夫が必要です。
メニューブックを作るために知っておきたいことを3つ挙げます。
・種類
・配置
・写真
◆種類
メニューブックの種類は、主に3パターンあります。どれが良いというわけでなく、自店に合ったものを選ぶのがポイントです。
1枚タイプは、1枚のメニューの裏表を利用して、メニューを並べるものです。
折りたたみタイプは、1枚を折りたたんだもので、広げて見る形になります。
ブックタイプは冊子になっていて、上記の2タイプよりも多くのメニューを載せられるのが特徴です。
◆配置
メニューを見る際の視線の動きには、法則性があるといわれています。よって、視線を意識したメニューの配置にすることで、売りたいメニューの注文数を増やすことも可能でしょう。
人の視線は、横書きなら「Z」、縦書きなら「N」の文字のように動きます。売りたいメニューは視線が最初に行くところに配置するのが良いとされているため、横書きなら左上、縦書きなら右上を意識すると良いでしょう。
◆写真
メニューに載せる写真はとても大切です。お客様は「どんなものが出てくるのか」を写真を見て確認するからです。
ゆえに、写真うつりが悪いメニューは、注文数が減ってしまう可能性もあります。
プロに頼むことがおすすめですが、自分で撮影するのなら、なるべく明るい場所で性能の良いカメラを使うようにしましょう。
集客に効果的なメニュー作りを心がけよう
カフェの開業、経営をするためには、集客ができるメニュー作りがとても重要です。
メニュー作りの前には、店のコンセプトとターゲット層をしっかりと決めておきましょう。
また、メニュー作りの基本は、看板メニュー、定番メニュー、利益率が高いメニューで構成することです。
価格やメニュー名も、良く考慮して決めましょう。スピーディーに提供できるレシピ作りも大切です。
カフェのメニューブックにもこだわりを持ち、設定した客単価以上をキープできるカフェ経営をしていきましょう。
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