古民家カフェの開業は難しい?成功例と注意点を解説
古民家を利用したカフェは、暖かみのある雰囲気が魅力の1つ。人気店や名店も多いため、自分でも古民家カフェを開業したい、と考える人も年々増えてきています。古民家カフェと通常のカフェを開業する場合では、どのような違いがあるのでしょうか。
ここでは、古民家カフェの概要や開業する際のメリットとデメリットに加え、古民家カフェ開業の流れなどについてくわしく解説しています。古民家カフェについて知りたい際や、古民家カフェの開業を検討する際の参考としてお役立てください。
目次
古民家カフェとは
古民家カフェとは、以下のようなカフェのことをさします。
古民家をリノベーションしたカフェ
古民家カフェとは、昔ながらの伝統的な民家をリノベーションしてカフェとしている店舗のことです。
リノベーションする際は、レトロな外観や内装の良さをできるだけ残しつつ、水回りや空調などの設備を近代的にアレンジするのが一般的です。
非日常の空間でゆったりと寛げる
古民家カフェでは、古民家が持つ建築美やレトロな空間の中で、コーヒーやフードを楽しむことがコンセプトとなります。
まるで昭和以前の時代へタイムスリップしたような、非日常の空間が演出できる古民家は、リラックスや癒し、レトロモダンなどのコンセプトと相性が良く、隠れ家のようなプライベート感もあるため、人気となっているカフェの1つです。
古民家カフェのメリット・デメリット
古民家カフェを開業する場合、通常のカフェ開業に比べてどのようなメリットとデメリットがあるでしょうか。以下にいくつかピックアップしてご紹介します。
古民家カフェのメリット
古民家カフェの最大のメリットは、古民家の魅力を活かしたカフェが開けるところです。通常の家屋や店舗を古民家風にアレンジする場合、物件にもよりますが相当の費用がかかることとなります。また、物件の立地によっては周辺エリアの雰囲気とバランスが取れず、ミスマッチになってしまう可能性もあるでしょう。もともと建っている古民家をそのまま利用できる場合、外観はそのままで補修や設備工事のみ行えばよいため、費用を安く抑えることが可能です。物件自体の費用も、商業施設内の物件や新築物件より安価に契約できる場合が多く、かなり初期費用が節約できるでしょう。
「癒し」「レトロ」「リラックス」「オーガニック」「和菓子・和食」といったテーマとの相性がよく、やりたいコンセプトに合っていれば、レトロで情緒のある空間が短期間で作れるメリットがあります。
また、日本の伝統家屋に触れられる古民家カフェは、海外の観光客から好まれやすい点もメリットの1つ。平日の日中など人通りが少ない時間帯でも、宣伝次第で観光客の集客を見込むことが可能です。
古民家カフェで提供するメニューや食器も、素朴でシンプルなものが合います。状態のよい物件が契約できれば、古民家カフェは初心者でも比較的開業しやすいといえるでしょう。
古民家カフェのデメリット
古民家カフェのデメリットとしては、古民家の空き家物件がある地域はある程度限定的で、都心や開発の進んだ繁華街には少ない点が挙げられます。開発の進んでいない郊外や駅から距離のある場所に残っている場合が多いため、立地条件は期待しない方がよいでしょう。
また、古民家の状態によっては、改修費用が想定よりも多くかかるケースもあります。古い木造家屋の場合、柱の傷みやシロアリなどの虫害にも注意が必要です。
高齢者の多い集落などでカフェを営む場合には、近隣の人々と円滑なコミュニケーションが取れるような配慮も大切となります。
特に居住経験のない遠方や郊外の古民家でカフェを開業する場合、水道やガス、電気の供給方法についても注意が必要です。水光熱費が想定よりも高額となる場合や、インターネットの通信環境が悪いなど、思わぬトラブルが後で発覚するケースもあります。
古民家カフェを開業するにはどうすればいい?
古民家カフェを開業する際の一般的な流れは以下の通りです。
事業計画を立てる
古民家カフェに限らず、カフェを開業するうえで事業計画を立てることは重要です。カフェのコンセプトはもちろん、初期費用や運転資金、開業してから黒字化するまでの予定期間や売上予算などもしっかりと計算して計画するようにしましょう。
事業計画を立てることで、開業スケジュールが無謀になっていないか予想することが可能です。開業後資金がショートする可能性や、赤字のままでいつまで持ちこたえられそうか、1日に必要な売上や利益を出すための価格設定、客単価といった予想もできるようになります。
開業前の改装工事や設備投資にいくらまでかけられるかも、事前に計算しておくとよいでしょう。
カフェ開業に必要な資格を取る
古民家カフェやカフェ、飲食店を開業するにあたり、飲食店の営業許可証が必要となります。飲食店の営業許可申請を行うためには、以下の資格取得が必要です。
食品衛生責任者:飲食店の営業許可を得る際に必須の資格となります。店舗内に最低1人は、食品衛生責任者を置くことが法律でさだめられているからです。
食品衛生責任者の資格は、管轄の保健所で講習を受講することで取得が可能です。もしくは、調理師や栄養士の資格を持っている場合は、講習を受講しなくても食品衛生責任者とみなされます。
防火管理者:30人以上を収容できる店舗を開業する場合に必要となる資格です。防火管理者の資格は、管轄の消防局で講習を受講することで取得が可能となります。
古民家カフェに最適な物件を探す
古民家カフェの開業で、もっとも重要な部分の1つです。良い古民家を見つけられるかどうかで、古民家カフェを開業できるかが決まるといってもよいでしょう。
近隣のリサーチをしっかりと行い、不動産業者へ良い物件が出たら連絡をもらうように伝えるなどして、地道に物件選びをしましょう。
リノベーションする
良い物件が見つかったら、必要に応じてリノベーションを行います。近年は古民家カフェの居抜き物件も増えているとはいえ、カフェ営業に必要な設備が整っていないことも多いものです。仮に設備が整っていても、経年劣化で短期間に配管や基礎に問題が出てくる可能性もあるため注意しましょう。
リノベーションを業者へ依頼する場合は、古民家のリノベーション実績が豊富な業者へ依頼することも大切です。古民家ならではの修繕ポイントやチェック項目など、ノウハウを持っている業者を選ぶことで、安心して工事を依頼しやすくなるでしょう。
看板やテーブルなど、DIYできる部分は自分自身で行うことで、リノベーションにかかる費用を節約できます。
営業許可申請等の手続きをする
物件のリノベーションを進める一方で、飲食店営業許可申請の手続きにも入っていきます。店舗の図面を入手したら、申請前に一度保健所へ赴き、基準に合致しているか確認してもらいます。
飲食店の営業許可申請に必要な設備がない場合、一からの設置工事が必要となります。物件の契約を安価に行うことができても、工事費用がかさんでしまう場合があるため注意しましょう。
申請可能となったら、申請書類に必要事項を記入し、その他必要書類と申請手数料を添えて申請を行います。
申請が受理されると、後日食品衛生監視員立会のもと、店舗の実地調査が行われます。この調査で基準を満たしていると確認できると、数日程度で営業許可証の交付を受けることが可能です。
飲食店営業では、フードやドリンク調理のほか、アルコールの提供も可能です。2021年6月の法改正により、ケーキの調理提供も可能となりました。
ただし、自家製のみそやしょうゆ、豆腐などを製造販売したい場合は、個別に製造許可が必要となります。
営業許可や製造許可の基準を満たす要件や申請手数料などについては、申請する地域によって微妙にことなるため、管轄の保健所へ確認してみましょう。
古民家カフェにある備品や家具を選ぶ
営業許可申請と並行して、カフェ内に設置するテーブルや椅子、棚などを選びます。古民家のテイストに合うようなレトロな雰囲気のものがおすすめです。
リサイクル品を活用したり、廃材などを利用してDIYしたりしてみるのもよいでしょう。少々のペンキの塗りムラや木目のダメージなども、かえってよい味わいになる場合もあります。家具や備品をレトロにしたら、カーテンやカバーなどのファブリック製品は新品にするなど、一定の清潔感は保てるようにバランスよくインテリアを選びましょう。
開業前から集客活動は積極的に
郊外や駅から遠い立地にある古民家でカフェを開業する場合、集客の手段をしっかりと確保することも重要です。
山間や人里離れた場所にある場合は、ポスターやのぼり、A型看板といった販促ツールも駆使して、場所をわかりやすくします。
無料で利用できるSNSも有効に活用し、オープン前のDIYの様子などから投稿を始めるのもよいでしょう。
フードフェスやイベントなどへ参加して商品を販売し、SNSのアカウントを印刷したチラシを配る、といった方法も有効です。
メリットとデメリットを理解して古民家カフェを成功させよう
日本の伝統的な古民家をリノベーションした古民家カフェは、初期費用を抑えてレトロで味のある空間が実現できるため人気となっています。古民家カフェを成功させるには、良い物件を見つけることが重要です。修繕費用や立地条件など、メリットとデメリットを理解して古民家カフェ開業を実現させましょう。
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