コーヒーの種類がわかる!豆の種類やいれ方など一覧で解説

ひとくちに「コーヒー」といっても、その種類は実にさまざまです。コーヒー豆の種類はもちろん、産地や挽き方、焙煎の度合いなどによってもその味わいは異なります。

ここでは、コーヒーの種類にはどのような区別の仕方や分類があるのか、豆の種類からいれ方、飲み方に至るまでわかりやすく解説しています。

コーヒーにはどのくらい種類があるのか、何通りの分け方があり、どのような味わいになるのかなどについて知りたい際の参考にしてください。

コーヒーにはいくつの種類がある?

コーヒーには、一体どのくらいの種類があるのでしょうか。

コーヒーの種類・分け方

コーヒーの主な種類と分け方には、以下のようなものが挙げられます。

コーヒー豆の産地:ブラジルやグアテマラ、エチオピアなど、生産国や産地によって分ける方法です。また、1種類の豆だけを使ったコーヒーは「ストレートコーヒー」、複数の豆を混ぜたコーヒーは「ブレンドコーヒー」と呼ばれます。

  • ・焙煎:浅煎りや深煎りなど、生豆を焙煎する際の度合いによって分ける方法です。
  • ・挽き方:細挽きや中挽きなど、抽出方法によって粉の粗さを分ける方法です。
  • ・加工方法:コーヒー豆や粉だけでなく、インスタントコーヒーやリキッドコーヒーなど、加工方法によっても分けられます。
  • ・いれ方:ペーパーやネルなどのドリップ、サイフォン、エスプレッソ、水出しなど、抽出方法によっても分けられます。
  • ・飲み方:アイスコーヒーやミルクを加えたカフェラテ、コーヒー以外のものを加えるアレンジコーヒーなど沢山の飲み方が出来ますので、その飲み方によって分けることもできます。
  • ・認証コーヒー:コーヒー豆の栽培方法や生産者の支援などを目的として、一定の基準を満たしたコーヒー豆に認証がつけられているものもあります。認証する団体には第三者機関やNPOなどがあり、フェアトレード、有機栽培、レインフォレストなどが挙げられます。

今さら聞けないコーヒー豆の概要

そもそもコーヒー豆とはどのようなものなのか、と聞かれると、正確に答えられる人は少ないのではないでしょうか。

通常「コーヒー豆」といわれている部分は、コーヒーの木の実の中にある種の部分を指します。

コーヒーの木はアカネ科コーヒー属(コフィア属)の樹木で、花は白く、赤や黄色のさくらんぼのような実をつけます。実の中にある種を取り出して焙煎したものがいわゆるコーヒー煎り豆です。

コーヒーの産地はアフリカ、南米、中米、アジアなどの赤道周辺に集中しており、これらコーヒー栽培に適した地域は「コーヒーベルト」とも呼ばれています。

コーヒーの品種

コーヒーの品種は、主に以下のように分けることができます。

三大原種

コーヒーの木にはさまざまな品種がありますが、飲用に栽培される品種は限られています。栽培用の品種は「三大原種」と呼ばれる3つの種類に大きく分けられます。それぞれの特徴は以下の通りです。

  • ・アラビカ種:高品質で味のバランスが良く、現在流通しているコーヒー豆の半数以上がこの品種です。品質は高いものの病虫害に弱いことが特徴です。
  • ・カネフォラ(ロブスタ)種:アラビカ種に次いで多く生産されている品種です。苦みの強い特徴があるため、アイスコーヒーやインスタントコーヒー、缶コーヒーなどの原料に多く使用されています。アラビカ種に比べて病虫害に強い事も特徴です。
  • ・リベリカ種:マレーシアやフィリピンなど一部の地域でのみ栽培され、全体の1%以下しか流通していない品種です。低地でも育ち、アジアでは砂糖や練乳などを入れ、甘くして飲まれています。

産地

コーヒーは「コーヒーベルト」と呼ばれる国や地域で主に栽培されますが、栽培される地域の中でも「産地」がある事もコーヒーの特徴の一つです。

コーヒーベルト以外でもコーヒは栽培されていますが、現在流通しているアラビカコーヒーの主な産地としては以下のものが挙げられます。

  • ・ブルーマウンテン:カリブ諸国ジャマイカのブルーマウンテン地区で栽培されたコーヒーを指します。味のバランスが良く、優雅な香りと上品な口当りで「コーヒーの王様」と呼ばれることもあります。
  • ・キリマンジャロ:東アフリカタンザニアのアラビカ種コーヒー豆を指します。深いコクと豊かな酸味で酸味と苦みのバランスが取れています。
  • ・コナ:合衆国ハワイ州ハワイ島コナ地区でのみ生産されている希少なコーヒーです。豊かな酸味とキレのある味わいにさわやかな香りが特徴です。
  • ・モカ:東アフリカエチオピア産やアラビア半島イエメン産のモカコーヒーは歴史の古いコーヒー豆のひとつです。フルーツや花を想像させる香りはとても特徴的でワインを思わせるような味わいが特徴です。
  • ・マンデリン:インドネシア産スマトラ島のコーヒーを指します。スパイシーな香りと深いコク、なめらかな口当たりは世界でも人気があり、特徴的なコーヒーです。
  • ・グァテマラ:中米グアテマラ産コーヒーで、華やかな酸味とコク、甘い後味で日本では人気のあるコーヒー豆です。
  • ・ブラジル:南米ブラジル産の豆は苦みと酸味、コクが調和したやわらかな口当たりで、ブレンドベースとしてもよく使われるコーヒーです。
  • ・コロンビア:南米コロンビア産のコーヒーで、コクと濃厚さもありながら、やさしい酸味と豊かな香りも感じられるコーヒー豆です。

ブレンドコーヒーには老舗メーカーから小さな街のコーヒー店まで、独自のブレンドが日々生まれているため、次に紹介する焙煎や挽き方なども含めると、その種類は無限大といえるでしょう。

コーヒー豆の種類や味わいについて詳しく知りたい方はこちら

焙煎・挽き方の種類

コーヒー豆の焙煎や挽き方の種類について解説します。

焙煎度合いは8段階に分けられる

焙煎とは、コーヒー生豆を加熱して煎る工程のことをさします。焙煎(ロースト)を行うことにより、コーヒー豆の水分を飛ばして、香ばしさや甘さ、コクを深めることができるのです。

焙煎の度合いは8段階に分けられます。それぞれの呼称は以下の通りです。

  • ・「ライトロースト」「シナモンロースト」:浅煎りに分類されます。一般的にはあまり使われず、アメリカンコーヒー用として販売されます。
  • ・「ミディアムロースト」「ハイロースト」:中煎りに分類されます。喫茶店や家庭などで一般的に飲まれる際に多く使用される焙煎度合いです。
  • ・「シティロースト」「フルシティロースト」「フレンチロースト」「イタリアンロースト」:深煎りに分類される焙煎度合いです。エスプレッソやカフェオレ、アイスコーヒーなどにも多く使用される焙煎度合いです。

一般的には中煎りから深煎りのものが多く販売されており、自分の好みの焙煎度合いを見つける事も楽しみの一つです。

挽き方の種類は5段階

焙煎したコーヒー豆を抽出する際、粉砕する工程にも、5段階の種類があります。挽き方の種類は以下の通りです。

  • ・極細挽き:粉糖のように細い挽き目の粉です。エスプレッソやトルココーヒーなどに適しています。
  • ・細挽き:粉糖とグラニュ糖の中間上白糖程度です。直火式のエスプレッソ(マキネッタ)や水出しコーヒーに適した挽き目です。
  • ・中細挽き:グラニュ糖位の大きさで、もっとも多く流通している挽き目です。コーヒーメーカーやペーパードリップでの抽出に向いています。
  • ・中挽き:ザラメとグラニュ糖の中間程度の粗さです。フレンチプレスやサイフォン、ネルドリップといった少し時間をかけて抽出する方法に向いています。
  • ・粗挽き:ザラメ程度の粗さです。パーコレーター等を使ってコーヒーをいれる際に使われますが、喫茶店や家庭用にはあまり見かけることのない挽き目です。

一般的なペーパードリップでは、中細挽きを使うことが多いでしょう。豆から粉にした後は飲む都度あるいは、一度に挽いた場合は間に飲むのがよいとされています。

コーヒー豆の焙煎度合いについて詳しく知りたい方はこちら

加工・流通方法の種類

コーヒーの加工・流通の種類について紹介します。

加工の種類

「簡易抽出(中身はRCコーヒー)」のパッキング加工か、工業的な加工かなど、加工の種類によっても分けられます。

認証の種類

家庭やカフェなどでコーヒーを飲むだけの場合、あまり気にする機会はありませんが、認証の種類によってもコーヒーを分けることが可能です。

商社が現地で大量に買い付けて小売店へと卸されるのが一般的な流通方法ですが、農場の環境や栽培者の想いなど、コンセプトを大切にするフォースウェーブといった方法も、近年ではよく耳にする方法です。

いれ方・飲み方の種類

コーヒーのいれ方(抽出方法)や飲み方について紹介します。

いれ方の種類

コーヒーの抽出方法にも、色々な方法が存在しています。

ペーパードリップ;ドリッパーと紙製フィルターを使用してコーヒー粉を濾す最も一般的ないれ方です。

  • ・ネルドリップ:同じドリップですが、紙では無く布製のフィルターを使ういれ方で、ペーパーよりも滑らかで甘みとコクを感じるコーヒーに仕上がります。
  • ・水出し(コールドブリュ―):熱湯ではなく水を使って抽出する方法です。熱湯よりも温度が低いため雑味が抽出されず、クリアでマイルドな味わいになります。
  • ・サイフォン:ランプと丸いガラス製のボールでできた独特な形の器具を使ういれ方です。器具が多く手入れも大変ですが、コーヒー専門店などで見かけることが多く、温度が高いため香り高いコーヒーに仕上がります。
  • ・フレンチプレス:専用のポットにコーヒー粉とお湯を注ぎ、抽出時間で濃さが調節できます。紅茶の抽出にも使用される器具で、味がブレにくく、初心者の人にも向いています。
  • ・エスプレッソ:専用のマシンを使い、9気圧の圧力をかけてコーヒーを抽出する方法です。電気式のエスプレッソマシンを使用する方法と、エスプレッソマシンが無い場合は、「モカポット」と呼ばれる直火に掛ける器具でいれる方法も一般家庭では良く使われます。
  • ・パーコレーター:粗挽きのコーヒー粉と専用の器具を使い煮だしする方法です。直火に掛けるので、主にアウトドアやキャンプなど、屋外で使用されます。

いれ方について詳しく知りたい方はこちら

飲み方の種類

コーヒーの飲み方には、そのまま飲むブラックコーヒーをはじめ、砂糖だけを入れたり、ミルクだけを入れたりするほか、エスプレッソにミルクを入れるカフェラテやドリップコーヒーにミルクを入れるカフェオレ、クリームを乗せるウインナーコーヒー、冷やして楽しむアイスコーヒーなど、さまざまな飲み方があります。

おいしいカフェラテの作り方はこちら

お気に入りのコーヒーにこだわってみよう

コーヒー豆の種類は、産地や焙煎、挽き方に加え、いれ方や飲み方、ブレンドの配合などにより、組み合わせは無限大に広がります。ここで紹介している種類以外にも、ちょっとしたいれ方のコツなどで、その味わいは変わるでしょう。自分でブレンドしてみる、たまに焙煎深度を変えるなど拘ってみる、抽出器具を試してみるなど、その日の気分で楽しみ方を変えるのもおすすめ。お気に入りのコーヒーに出会う旅に出かけてみてはいかがでしょうか。

コーヒー教室では目的やレベルに合わせたさまざまなセミナーを開催しております。