カフェは開業する場所がポイント!適した立地の選び方と条件
カフェ開業時に、念を入れて検討しておきたい問題の一つとして「立地」があります。
お店の立地は、売り上げを大きく左右するほどの重要なことです。そのため、安易に契約してしまうのではなく、さまざまな条件を吟味することが大切でしょう。
とはいえ、なにを基準として考えたら良いのか分からないという方もいるかもしれません。
そこでこの記事では、立地の重要性、立地の特徴、選ぶときの注意点について解説します。
目次
カフェの立地の重要性
カフェの開業を予定している方は、宣伝の戦略を考える必要があります。サイト作成やSNSでの発信なども宣伝効果を見込めますが、お店の立地は大きな宣伝力をもっています。
集客に繋がる立地で開業すれば、多くのお客様に来ていただけることになり、宣伝のために費やす時間をサービスのために使えます。
では、カフェ開業に適した立地とは、どう考えていけば良いのでしょうか。
◆2つの視認性
カフェの集客を図るに当たり、「即視認性」と「後視認性」という2つの視認性があります。
「即視認性」とは見つけてすぐに入るというもの、「後視認性」は見つけたときには入らないけれど、後から入る可能性があるものです。
「カフェに入りたい」と思いながら歩いていて、お店を見つけて入るのが即視認性。例を挙げると、名所を巡って歩き疲れ、どこかで一休みしながらコーヒーを飲みたいと思いながら歩いている人が多い傾向がある観光地のカフェです。
通りかかって気になったものの、すぐには入れない状態で視認するのが後視認性。これは通勤や通学の途中で見かけたときなどが当てはまります。頻繁に目にすることで、気になって検索したりSNSでフォローしてくれたりして、来店に繋がる可能性もあるでしょう。
お客様の回転が速い即視認性が強い土地のほうが良いようにも思えますが、リピーターは後視認性が強い土地のほうが多くなるようです。
そして、後視認性を狙うのなら一定の通行量があり、歩きながら目に付くようにすることが重要となります。例えば、看板の設置、外観の見せ方を工夫するなどです。
◆コンセプト
カフェといってもさまざまなタイプがあり、一概にこの土地だから良いとは言い切れません。
大切なのは、お店のコンセプトと土地が合っているのかということです。よって、立地選びの際には、コンセプトを明確に決めておく必要があります。
コンセプトとは、どのようなお店にしたいのかということ。例えば「とにかく美味しいコーヒーにこだわりたい」「リーズナブルな価格で豊富なメニューを提供したい」などです。
また「ランチに力を入れたい」「夕方からはお酒を提供して、おつまみになるようなメニューも揃えたい」など、具体的に考えておくほど、どのような立地ならコンセプトに沿っているのかが見えてくるはずです。
◆ターゲット客の層
立地を検討するにあたって、メインのターゲット層を考えておく必要があります。
例えば「サラリーマンやOLがランチや打ち合わせをする」「地元の住人が通う」「ファミリーで食事をする」などです。
会社員をターゲットにするのならオフィス街に近い立地、地元の住人が通いやすいなら郊外といったように、適した立地は違ってきます。また、ファミリーでの来店を期待するなら、駐車場があったほうがいいかもしれません。
さらに、そのターゲット層がどのタイミングで、どのような動線をたどって来店するのかも考えておくことです。そして、調査結果をもとに地図や実際の土地を見て、候補地を絞っていきましょう。
カフェに向いている立地の特徴は?
カフェ開業のための立地の選択肢は多く、どれが良いとは言い切れませんが、お店のコンセプトやターゲット層に合う立地を選ぶようにすることが大切です。主な立地の特徴を確認しましょう。
◆立地の区分
立地には区分があり、それぞれに特徴があります。ここでは1等地、1.5等地、2等地に分けて説明していきます。
1等地とは、駅前のような人通りが多い場所です。大手チェーンの出店も多く、家賃が高いという特徴があります。
1.5等地とは、大きな施設が近くにあり、その流れで集客が見込める場所。1等地よりは家賃が安くなりますが、人気があるため空き物件を探すのが難しいでしょう。
2等地は人通りもそれほど多くなく、大きな施設が近くにあるとは限らない場所です。家賃が安く抑えられるので、個人経営のカフェには向いているといえるでしょう。
カフェ開業には、1等地が必ずしもおすすめというわけではありません。場所が良い分、初期費用も運営費用も多くかかってしまうので、潤沢な資金を用意しているのでなければ行き詰まってしまいます。また、競合が多い可能性も高いでしょう。
近くに集客力が期待できる施設がある1.5等地は、「このカフェでなければ」ではなく、「施設の近くにあるから」という理由で来店するお客様が多くなるでしょう。そのため、お店のコンセプトよりも入りやすさや居心地の良さを優先する必要が出てきます。
2等地にカフェをオープンする場合には、通りかかったお客様より、わざわざお店に通って下さるお客様が多くなる傾向があります。近くに住む住人に認知してもらう必要もありますし、通うファンができるような戦略を練ることも大切になります。
◆駅近、繁華街、オフィス街
次に、駅近、繁華街、オフィス街の立地の特徴を見ていきましょう。
駅近のカフェでは、電車を利用するお客様が多くなる傾向があるため、アルコールメニューの注文が増えやすくなります。
また、周囲のお店から流れてくる集客も期待できます。新規顧客を獲得するためには、看板やメニューボードを店外に設置して、お店の雰囲気が分かりやすいようにする努力が求められるでしょう。
繁華街のカフェでは、平日だけではなく、土日祝日の集客もしやすくなります。若者やカップルなどの顧客が多い傾向にあるでしょう。その繁華街に来ている人が顧客になるため、中が見やすいガラス張りにするといったような雰囲気が好まれやすくなります。
オフィス街のカフェでは、ランチの需要が高くなるのが特徴です。そのため、ランチメニューの工夫が売り上げを増やすポイントになります。
そのオフィス街の会社員がどのようなメニューを好むのか、リーズナブルな価格かつ短時間で提供できるメニューを考え、回転率を高くするようにしましょう。ただし、オフィス街の立地は土日祝日の集客が難しくなるという面もあります。
◆カフェ周辺の客
カフェ開業の候補地が決まったら、その土地に足を運び、交通量や通行人の量を確認しましょう。
コンセプトに合っている土地だと思っても、予定している営業時間の交通量や通行人が少ない場所では、見つけてもらいづらくなってしまいます。
また、会社員が多いのか、学生や家族連れが多いのかのチェックも大切です。例えば家族連れの通行人が多く顧客となり得るのなら、キッズメニューやキッズスペースなどを用意する必要があるかもしれません。
さらに、そこを通行している人々の目的がなんであるのかを知っておくことです。ショッピング目的で近くのお店に通っている場合、別の大型ショッピングセンターができれば、そこを通らなくなってしまうこともあります。
よって、近くに大きな施設の建設予定がないかどうか、役所で確認しておくことも重要になるでしょう。
立地を選ぶときの注意点
カフェ開業の立地選びの注意点と考え方、心がけるべきポイントを挙げます。
◆好立地に惑わされない
交通量や人通りが多い好立地であれば、集客も容易でもうかるというのは誤解です。好立地は維持費が高く、よほど資金力があるのでなければ出店するのには適していないといえるでしょう。
また、通行人が多いからといって、カフェの顧客になるとは限りません。その通行人が何の目的でそこを通っているのか、調査する必要があります。カフェに入るモチベーションがない通行人がいくら多くても、集客に繋がるわけではないといえます。
◆需要
カフェの需要がありそうな立地では、同じようなお店が多く、顧客の取り合いになることもあるので注意が必要です。
また、その土地が元々カフェの需要がある環境なのかを知ることも大切ですが、もしも現在の状況ではそれほどの需要がなかったとしても、作りだすという方法もあります。周囲のお店を競合として見るだけではなく、コラボをするという手です。
例えば、周囲のお店と商店街を始めたり、お店がある通りに名前を付けたりすることで、お店同士が繋がりを持って営業していくことが挙げられます。
あるいは、お店のコンセプトと共通したアイテムの販売を専門としているお店が近くにあれば、「〇〇好き」が集まるエリアとなり、相乗効果で集客が期待できることもあるでしょう。
◆リピーター・ファン作り
カフェ運営にとって、リピーター・ファン作りは欠かせない重要なポイントです。良い立地で開業できても、これを怠ると運営に行き詰まるかもしれませんし、逆に今一つの立地であっても顧客の心をつかめば繁盛するお店になれるでしょう。
一度来店していただいたお客様にお店の魅力を感じていただき、次の来店に繋げる戦略は必須です。
地元のリピーター客の心をつかむには、その土地を知り地域に貢献することも必要かもしれませんし、遠方からのリピーターを得るには、メニューや雰囲気にオリジナルなものが必要でしょう。
コンセプトに合った立地選びを
カフェ開業をする際に、立地をどこにするのかは大変重要なことです。立地次第で、運営がうまく行くかが決まるといっても過言ではないでしょう。
カフェにもさまざまな形態があり、一概にどこが良いとはいえませんが、とにかくコンセプトに合う立地を選ぶことです。どのようなお店にして、メインのターゲットはどのような層なのか。
コンセプトを明確にするためには、事業計画書を作成することも有効です。
カフェを開業できる物件は多数あり、立地ごとに特徴も違います。
周囲にどのような施設があるのか、通行量や通行している人たちの目的を知ることも必要でしょう。
ある程度候補地を絞ったら、実際に足を運んで、土地の雰囲気を確認することも忘れてはなりません。
コンセプト、ターゲット層、周囲の環境など、さまざまな要素を組み合わせて検討し、自店に合う立地を選ぶようにしましょう。
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