カフェなどで時折耳にすることのある「コールドブリューコーヒー」とは、どのようなコーヒーなのでしょうか。水出しコーヒーとは違うのか、アイスコーヒーやドリップコーヒーとの違いも気になるところです。
ここでは、コールドブリューコーヒーの概要や他のコーヒーとの違い、コールドブリューコーヒーの作り方などについて解説しています。コールドブリューコーヒーの豆知識についてもご紹介していますので、コールドブリューコーヒーについての基礎知識を押さえられる内容となっています。
Contents
コールドブリューコーヒーとは
コールドブリューコーヒーとはどのようなコーヒーなのか、その概要について解説します。
低温で抽出されたコーヒーのこと
コールドブリューコーヒーは、英語で”cold brew coffee(低温抽出コーヒー)”と呼ばれる、低温で抽出されたコーヒーのことです。
通常のドリップコーヒーは熱湯で抽出しますが、コールドブリューコーヒーは低温の水で抽出します。
熱湯なら数分で抽出できるコーヒーですが、水を使うコールドブリューは、最低でも数時間、使用する器具によっては一日かけて、ゆっくりとコーヒーを抽出します。
時間をかけて抽出することでコーヒー豆のクセや雑味が溶け出しにくく、すっきりとマイルドな味になるのが特徴です。
コールドブリューコーヒーと水出しコーヒーの違い
水で抽出するコーヒーとして、コールドブリューコーヒー以外に「水出しコーヒー」と呼ばれるコーヒーもありますが、コールドブリューコーヒーと水出しコーヒーには違いがなく、どちらも水で抽出したコーヒーを意味します。
また、ダッチコーヒーと呼ばれるコーヒーも水を使ってコーヒーを抽出しており、コールドブリューコーヒーと同じものといえます。
「コールドブリューコーヒー」「水出しコーヒー」「ダッチコーヒー」と呼び方は異なりますが、すべて同じ低温抽出コーヒーと考えてよいでしょう。
コールドブリューコーヒーとドリップコーヒー、アイスコーヒーとの違い
コールドブリューコーヒーとドリップコーヒー、アイスコーヒーの違いについても解説します。
コールドブリューコーヒーとドリップコーヒーの違い
コールドブリューコーヒーは、水を使って抽出したコーヒーです。低温抽出する方法は、大きく水をコーヒー粉に一滴ずつ落として抽出する方法と、水にコーヒー粉を漬け込む方法に分けられます。
一方、ドリップコーヒーは熱湯を使います。ドリッパーへフィルターをセットしてコーヒー粉を入れ、上から熱湯を注いで抽出する、もっとも一般的なコーヒーの抽出方法です。
ドリップコーヒーでは熱湯によってコーヒー豆の油分が溶け出し、香りやコクといったコーヒー本来のおいしさが際立つ味が楽しめます。
水で抽出するコールドブリューコーヒーにはコーヒー豆の油分があまり溶けださず、また苦みや渋みも出難い為、クセの少ないクリアな味になるという違いがあります。
コールドブリューコーヒーとアイスコーヒーとの違い
水で抽出するコールドブリューコーヒーと、冷たいアイスコーヒーにはどのような違いがあるのでしょうか。
コールドブリューコーヒーは水で低温抽出されたコーヒーで、お湯で抽出したドリップコーヒーを氷で急冷したものがアイスコーヒーです。
アイスコーヒー:ドリップコーヒーの特徴を持つ冷たいコーヒー
コールドブリューコーヒー:低温抽出の特徴を持つ冷たいコーヒー
ということができます。
氷のように冷たい(ice)コーヒーという意味では、コールドブリューコーヒーも広義のアイスコーヒーといえるかもしれませんが、厳密にはコールドブリューコーヒーとアイスコーヒーは抽出方法が違うため、味の特徴にも違いがあります。
コールドブリューで抽出したコーヒー、急冷したアイスコーヒー、それぞれに良さがあります。機会があれば、2つの違いや魅力を飲み比べてみてください。
もっと知りたい!コールドブリューコーヒーに関する豆知識
コールドブリューコーヒーに関する豆知識についてもご紹介します。
コールドブリューコーヒーは日本発祥?
現在普及しているコールドブリューコーヒーは日本発祥である、といわれることがあります。もともとはオランダ領であったインドネシアにおいて、ロブスタ種と呼ばれるクセの強い品種のコーヒー豆をすっきりと飲む抽出方法として、コールドブリューの抽出方法が誕生したといわれています。コールドブリューコーヒーが「ダッチコーヒー(オランダ式のコーヒー)」といわれるのはそのためです。
そのコールドブリューコーヒーの抽出方法を改良し、さらにおいしく抽出できるようにしたのが、京都のとある喫茶店の店主だったという説があるのです(参照元:「珈琲の辞典」)。
おいしいコーヒーを抽出する技術の普及には、こうしたさまざまな人の研究や努力が貢献しているのかもしれません。
コールドブリューコーヒーの魅力
コールドブリューコーヒーの魅力は、水で抽出することによって生まれるクリアでマイルドな味にあります。ドリップコーヒーとはまた違った魅力があるため、苦みが得意でない方でも「飲みやすい」「おいしい」と感じられるようです。
クリアで柔らかいコーヒーを好む方やアイスコーヒーが好きな方にも、コールドブリューコーヒーはぴったりです。
話題のコールドブリューコーヒー「ニトロ」とは
近年、カフェなどで「ニトロコーヒー」という名称を耳にすることがあります。ニトロコーヒーとは、コールドブリューコーヒーに窒素ガス(ニトロ)を注入したコーヒーのことです。
窒素ガスによってコールドブリューコーヒーにきめ細くクリーミーな泡が生まれ、黒ビールのような味わいが楽しめるのが、ニトロコーヒーの特徴です。
コールドブリューコーヒーとアイスコーヒー、ニトロコーヒーは、それぞれ異なる魅力を持っているため、3つを飲み比べてみるのもよいでしょう。
コールドブリューコーヒーを作るのは難しい?
コールドブリューコーヒーを作るのは難しいイメージがあるかもしれませんが、専用の水出しコーヒーバッグを使えば、自宅でも簡単にコールドブリューコーヒーが作れることをご存じでしょうか。
水出しコーヒーバッグを使ったコールドブリューコーヒーの作り方について、以下でさらに詳しく見ていきましょう。
コールドブリューコーヒーの作り方
コールドブリューコーヒーの簡単な作り方について解説します。
コールドブリューコーヒーの簡単な作り方
ここでは、コールドブリューコーヒーを自宅で手軽に作れる方法として、水出しコーヒーバッグとボトルを使った作り方を解説します。
水出しコーヒーバッグとは、コールドブリュー用に開発された水出し専用のバッグのことです。ティーバッグのように、袋の中にコーヒー粉が入っており、水に漬けるだけでコールドブリューコーヒーが作れます。
専用コーヒーバッグを使ったコールドブリューコーヒーの作り方は以下の通りです。
- 1.水出しコーヒーバッグ1パック(20g)をピッチャーまたはマイボトルへ入れ、350mlの水を注ぐ
- 2.冷蔵庫で4時間以上冷やして出来上がり
専用のコーヒーバッグがあれば、とても簡単にコールドブリューコーヒーを作ることが可能です。
※キーコーヒーの「香味まろやか水出し珈琲」であれば、4時間~8時間漬けてください。
水出しの作り方動画はこちら
お気に入りの豆を使ったコールドブリューコーヒーの作り方
「自分の好きなコーヒー豆を使ってコールドブリューコーヒーを作ってみたい」という方向けに、お気に入りの豆を使ったコールドブリューコーヒーの作り方もご紹介します。
<コーヒー豆を使ったコールドブリューコーヒーの作り方>
- 1.30gの粉に500ml~1000mlの水を入れる ※フィルタ―付ボトルがあると便利です。
- 2.冷蔵庫で一晩漬けたら出来上がり
水は500mlだと濃いめに、1,000mlだと薄めの仕上がりになります。使う豆によっては、出来上がったコールドブリューコーヒーの味に差が出ることがあるため注意が必要です。また、同じ豆を使っても、ドリップコーヒーとは違った味わいになることも理解しておくとよいでしょう。
コールドブリューコーヒーにおすすめの豆としては、フルーティな香りに特徴のあるエチオピアや、柔らかな口当りが特徴のマンデリンなどがよいでしょう。
トアルコ トラジャやトラジャブレンド ノアールも、さらに上品な味わいのアイスコーヒーになるのでおすすめです。
コールドブリューコーヒーに向いている焙煎度合いは、深煎りよりも香りや味わいも複雑になる浅~中煎りがよいようです。
専用のコーヒーバッグを使って自宅で手軽にコールドブリューコーヒーを楽しもう
コールドブリューコーヒーは、専用のコーヒーバッグを使えば驚くほど簡単に自宅で低温抽出したコーヒーが楽しめます。
コーヒーバッグ商品ページはこちら
クリアでおいしいコールドブリューコーヒーを作ってみよう
水で低温抽出することで、すっきりマイルドな味になるコールドブリューコーヒー。ドリップコーヒーとはまた違った魅力に、ハマってしまうかもしれません。専用のコーヒーバッグがあれば自宅でも簡単に作れるため、今年の夏はコールドブリューコーヒー作りに挑戦してみてはいかがでしょうか。