「味にばらつきがなく、いれる人によって変わらないから」と、サイフォン式のコーヒーにこだわっているのは、ピザトースト発祥のお店としても有名な、日比谷に位置する「紅鹿舎」。このお店では、ダッチコーヒー(水出しコーヒー)以外のすべてのコーヒーをサイフォンでいれています。ブレンドを注文すると、抽出したあとに一杯分のコーヒーをテーブルまで持ってきてくれて、店員さんが目の前で注いでくれるのです。そういったアミューズメント性が高いのも、こちらの特徴です。お客様に喜んでもらうためにと用意された品数はなんと240種類。メニュー表を見ているだけで心が弾む素敵なお店です。
「ひとりでもそのメニューのファンがいる限り、廃止することなく一品一品を大切に提供し続けたい」と語って下さったマスター。サイフォン式を選んでいる理由は「変わらない味を提供し続けられる」という想いから。長い歴史のあるお店だからこそ、どんなお客様がいついらしても同じようにお迎えできるよう、「いつもと同じ」を意識されています。例えば、看板メニューであるピザトーストは、チーズやパンなどの材料をオープン当初の銘柄のまま同じものをずっと使い続けていること、入口近くの席を照らす貝殻でできたライトは、変色してもなおメンテナンスを施して使い続けていることなどからも分かります。
そんな「お客さま一人ひとりがいつ来ても楽しんでもらえるように」という想いが、お店のいたるところににじみ出ているのです。
洋食店から始まったゆえの自家製のフードメニューはもちろんのこと、オリジナルメニューの「カフェ・タカラズカ」はぜひ楽しんでいただきたい一品です。近くに位置する東京宝塚劇場を訪れた人たちに喜んでもらえるようにと始められたもので、グラスの中央に咲いていたクリームのバラの花が、注がれたコーヒーによってくるくると回転しながら踊るように浮かび上がってくるのです。底に敷かれたブルーキュラソー(オレンジのリキュール)が染み込んだ青い宝石のような砂糖も美しく、見て楽しい飲んでおいしい、日比谷にあるゆえの特徴を打ち出したメニューになっています。
紅鹿舎(べにしか)
〒100-0006 東京都千代田区有楽町1-6-8 松井ビル 1F