ふと空いた時間にふらりと立ち寄ったり、一緒にいる誰かと話をするために入ったりと、日常のさまざまなところで寛ぎのひとときを提供してくれる「純喫茶」。どなたも、一度は入ったことがあるのではないでしょうか?ゆったりとしたテーブルとふかふかのソファ、快適な温度に保たれた店内、席まで注文を取りに来て下さるフルサービスと、お手頃価格のメニューたち。お店によって、自由に読むことができる雑誌や新聞が置いてあるのも魅力のひとつです。
お気に入りの席に腰掛けてぐるりと見渡せば、思わず懐かしくなるようなポスターが貼ってあったり、幼い頃に見たことがあるような小物たちが並んでいたり、ゴージャスなシャンデリアが天井から煌びやかに照らしてくれていたり。普段はあまり気にしない床や壁の柄もよく見てみると、とても凝ったデザインであることに気付きます。
「純喫茶」。それは、お店の方たちの好きなものや情熱、想いがぎゅっとこめられた宝箱のような空間。100人の店主がいれば100個の個性があって、隅々まで眺めたくなってしまう「昭和博物館」のような場所です。そんな貴重なところへ、珈琲一杯の価格で覗きに行かせてもらえるしあわせ。朝昼晩と時間を問わず、気軽に立ち寄れるところも魅力的です。珈琲のふんわりと漂う香りを吸い込んでうっとりとした気持ちになったとき、自分が大人になったのを感じます。
一言ではその楽しさを語ることができない「純喫茶」。クリームソーダにホットケーキ、チョコレートパフェ、サンドウィッチにオムライス...。
まずは、おなかを満たす魅惑のメニューたちのお話から。