フレンチプレスは自宅でもできる?おいしいコーヒーのいれ方やポイントを紹介

フレンチプレスでコーヒーを抽出するにはどうすればよいのか、味わいの特徴や自宅でも簡単においしくいれるポイントについてご紹介します。

フレンチプレスとは

はじめに、フレンチプレスの概要や特徴、フレンチプレスでいれたコーヒーの味わいなどについてご紹介します。

フランス発祥のコーヒー抽出方法

フレンチプレスとは、French(フランスの)、という通り、フランス発祥のコーヒーを抽出する器具のことをさします。イギリスでは「コーヒープランジャー」、アメリカでは「コーヒープレス」と呼ばれることもある他、フレンチプレス用の器具を販売しているメーカーの名称で呼ぶ、という国もあるようです。日本では紅茶用の器具として親しまれていますが、元来コーヒー用に開発されたものです。

フレンチプレスは、ドリップでいえばドリッパーとサーバーが一緒になったもの、というイメージです。専用の器具があればコーヒー粉とお湯を注いで3分待つだけで、手軽に抽出することができます。待っている間にはミルクを温めたり、好きなスイーツを用意したりとスキマ時間に他のことができるのも魅力です。

分量と時間を守ればいつでも同じ味わいが楽しめ手順が少ないため、初心者の方にもとてもおすすめです。

また、コーヒー粉の分量や豆の挽き目を調整することで好みの味わいを試すことができます。いろんなコーヒーを気軽に試してみたい、そんな方にフレンチプレスはおすすめです。

フレンチプレスの特徴

フレンチプレスでコーヒーをいれると、飲み終わったカップの底にコーヒーの微粉が残っているのが見えます。これはフレンチプレスの金属メッシュフィルターが、コーヒー用のペーパーフィルターと比較するとやや粗い作りになっているためです。

このフィルターの粗さにより、コーヒーの油分が液体に溶け出しやすくなっているのがフレンチプレスの特徴の1つとなっています。コーヒーの油分はコーヒーの味わいや香りに影響しますので、フレンチプレスでいれたコーヒーは、手軽に香りと味を楽しむことができ、なめらかでコク深い味わいになります。コーヒーをカップに注いだときに、表面にキラキラとした油分が浮いて見えるので、フレンチプレスを使った際に確認してみてください。

フレンチプレスでいれたコーヒーはどんな味?

フレンチプレスでいれたコーヒーは、通常のドリップコーヒーで使うのと同じコーヒー豆を使うとなめらかですが、コク深い味わいが楽しめるので豆本来の味わいを感じることができます。そのため、どんな方でも飲みやすい味わいとなります。

フレンチプレスのいれ方

フレンチプレスでコーヒーを抽出する方法をご紹介します。

基本のいれ方:準備編

以下を参考に、まずは必要な器具を準備していきましょう。

・フレンチプレス

フレンチプレスには目盛りがついているもの、ついていないものがあります。基本的にはどちらのものを準備しても大丈夫です。初心者の場合、お湯の計量がしやすい目盛り付きのものをおすすめします。  

   

・スプーン、計量カップ

コーヒー粉を入れる際に使用するスプーンとカップです。今回使用したものはコーヒー専用メジャースプーンで、すり切り10gが量れるものですが、ご家庭にあるものを使ってください。

・計量器/秤(はかり)

コーヒー粉、湯量を量るための計量器です。

・タイマー

浸漬(しんせき)時間を計るために使用します。計量器とタイマーをこれから準備されるという方は、計量器とタイマーが一緒になっているものもあります。使いやすいものを準備してください。

・ケトル

お湯を注ぐための器具です。ご家庭にあるやかんや電気ポットで代用しても大丈夫です。ケトルの中には沸騰したお湯を用意します。

・コーヒーカップ

カップはコーヒーを注ぐ前にお湯を入れて、温めておくと味わいを損なわずおいしく飲むことができます。

・コーヒー粉

やや深煎りのものがおすすめですが、お好みのコーヒーをご使用ください。

器具の用意が出来たら、下準備を始めます。まず、空のフレンチプレスにお湯を注いで温めます。 お湯を入れた後、シャフト(フレンチプレスの蓋)を取り付けることで器具全体を温めることができます。

次に、いれたい杯数分のコーヒー粉を量ります。コーヒーカップ1杯分だと、10gが適量とされています。量り終えたら、フレンチプレスのお湯をコーヒーカップに移し替え、そちらも温めるようにしましょう。 もちろん、最初からコーヒーカップの中にお湯を入れておいても大丈夫です。

・今回使用した粉

インドネシア・スラウェシ島トラジャ地方で生産されたアラビカ種の名品「トアルコ トラジャ」を使用し、甘くフルーティーな香味のブレンドコーヒーに創り上げました。熟したベリーやチョコレートを想わせる甘くフルーティーな香味が特徴です。

▶ 『トラジャブレンド ルアール 粉 180g × 1缶』のページはこちらhttps://onlineshop.keycoffee.co.jp/shop/powdercan/g/gLUR01000/

基本のいれ方:抽出編

下準備ができたら、以下の手順を参考にコーヒーを抽出しましょう。

  • 1. コーヒー粉をフレンチプレスに入れて、お湯を140ml注ぎます。10gのコーヒーが20mlの湯量を吸収しますので、出来上がり量は120mlとなります。 お湯を注ぐ際には、勢い良く入れてコーヒー粉を対流させるようにしましょう。お湯を勢いよく注ぐのが難しい方は、スプーンで軽く全体をかき混ぜると、お湯がしっかりとコーヒー粉に接触し、馴染みます。入れ終わったら、スプーンで数回かき混ぜると全体がなじみます。         
  • 2. フレンチプレスにシャフトをかぶせ、3分間のタイマーをスタートさせます。シャフトを取り付ける際には、ゆっくりとコーヒーの香りを閉じ込めるように、蓋をするようなイメージでかぶせてください。
  • 3. 3分経過したら、フレンチプレスが動かないよう片方の手で取っ手部分を押さえながらゆっくりとシャフトを押し下げます。 シャフトの長さがメーカーにより異なるため、最後まで押してしまうとコーヒー粉の繊維がつぶされ、余計な渋みが出てしまうことがあります。その際は一番下まで下げないようにして少し浮かせるのがポイントです。
  • 4. あらかじめ温めておいたコーヒーカップに注ぎ入れます。

「フレンチプレスの特徴」でもご紹介した通り、カップ表面をよく見ると、フレンチプレスならではのコーヒーの油分がキラキラと光っているのがわかります。そちらもぜひ楽しんでみてください。

▶ 関連動画:『フレンチプレスのいれ方』

おいしくいれるポイント

お湯は沸騰させたものを準備しますが、フレンチプレスでいれる際、安定したコーヒーの風味を楽しむためにも沸騰したてのお湯を入れるのは避けるようにしてください(95℃前後がフレンチプレスでコーヒーをいれる際のおいしく飲める目安となります)。沸騰したお湯を用意しておけば、準備をしている間に適温になっています。

フレンチプレスの器具は下までフィルターが下りないようになっている場合があります。使用する前に、フィルターの仕様について確認するようにしましょう。

器具のお手入れ方法

フレンチプレスの正しい洗い方や管理の仕方についてもご紹介しましょう。器具のお手入れ方法は以下の通りです。

  • 1. コーヒー粉を捨てる
  • フレンチプレスに粉が入っている状態で水道水を入れます。こうすることでプレスの熱が抑えられ、洗う際に触っても熱くありません。水道水が入った状態で流し捨ててください。
  • 2. ポット部分を洗う
  • 中性洗剤で、しっかりと洗いましょう。
  • 3. シャフト部分を洗う
  • シャフト、フィルターは分解して洗うことをおすすめします。フィルターは繊細なため、優しく手洗いしてください。         
  • 4. 乾燥させる

洗った後は、しっかりと水分をふき取ります。 万が一、コーヒーの水分が付着したまま乾かしてしまうとにおいが残ってしまい、次にコーヒーをいれるときに新鮮な香りが楽しめなくなってしまうので注意しましょう。ポット部分も同様に、水分をふき取ってから十分に乾燥させます。

毎回しっかり洗っていても、においや色がついてしまうことはあります。そんな時には、漂白剤を薄めた水に30~40分浸けると気にならなくなります。

フレンチプレスを使う頻度にもよりますが、においや色が気にならなくても週に1回程度漂白を行うと、においや色が移るのを防ぐこともできます。一度ついてしまったにおいや色は完全に落とすのがなかなか難しいので、日頃からお手入れを心がけることで、長く愛用することができます。

もっと知りたい!フレンチプレスの豆知識

フレンチプレスの器具に関する豆知識や、ぴったりのスイーツをご紹介します。

フレンチプレスとティープレスの違い

フレンチプレスを見ると、「紅茶をいれる器具(ティープレス)と一緒?」と感じる方もいるのではないでしょうか。実は紅茶用とコーヒー用、どちらも使う器具はほぼ同じです。とはいえ、紅茶とコーヒー抽出を兼用にして使用するのはあまりおすすめできません。

コーヒーをフレンチプレスで抽出する場合、コーヒーに含まれている油分が器具に付着するためです。いくらしっかり洗っていたとしても、同じ器具で紅茶をいれてしまうと、紅茶の味わいの影響を与えてたり、水色を変えてしまう可能性があるため、避けることをおすすめします。

ステンレス製とガラス製どっちがいい?

フレンチプレスにはステンレス製のものとガラス製のものがあり、それぞれに以下のような利点があります。

・ガラス製:軽くて扱いやすい

・ステンレス製:重みがあるが、保温性に優れている

どちらを選択しても、扱いにくさを感じることはあまりありません。そのため、デザインやフォルムを見てお好みで選んでも問題ありません。

フレンチプレスにぴったりのスイーツ

フレンチプレスでいれたコーヒーは、コーヒーの油分をダイレクトに楽しめるため、乳製品を使用したスイーツとの相性が非常によいです。

コーヒーの味わいに応じたおすすめスイーツは以下のようになります。

・酸味のあるすっきりとした味わいのコーヒーの場合

いちごのショートケーキ

フルーツロールケーキ

レアチーズケーキ

その他柑橘系のお菓子など     

・苦みや酸味のしっかりとした 味わいのコーヒーの場合

リンゴのタルト

ベイクドチーズケーキ

ガトーショコラなど

酸味のあるすっきりとした味わいのコーヒーの場合、生のフルーツ(特に柑橘系)に生クリームを使用したフルーツロールケーキや、レアチーズを使用したレアチーズケーキなどのスイーツが合います。

一方で、苦みや酸味のしっかりとした味わいのコーヒーには、フルーツを焼いたり、煮たりするりんごのタルトのようなスイーツや、バターやカカオを使用したガトーショコラのようなスイーツが合います。選んだコーヒーに合わせてスイーツを選ぶのも楽しいですよ。

コーヒーをいれる際の器具や雑貨にもこだわりを

キーコーヒーでは、コーヒーミルやカップ・ソーサーセット、ケトルなど、さまざまなコーヒー関連の器具・雑貨をご用意しています。コーヒーを飲むだけでなく、いれる時間も楽しめるアイテムを探してみてください。

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フレンチプレスを使ってコーヒーを楽しもう

フレンチプレスのいれ方は、思ったよりも簡単です。用意する器具も少なく、抽出工程がシンプルで手軽にコーヒーをいれられるのが最大の魅力です。

ハンドドリップのいれ方に慣れていない方や、「コーヒーは好きだけど、いれ方がわからないから自宅ではいれない」という方は、まずはフレンチプレスを使ってコーヒーを楽しんでみませんか? 初心者でもおいしいコーヒーがいれられるので、自宅でコーヒーを楽しむきっかけにしてみましょう。

コーヒー教室では目的やレベルに合わせたさまざまなセミナーを開催しております。