自宅でも作れる!おいしいアイスコーヒーのいれ方をご紹介

「カフェで飲むようなおいしいアイスコーヒーを自宅でもいれたい」今回はそんな方におすすめの、プロが教えるアイスコーヒーが格段においしくなるいれ方を解説します。

アイスコーヒーを作るための基礎知識やアレンジレシピもご紹介していますので、ご自宅で本格的なアイスコーヒーを楽しむ際の参考としてお役立てください。

おいしいアイスコーヒーを作るための基礎知識

おいしいアイスコーヒーを作るために知っておきたい基礎知識をご紹介します。

アイスコーヒーのいれ方には種類がある

アイスコーヒーのいれ方には、大きく分けて「急冷法」と「水出し」の2種類があります。

急冷法とは、いれたての熱いコーヒーを氷などで急速に冷やす方法です。

水出しとは、文字通りお湯ではなく水でコーヒーを抽出する方法です。

 急冷法のアイスコーヒー水出しアイスコーヒー
味の特徴香り高くキリッとした苦みがあり、しっかりとした味わい苦みが強くないため、まろやかな味わい

急冷法でいれたアイスコーヒーは、熱いお湯を使って濃いめにいれたコーヒー を氷で冷却することで、しっかりとした味わいが楽しめます。キリっとした苦みを楽しみたい人向けです。 水出しコーヒーは低い温度で時間をかけてコーヒーの成分を引き出すので、苦みがあまり強くなく、口当たりが柔らかいのが特徴です。

アイスコーヒーにおすすめのコーヒー豆

アイスコーヒーにおすすめのコーヒー豆は、深煎りや極深煎りの豆(粉)を使用します。アイスコーヒー専用の豆、もしくはフレンチロースト以上のものがおすすめです。

アイスコーヒーをいれる場合、ホットコーヒーの時よりも少し多めに粉を使用します。目安としては、コーヒー粉10gに対して出来上がり量は100ml程度となります。理由としては、抽出後の急冷と、グラスに入れた際の氷が溶けてもしっかりした味を出すためです。

▶ アイスコーヒーにおすすめのコーヒーが探せるページはこちら

作り置きしたコーヒーをおいしく楽しむポイント

 急冷法のアイスコーヒー水出しアイスコーヒー
おいしく飲める作り置きの期間抽出後要冷蔵で48時間水に触れてから要冷蔵で48時間
最大の作り置きの期間抽出後2日以内にお召し上がりください
用途すぐに飲みたい時手間をかけずに作りたい時

急冷法は抽出してすぐに飲みたい時におすすめです。水出しの場合は、できあがるまでに時間がかかりますが、使用する器具も少なく手順も少ないので簡単に作れるのが魅力です。

また、作り置きしたアイスコーヒーの保存期間は、基本的には最大2日です。それ以上時間が経ってしまうと、香りがどんどん抜けてしまいます。また液体にとろみが出てしまい、本来の香りや飲み心地が楽しめなくなってしまいます。おいしく味わいたい時は、2日以内にお召し上がりください。保存する際は香りが逃げないように、きっちりフタができる容器に入れて保存することをおすすめします。

おいしいアイスコーヒーを作るための基礎知識がわかったところで、自宅でもおいしく作れるアイスコーヒーのいれ方について、急冷法と水出しの手順をそれぞれ詳しく見ていきましょう。

おいしいアイスコーヒーの作り方:急冷法

急冷法によるおいしいアイスコーヒーのいれ方についてご紹介します。

準備するもの

1 ドリッパー、サーバー

ドリッパーとサーバーを用意します。 ドリッパーはコーヒー液を抽出するための器具です。 サーバーは、抽出したコーヒーを受けるために必要な器具で、メモリがついているので、抽出量がわかります。

2 ペーパーフィルター

抽出する際には、専用のペーパーフィルターも必要です。ドリッパーの形状に合ったものを用意しましょう。 今回使用したペーパーフィルターは、キーコーヒーオリジナルの円すい形ドリッパー専用のペーパーフィルターです。

3 コーヒー粉

アイスコーヒー用、もしくは深煎り・極深煎りコーヒー粉を用意します。ペーパーフィルターでの抽出での挽き目は中挽きです。

アイスコーヒーを作る際の分量の目安としては、コーヒー粉10gに対して出来上がり量100mlを基本とします。

今回の作り方では、40g(=10g量れる計量スプーンの場合、小山盛4杯分)のコーヒー粉で、濃いコーヒー240ccを抽出します。そこに、氷(160g)を加えて400ccのアイスコーヒーを作る方法をご紹介しています。濃いコーヒー6:氷4と覚えるとよいでしょう。

4 スプーン

コーヒー粉を入れる際に使用するスプーンです。こちらはすり切り10g量れるものですが、ご家庭にあるもので代用可能です。

5 計量器/秤(はかり)

コーヒー粉を量るための計量器です。 アイスコーヒーの場合もホットコーヒーと同様に、抽出をする際は、コーヒー粉の量をしっかりと量ることで、安定した味を抽出できます。

6 タイマー

抽出時間を計るタイマーです。 正確に抽出時間を計るためにも、タイマーは準備しておきましょう。

7 ケトル(沸騰させたお湯)

お湯を注ぐためのポットです。沸騰させたお湯を準備します。 注ぎ口が細いポットやコーヒー専用ポットを使用することで、お湯を注ぐ量をコントロールできます。

8 グラス

アイスコーヒーは、目で見て味わって楽しめる飲み物です。 お気に入りのグラスを用意して、あなただけのアイスコーヒーを楽しみましょう。

9 氷、トング

コーヒーを抽出してからの急冷やグラスの中の飾り氷として使用します。トングがあると氷が取りやすいです。 氷は一般家庭の製氷皿で作ったものでも問題ありません。アイスコーヒーを作る際には氷をたくさん使います。急冷用(一般的なキューブタイプで8個~)と1杯分の飾り氷(3個~4個)を合わせると11~15個ほどになります。事前に20個ほど作っておけば安心です。

氷に使う水については、コーヒーをいれる時に使用する水で問題ありません。軟水が望ましく、日本国内なら水道水(できれば浄水器を通したもの)を使用してください。

軟水が良いとされる理由は、コーヒーの味への影響が少ないため、コーヒー本来の持つ味を抽出しやすいためです。軟水は、水1リットルあたりの炭酸カルシウム含有量が100mg以下のものとなります。

氷は、しっかりと固まったキューブ氷を用意してください。氷が柔らかいものや、小さいものだとしっかり冷たいと感じるくらいまで冷やすことができません。急冷することで香りを封じ込め、濁りのないアイスコーヒーができあがりますので、とても大切な点です。

作り方

<抽出する>

1  器具を温める

十分に器具を温めます。 しっかりとした香りと味わいを抽出するには、アイスの場合でも器具を温めるのがポイントとなります。 温まったらお湯は捨ててください。

2  フィルターをセットする

容器が温まっていることを確認したら、ドリッパーにフィルターをセットします。フィルターは圧着部分を折り返すことできれいにおさまります。ドリッパーに密着させるように取り付けましょう。

3  コーヒー粉を量る

ホットコーヒーの場合は計量スプーンで粉をすくった時、すり切り1杯が10gですが、煎りが深いアイスコーヒーの場合は小山盛1杯を10gと考えます。

4  1回目のお湯を注ぐ~前半(内側)

安定したコーヒーを抽出するために、できあがりまで2分30秒~3分ほどで抽出することを意識しましょう。 まず、フィルターに入れたコーヒー粉を平らにしてからタイマーをセットし、お湯を注いでいきます。内側から外側に円を描いて注ぎます。

5  1回目のお湯を注ぐ~後半(外側)

内側から外側にかけてゆっくりと円を描きながらお湯を染み込ませるイメージで注いでいきます。全体を見て乾いたところがないようにしましょう。 外側に近づくにつれてお湯を注ぐ量を減らしていき、最後はポタポタと滴るように注ぎます。

6  蒸らし

キラキラした泡が出てきたら、お湯が全体に浸透した証拠です。 泡が消えてきたら炊き立てのご飯のようにボソボソボソと穴が開いてきます。全体を見て半分ぐらい穴が出てきたら2回目のお湯を注ぎます。

7  2回目のお湯を注ぐ

2回目もゆっくりと内側からお湯を注いでいきます。500円玉の円を広げるようにまんべんなくお湯を浸透させてください。内側の盛り上がった泡が広がってきたらお湯を止めます。 2回目ではたっぷりとお湯を入れることを意識しましょう。コーヒーの一番おいしいところが抽出されるタイミングになります。

8  3回目のお湯を注ぐ

真ん中の膨らんだ部分が少しくぼんできたら、3回目のお湯を入れる合図です。 先ほどと同じように内側からゆっくりと500円玉の円を広げるようなイメージ(*杯数によって異なり1~2杯の場合は10円玉サイズ)でクルクルと注いでください。上から見て、お湯が全体に行き渡ったことを確認したらストップします。

お湯の注ぎ方はホットコーヒーの場合とほとんど一緒ですが、しっかりとした味を出すためによりゆっくりとこの動作をするのが大切です。

9  ドリッパーを外す

抽出されたコーヒーが2杯分(240cc)の目盛りまできたらドリッパーを外します。

<急冷する>

10  氷を入れて急冷する

急冷用の氷は8個~9個(160g)で、だいたい400ccの目盛りまで入れるのが目安。氷を入れたら片方の手でサーバーをおさえて、スプーンでかき混ぜてください。カラカラという音がなくなるまでしっかりと溶かします。 手で触って、サーバーが冷たいと感じられたらOKです。 急冷は香りを封じ込め、透明度のあるコーヒーを楽しむために重要な手順になるので素早く行いましょう。

11  グラスに注いでできあがり

お好みのグラスに氷を入れ、サーバーからアイスコーヒーを流し入れます。以上が、アイスコーヒーの一連のいれ方です。 お気に入りのグラスに注いで、香り高いアイスコーヒーをお楽しみください。

アイスコーヒーのつくり方:オンザロックスタイル(1人分)

「1杯だけおいしいアイスコーヒーを楽しみたい」という方向けに、1人分のオンザロックスタイルの作り方もご紹介します。

[1] 使用するコーヒー粉はフレンチロースト(強深煎り)を使います。

分量…… 粉15gに対し、使用するコーヒー150ccが目安です。

[2]グラスに氷を隙間なく入れ、ドリッパーをグラスに直接のせます。

[3]コーヒー粉の量に対して抽出量が少ないので、できるだけゆっくりと、細いお湯を注ぐように心がけます。抽出手順は急冷法のケースと同様で、円の大きさは1円玉サイズをイメージします。

[4]グラスの氷でコーヒーが一瞬にして冷やされ、香り高い透明感のあるアイスコーヒーが出来上がります。

おいしいアイスコーヒーの作り方:水出しアイスコーヒー

水出しによるおいしいアイスコーヒーのいれ方についてご紹介します。

準備するもの

1 水出し専用コーヒーバック

 水出し専用のコーヒーバックを使用します。今回のコーヒーバックは、1回分の粉が35gで小分けにされています。

2 ポット

蓋つきのポットを準備します。 水(500cc)とコーヒーバックが十分に入る広口のポットを準備しましょう。 直接グラスに注げるタイプのものが便利です。

3  今回使用した水出し専用のコーヒーバックの場合、1袋で500ccの水を使用します。

用意する水は水道水で問題ありません。日本の水は水道水も含めほとんどが弱軟水のため、コーヒーとの相性が良いです。 ちなみに、硬水はミネラル補給に最適の水と言われていますが、口当たりとしては軟水と比べると少々重め。硬水には、カルシウムやマグネシムといった成分が多く含まれているため、コーヒー成分が移行しにくく、香りや味わいが弱いコーヒーになりがちです。

4 柄の長いスプーン(マドラー) コーヒーバックを沈ませ、混ぜるためのスプーン(マドラー)です。

5 トング 水出し後、ポットからコーヒーバックを取り出すトングです。

▶ キーコーヒー公式オンラインショップ「作り置き×水出しコーヒー」のページはこちら

作り方

[1] コーヒーバックと水をポットの中に入れる コーヒーバックを水出し用ポットに入れて、500cc水を入れます。こぼれないようにコーヒーバック全体に染み込ませるようゆっくりと注ぎます。

[2] コーヒー粉に水を染み込ませる コーヒーバックが浮いてくるのでスプーン(マドラー)で沈ませます。沈ませることでコーヒーの粉全体に水を染み込ませます。

[3] 蓋をして4~8時間冷蔵する コーヒーバックから空気の泡が出なくなったら水が全体に浸透した合図です。蓋をして4~8時間冷蔵庫で冷やします。冷蔵中にゆっくりと味が引き出されます。

※商品によって抽出時間が異なりますので商品記載の説明を参照ください。

[4] 冷却後、コーヒーバックを取り出す 時間が経ったら、コーヒーバックを取り出します。絞らずにそのまま取り出しましょう。コーヒーがパックから溢れることがあるので、お皿を用意しておくと便利です。

[5] グラスに注いで、水出しアイスコーヒーのできあがり 冷えたらお好みのグラスに注いで、水出しアイスコーヒーのできあがりです。 水出しコーヒーは冷蔵庫でしっかり冷えているので氷を入れなくてもおいしく飲めますが、夏場などより冷たくお楽しみいただくためにグラスに氷を入れると見栄えもよくなります。

冷蔵庫の保存で、2日間(48時間)は香り高いアイスコーヒーを召し上がっていただけます。香りが逃げないように、きっちりフタができる容器に入れて保存することをおすすめします。

アイスコーヒーをもっと楽しむ!アレンジレシピ

基本のアイスコーヒーが作れるようになったら試したいアレンジレシピをご紹介します。

アイスカフェオレ

[1] ポーションシロップをグラスに2つ入れます。

[2] グラスの中に勢いよく1/3ほど牛乳を入れ、シロップとよく混ぜます。

[3] 氷を入れます。 牛乳の表面に氷の頭が出るくらいに入れるのがポイント。

[4] コーヒーを少しずつゆっくりと入れます。 氷に沿わせるイメージで入れるときれいにツートンになります。層になっていることを確認しながら、1:1の割合で注いでください。

牛乳だけでなく、アーモンドミルクや豆乳などの植物性ミルクと割っても相性がよいです。

炭酸コーヒー

[1] ポーションシロップを1つ入れます。

[2] 水出しアイスコーヒーを90cc注いでシロップとよく混ぜてください。

[3] 氷を適量入れます。

[4] 炭酸を氷に沿わせながら30cc注ぎます。 3:1の割合を意識すると見た目もきれいにできあがります。

微炭酸のものを入れるのも爽やかさがより一層引き立ちます。のど越しもとても良いため、暑い日におすすめのレシピです。

他にもある!アイスコーヒーの特徴別おすすめのアレンジレシピ

アイスコーヒーはそのものを味わってもおいしいですが、実はいろいろな割り方ができる飲み物です。今回ご紹介したレシピ以外にもたくさんのアレンジレシピがあります。

アイスコーヒーの種類おすすめの割りもの
しっかりと飲み応えのある苦みタイプのアイスコーヒーの場合乳製品(牛乳、豆乳、アーモンドミルク)や練乳キャラメルや、チョコレートソースなど粘度感のあるもの
水出しアイスコーヒーやすっきりしたタイプの(苦みが少ない)アイスコーヒーの場合炭酸、ミント、グレープフルーツジュース ミントを叩いて入れるとさらに爽やかに
酸味の強いアイスコーヒー柑橘系のジュース、コアントロー(オレンジ)、キリッシュなどのリキュール系

しっかりと飲み応えのある苦みタイプのアイスコーヒーの場合は、乳製品やキャラメル、練乳などを使ったアレンジにもおすすめです。

アイスコーヒーの味わいや口当りの違いに応じて、おすすめの割り方があります。アイスコーヒーの味のタイプに応じて様々な飲み方を試して、ぜひお気に入りの味を見つけてください。

アイスコーヒー作りにおすすめのコーヒーをご紹介

急冷法でおすすめのコーヒー豆としては、「トラジャブレンド ノワール」「氷温熟成®珈琲」がおすすめです。「トラジャブレンド ノワール」はダークチョコレートや焦がし砂糖のようにほろ苦くスパイシーで、なめらかな口当りが特徴でアイスコーヒー向きのコーヒーとなっています。

「氷温熟成®珈琲」はダークチョコレートを思わせる香ばしいほろ苦さ、焦がし砂糖のような甘く続く長い余韻が特徴の深煎りタイプで、アイスコーヒーやミルクを入れたカフェオレなどにぴったりです。また、急冷法で作るアイスコーヒー専用のコーヒー「グランドテイスト アイスコーヒー」も、喫茶店で飲むような香ばしくすっきりしたアイスコーヒーが楽しめます。

水出しでおすすめなのは、水出し専用のコーヒーバッグです。「香味まろやか水出し珈琲」なら、 水に最短4時間つけておくだけで、水出しコーヒーが出来上がります。バックタイプのアイスコーヒーのため、お手軽なのも特徴です。

自宅で本格的なアイスコーヒーを楽しもう

アイスコーヒーは抽出法の特徴をおさえれば、おうちで簡単に、しかもお店で飲むような味わいを出すことができます。急冷法と水出しでは味に違いがあるので、好みによっていれ方を選ぶのもよいでしょう。

また、アレンジレシピも豊富にあるので、その時の気分に応じてひと工夫すれば、アイスコーヒーの新たな一面も見つけられます。ぜひ、いろいろな飲み方であなただけのアイスコーヒーを楽しんでください。