登山やキャンプなど、屋外でコーヒーを楽しむ際に「パーコレーター」という器具が使われることがあります。パーコレーターとはどのような仕組みで、コーヒーが抽出できるようになっているのでしょうか。パーコレーターの便利な使い方やおいしいいれ方も気になるところです。
この記事では、パーコレーターの概要や仕組み、メリットやデメリットなどについてわかりやすく解説しています。パーコレーターを使ったコーヒーのおいしいいれ方やアウトドアでコーヒーを楽しむポイントもご紹介していますので、参考にしてみてください。
Contents
パーコレーターとは
まずは、パーコレーターの概要や仕組みについて見ていきましょう。
直火にかけてコーヒーを抽出する器具
パーコレーターとは、コンロなど直火にかけてコーヒーを抽出する器具のことです。19世紀初頭にフランスで考案され、その後アメリカに渡って広く普及したといわれています。パーコレーターの中にコーヒーと水をセットし、直火にかけることでコーヒーが抽出できます。
コーヒー粉とパーコレーター、水とコンロがあればコーヒーフィルターなども不要で抽出が可能なため、屋外やキャンプ場などでいれたてのコーヒーが楽しめるツールとして人気があります。
パーコレーターの仕組み
パーコレーターはヤカンのような本体に「バスケット」「バスケットのふた」「ストレーナー」などのパーツがセットされています。本体には水が入り、バスケットにはバスケットの穴よりも大きな粒に荒く挽いたコーヒー粉が入ります。ストレーナーには、沸騰したお湯をバスケット内のコーヒーへと届けるろ過装置のような役割があります。
水を入れたパーコレーターを熱して水が沸騰すると、蒸気の力でストレーナーのパイプにお湯が通り、バスケット内のコーヒー粉に触れてコーヒーが抽出される仕組みです。
マキネッタとの違い
パーコレーターと似たコーヒー抽出器具に「マキネッタ」と呼ばれるものがあります。直火式で本体に水を入れ、本体内にバスケットやふた、パイプなどがある点など、構造はパーコレーターと似ていますが、マキネッタでは細挽きのコーヒーを使用し、1.5気圧で抽出するため短時間でエスプレッソコーヒーのように濃厚となる点が異なります。
エスプレッソコーヒーとは、加圧して抽出されるイタリア発祥のコーヒーのことです。エスプレッソコーヒーとして楽しむほか、カフェラテやマキアートなどにもエスプレッソコーヒーが使用されます。
また、マキネッタが1度の加圧抽出のみとなるのに対し、パーコレーターでは繰り返しお湯を循環させられる点も異なります。パーコレーターでは循環するほどにコーヒーの濃度を上げることができるため、自分の好みの濃さになるまで調節する事も可能です。
パーコレーターでいれたコーヒーの楽しみ方
パーコレーターを使っていれたコーヒーの楽しみ方についてもご紹介します。
パーコレーターでいれたコーヒーはどんな味?
パーコレーターでいれたコーヒーは、フィルターを使わずに抽出するため、ペーパードリップなどでいれたコーヒーよりも豆のオイル感が楽しめる味わいとなります。また、パーコレーターでいれるコーヒーの粉は浅煎りで粗挽きのものが向いています。深煎りや細挽きのコーヒー粉に比べると、雑味や苦みが少なる点もパーコレーターでいれたコーヒーの特徴です。
パーコレーターの構造上、沸騰したお湯を循環させてコーヒーをいれることができるため、濃いめ、薄めといった味の調節はある程度可能です。このほかにも使用するコーヒー豆の種類や産地、保存状態などによって微妙に味は異なってきます。
パーコレーターの「音」も楽しめる
パーコレーターを使ってコーヒーを抽出する際「コポコポ」という独特の音が聞こえてきます。キャンプ場や自然の中など、開放的な空間の中でパーコレーターの音を聞きながらコーヒーをいれるひと時に、特別な癒しを感じる方も多いのです。川のせせらぎや鳥の鳴き声もBGMとなって、リラックスした時間を演出してくれるでしょう。
パーコレーターでおいしくコーヒーをいれる方法
パーコレーターを使っておいしくコーヒーをいれる際に試したい基本のいれ方をご紹介します。
□ 用意するもの(4杯分)
- パーコレーター
- コーヒーミル
- マグカップ
- カセットコンロなどの熱源
- 水600ml
- コーヒー粉(浅煎り、粗挽きのもの)40g
□ 手順
- 1. パーコレーターに水を入れて熱源にかける
- 2. バスケットに荒く挽いたコーヒー粉をセットする
- 3. パーコレーターが沸騰したらバスケットを入れる
- 4. 弱火で数分ほど様子を見る
- 5. 抽出されたコーヒーの色を見て、好みの濃さになったら火を止め、マグカップに注いで出来上がり
パーコレーターの中には、熱源がなくても使える電気式のものもあります。挽きたてのコーヒー粉を使いたい場合は、コーヒー豆とコーヒーミルを持参するとよいでしょう。
コーヒーの飲み頃はお好みで調節可能ですが、目安は弱火で3分程度となります。沸騰させ過ぎないよう注意して、火を止めた後も1分ほど放置してからカップへ注ぐようにするのがポイントです。
パーコレーターの特徴
パーコレーターは、ペーパーフィルターを使わないため、余計なゴミが出ない点が挙げられます。バスケットを外すとケトルとしても使えるため、キャンプをする予定があるなら1つ持っておくとよいかもしれません。手軽にたくさん作れるため、大人数でバーベキューをする際にも便利です。パーコレーターでいれたコーヒーの独特な味わいと抽出時の音など、ドリップコーヒーとは違った楽しみがある点も魅力となるでしょう。
製品によって使い方や調節方法が微妙に異なります。どの製品が使いやすいかは人によって異なり、慣れるまではおいしくいれるコツが掴みにくい場合があります。
但し、ペーパードリップに比べると、使った後のお手入れが必要で、浅煎りで粗挽きにしたものコーヒー粉が必要なのも特徴です。
アウトドアでコーヒーを楽しむポイント
アウトドアでコーヒーを楽しむためのポイントについては、以下を参考にしてみてください。
自分に合った方法を選ぶ
アウトドアでパーコレーターの使用を検討する際は、メリットとデメリットを比較して決めるのがおすすめです。自分に合った方法でコーヒーを楽しむことが大切ですから、パーコレーターのデメリットが気になる場合は、インスタントコーヒーや1杯取りドリップコーヒーを持参してもよいのです。プラスチック製のドリッパーとペーパーフィルターを持参してコーヒーをいれる方法もあります。「こうすると楽」「こうした方が好み」など、自分に合った方法でコーヒーを楽しみましょう。
旅程によって選ぶ
「現地で食事する際にケトルとしても使いたい」「夜に焚き火と共にパーコレーターでいれたコーヒーを楽しみたい」など、アウトドアでやりたいことやプランがある場合は、パーコレーターを準備することでイメージに近い旅を楽しむことが可能です。
「今回は日帰りなので軽装にしたい」「荷物は最小限に抑えたい」という場合は荷物にならないコーヒーバッグにするなど、旅程に合わせて決めるのもよいでしょう。
キーコーヒーでは、ドリップ オンなど1杯取りタイプのドリップコーヒーをはじめ、マイボトルに漬けておくだけでおいしいコーヒーが楽しめるコーヒーバッグ「まいにちカフェ」や、熱湯で10秒上下するだけで抽出が完了する「Jet Brew(ジェットブリュ―)」など、手軽にコーヒーが抽出できる商品を豊富にラインアップしています。アウトドアや屋外イベントなど、荷物を増やさなくてもレギュラーコーヒーを手軽に楽しみたい際にぜひお試しください。
◇ 「ドリップ オン®」はこちら
◇ 「まいにちカフェ」はこちら
◇ 「Jet Brew」はこちら
パーコレーターの基本的な使い方
キーコーヒーの公式インスタグラムでは、パーコレーターの基本的な使い方についても動画でわかりやすく説明しています。アウトドアでコーヒータイムを楽しむ際の参考として、ぜひチェックしてみてください。
キーコーヒー公式インスタグラム:「パーコレーターの基本的な使い方」
パーコレーターの特徴を知ってアウトドアでもコーヒーを楽しもう
パーコレーターとは、フランスで考案された直火式のコーヒーを抽出する器具のことで、ペーパーフィルターを使わずに沸騰させた水を循環させて抽出することが可能です。ケトルとしても使用できる点や、抽出時に鳴る独特の音、パーコレーターならではのコーヒーの味わいなどから、キャンプとコーヒーが好きな方に根強い人気があります。
一度にたくさん作れるところも魅力ですが、パーコレーターには浅煎りで粗挽きのコーヒー粉を用意する必要がある点や、使用後のお手入れに手間がかかる点などのデメリットもあるため、気軽に使えるドリップバッグやコーヒーバッグを持参するのもおすすめです。
パーコレーターの特徴を理解して、アウトドアのプランに合わせてコーヒータイムを楽しみましょう。