コーヒーの産地として知られる多くの国や地域のうち、ホンジュラスコーヒーにはどのような特徴があるのでしょうか。どんな味わいなのか、おいしい飲み方やぴったりのシーンなどを知ることで、コーヒーを楽しむ時間が広がるでしょう。
本記事では、ホンジュラスコーヒーの特徴や品質、歴史などについてわかりやすくご紹介しています。
Contents
ホンジュラスコーヒーとは
ホンジュラスコーヒーとはどのようなコーヒーなのか、その概要について見ていきましょう。
ホンジュラスコーヒーとは
ホンジュラスコーヒーとは、中央アメリカにあるホンジュラスで生産されるコーヒーのことをさします。
国土の南西部に広がる山岳地帯がおもな生産地域となっており、マルカラ、コマヤグア、サンタバルバラ、チョルテカ、グラシアスなどが産地として挙げられます。
国際統計データ専門サイトの「グローバルノート」が2024年1月に発表したデータによると、
ホンジュラスはコーヒー生産量第9位の生産国となっています。
参照元:https://www.globalnote.jp/post-1014.html
出展:国連食糧農業機関(FAO)
ホンジュラスの主要産業はコーヒー、バナナなどの農林業ですが、近年では製造業、観光業などにも力を入れています。
ホンジュラスってどんな国?
ホンジュラスコーヒーの産地であるホンジュラスは、正式名を「ホンジュラス共和国」といいます。首都はテグシガルパで、公用語はスペイン語。国境を接する近隣国にはニカラグア、グァテマラ、エルサルバドルなどがあり、日本の3分の1程度の国土はほとんどが山地で占められています。
火山による肥沃な土壌や標高の高さなど、コーヒー栽培に適した環境であり、品質の高いコーヒー豆が生産されています。コーヒー以外にもバナナやパーム油、養殖エビなどの生産も盛んですが、ホンジュラスコーヒーは外貨獲得の手段として重要な産業となっています。
マヤ文化圏の中でも「謎の古代王国」といわれるコパンの存在など、神秘的な印象を持つ国としても知られています。
ホンジュラスコーヒーの歴史
中米地域のコーヒー栽培に適した環境を持つ国でコーヒー栽培が発達したのは18世紀末頃とされていますが、ホンジュラスでいつ頃コーヒー栽培が盛んになったのか、20世紀に入るまではっきりしたことはわかっていないようです。
1970年にホンジュラスコーヒー協会が設立され、2016年と2017年にはコーヒー生産世界第5位となったことで、ホンジュラスコーヒーの品質の高さが世界的に知られるようになりました。
現在、ホンジュラスでは国をあげてコーヒー生産に取り組んでおり、現在ではスペシャルティコーヒーも多く生産されています。
スペシャルティコーヒーとしてのホンジュラスコーヒーはどのように格付けされ、どのような味わいを持っているのでしょうか。
※スペシャルティコーヒーは「農園からコーヒーカップまで」といわれるような、特定の産地にある単一農園から栽培、収穫、流通までを徹底して管理された高品質なコーヒーのこと
ホンジュラスコーヒーの味と品質
ホンジュラスコーヒーが持つ味の特徴や品質、管理方法やグレード、持続可能な農業や病害対策などについて解説していきます。
中性的でバランスの取れた味わい
ホンジュラスコーヒーは香り高く、中性的でバランスのよい味わいが特徴です。上品なバランスのよさから、ブレンドコーヒーのベースとしても好んで使われます。
ナッティなフレーバーとフルーティな酸味に、カラメルのような上品な甘い香りも感じられます。
生産された地域や焙煎度合いによっても微妙な味の違いがあり「甘い香り」「爽やかな後味」「すっきりとした酸味」など、多様なバランスの良さもホンジュラスコーヒーの特徴の1つです。
ホンジュラスコーヒーの品質
ホンジュラスコーヒーの栽培は小規模農園を中心に行われており、生産工程までよくわかる仕組みが確立されています。また、ホンジュラスコーヒーの歴史でも少し触れたように、トレーサビリティへの取り組みや環境への配慮、農業による地域貢献なども積極的に実施されており、ラベルや認証もデジタル化して管理されるなど、徹底した体制が整っています。
※ホンジュラスコーヒーの精選はウォッシュドがメインといわれています。精選とは、コーヒーチェリーと呼ばれるコーヒーの実からコーヒー豆を取り出す作業のことで「ナチュラル」と呼ばれる非水洗式と「ウォッシュド」と呼ばれる水洗式、ウォッシュドとナチュラルの中間にあたる「パルプドナチュラル」の3つに大きく分けられます。ウォッシュドによって精選されたコーヒー豆は雑味が少なく、クリアな味わいが特徴です。
ホンジュラスコーヒーの格付け
ホンジュラスコーヒーの格付けは、栽培地の標高によってSHG、HGなどに分けられます。SHGは「ストリクトリーハイグロウン(Strictly High Grown)」、HGは「ハイグロウン(High Grown)」の頭文字からきています。標高約1,500m以上はSHG、標高約1,000m~1,500mはHGに格付けされています(標高は目安)。
また、ホンジュラスにはCOE入賞農園が多い点も特筆すべきでしょう。COEとは「カップオブエクセレンス(Cup Of Excellence)」の頭文字を取ったもので、世界でもっとも知名度の高いコーヒーの品評会であるとされています。COEで平均85点以上を獲得したコーヒーは入賞となり、平均90点以上を獲得すると「プレジデンシャル・アワード(Presidential Award)」と呼ばれる、名誉ある賞を受賞することができます。
ホンジュラスには、30以上のCOE入賞農園があり、その内6つもの農園がプレジデンシャル・アワードを受賞しているのです。
ホンジュラスコーヒーのおいしい飲み方
ホンジュラスコーヒーのおいしい飲み方についてもご紹介しましょう。
アメリカンで楽しむ
ホンジュラスコーヒーはシナモンローストからミディアムローストのやや浅煎りを選ぶのがおすすめです。浅煎りで抽出されたアメリカンコーヒーなら、ホンジュラスコーヒーが持つフルーティで爽やかな酸味と、キャラメルのような甘い香りが楽しめます。
上品なアロマとバランスの良い味わいは、中挽きでフレンチプレスにして楽しむのもおすすめです。
ブレンドもおすすめ
クセがなくバランスの良いホンジュラスコーヒーは、ブレンドで楽しむのもおすすめの飲み方の1つです。
ストレートコーヒーとしては浅煎りがおすすめのホンジュラスコーヒーですが、ブレンドの場合は深煎りで使われることも少なくありません。ブレンドのベースに使用すると、酸味傾向のバランスがとれた味わいに仕上がります。
地域別に飲み比べても
ホンジュラスコーヒーは、生産地域によって異なる味わいが楽しめます。代表的な産地としてはマルカラ、コマヤグア、サンタバルバラ、チョルテカ、グラシアスのほか、コパンやレンピラ、オパラカ、モンテシージョス、アガルタなども挙げられます。
甘い香りやフルーティで爽やかな酸味、バランスの取れた味わいなど、異なる地域のホンジュラスコーヒーが複数手に入ったらぜひ飲み比べてみましょう。
ホンジュラスコーヒーがぴったりのシーン
ホンジュラスコーヒーがぴったりのシーンをご紹介します。
食事のお供に
クセが少なくバランスの良い味わいが特徴のホンジュラスコーヒーは食事の邪魔をせず、おいしさを引き立てるため、食後のコーヒーとしておすすめです。
濃厚な料理や脂っこいメニューなどの後に、爽やかな後味が特徴のホンジュラスコーヒーを食後のコーヒーに選べば、口の中をさっぱりとしてくれるでしょう。
純粋にコーヒーを楽しみたい時に
ホンジュラスコーヒーは、スペシャルティコーヒーとして品質の高いコーヒーが多く流通している点も特徴です。
食事のお供はもちろん、ちょっとした休憩や気分転換したい時、コーヒーのおいしさを純粋に楽しみたい時などにも選んでみるとよいでしょう。
ギフトに
品質の高いコーヒーとして多くのアワードを受賞し、小規模農園で手間をかけて生産されているホンジュラスコーヒーは、ギフトにもぴったり。バランスのとれた上品な味わいのため、コーヒー好きの方だけでなく、コーヒー初心者の方へのギフトとしても最適です。
このほかにも、朝の一杯、友人へのギフト、午後のおやつ、リラックス、友人家族と一緒になど、ゆったりとしたコーヒーブレイクを楽しんでみましょう。
キーコーヒーのストレートコーヒーで優雅なコーヒータイムを
キーコーヒーでは、数多くのストレートコーヒーを取り扱っています。ストレートコーヒーとは、特定の産地からとれた単品のコーヒー豆のこと。さまざまな産地のコーヒーの中から、お気に入りのコーヒーを見つけてみてください。
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※2024年7月現在キーコーヒーではホンジュラスコーヒーをお取り扱いしていません。
ホンジュラスコーヒーで贅沢なひと時を
ホンジュラスコーヒーは、中米のホンジュラス共和国で生産されるコーヒーのこと。火山による肥沃な土壌や標高の高い山岳地帯など、コーヒーの栽培に適した国土を持ち、品質の高いコーヒーだけが受賞できる数々のアワードを受賞した小規模農園も多い産地として知られています。
現地で大切に栽培、収穫され、トレーサビリティによって徹底管理されたスペシャルティコーヒーでもあるホンジュラスコーヒーで、贅沢なひと時を過ごしてみてください。