コーヒー染めは自宅でもできる?やり方やアイデア、コツなどを紹介!

コーヒーを使って染色ができる「コーヒー染め」をご存じでしょうか。コーヒー染めを含む染色とはどのような技法なのか、コーヒー染めの魅力や何色に染まるのか、自宅で試す際の方法についても気になる方は多いでしょう。

この記事では、コーヒー染めのやり方や染色の魅力に加え、素敵なアレンジ方法やちょっとしたコツなどについてわかりやすくご紹介していきます。

コーヒー染めとは

そもそもコーヒー染めとはどのようなものなのかについて見ていきましょう。

コーヒー染めは草木染めの1つ

コーヒー染めとは、文字通りコーヒーを使って染色する方法のことをさします。染色とは、染料や顔料などで紙や布などの繊維に色を付けることです。染色には鉱物などを使って染める方法や、植物を使って染める方法など、さまざまな技法が挙げられます。コーヒー染めは、天然の植物などを使って染色を行う「草木染め」の1つとなります。

草木染めには、コーヒーのほかに黒豆や玉ねぎの皮などを使って染める方法もあります。代表的な草木染めに使う植物と染めたときの色合いは以下の通りです。

  • コーヒー:柔らかなブラウン
  • 黒豆:淡い紫
  • 玉ねぎの皮:黄色
  • よもぎ:若草色

染色は複雑な工程や機械などを必要とする場合もありますが、草木染めは簡単な工程で染色にチャレンジしやすいものも多く、自宅で気軽に楽しむことが可能です。

コーヒー染めの魅力

身近な材料や植物を使って染色する場合、植物を収穫できる時期が限られる場合や、長時間煮出す必要がある場合、染色に使うだけの量を集めるのが大変な場合などもあります。その点、コーヒー染めはコーヒー抽出後の粉を使って染められるため、簡単にチャレンジすることができるのです。

コーヒーで染めた布や紙は柔らかなブラウン色になり、アンティークでナチュラルな風合いが楽しめます。黄ばみやシミができて使えなくなった白い布製品なども、コーヒー染めすることでリメイクが可能です。染める際にコーヒーの香りで癒されるのも、コーヒー染めの大きな魅力の1つといえるでしょう。

コーヒー染めできる素材

コーヒー染めできる素材にはコットン、ウール、リネンといった天然素材のほか、画用紙などの紙製品などが挙げられます。ベニヤ板やすのこなどの木製品も染めることが可能です。

白いものだけでなく、淡い色で染められたものも、上手に染まればコーヒー独特のブラウンの風合いを出すことができます。

コーヒー染めのやり方

基本的なコーヒー染めのやり方についてご紹介します。

用意するもの

コーヒー染めをする際に準備する基本のアイテムは以下の通りです。

・抽出後のコーヒー粉(コーヒーグラウンズ)またはインスタントコーヒー

コーヒーは抽出後の粉を使用します。水1Lに対して大さじ3杯程度のコーヒー粉が必要です。コーヒー粉の代わりにインスタントコーヒーを使って染めることもできます。インスタントコーヒーを使う場合も、水1Lに対して大さじ3杯程度を目安にするとよいでしょう。

・牛乳または豆乳

コーヒー染めをする前に、牛乳や豆乳などのたんぱく質を含む液体に染めたいものを浸すことで、たんぱく質にコーヒーの着色成分がくっついて染まりやすくなります。浸さなくても染めることはできますが、染まりをよくしたい場合は準備しましょう。

浸透液を作る際は、牛乳または豆乳と1:1の割合になるように水を加えます。例えば600mlの浸透液を作る場合、牛乳または豆乳300mlに水300mlを加えて作ります。

・塩またはミョウバン

コーヒー染めの際に色止めとして使用します。なくても染めることは可能ですが、染めた後に洗濯を繰り返すと色落ちしやすくなってしまいます。

色止めする場合は、染色液1Lに対して塩またはミョウバン大さじ1杯程度を目安にするとよいでしょう。

・布や紙など染めたい製品

薄手で布の重なりが少ないものの方が均一に染めやすいため、ストールや手ぬぐい、レースペーパーなどの紙製品がおすすめです。

はじめてコーヒー染めにチャレンジする場合は、黄ばみやシミができてしまったTシャツや靴下など、処分しても構わないアイテムを使うとよいでしょう。

・大きめの鍋

染める前の浸透液作りやコーヒー粉を煮出して染色液を作るのに必要な大きさの鍋を用意します。鍋の中に製品を入れて染める場合は、更に充分な大きさのあるものを選ぶようにしましょう。鍋とは別に浸す用の耐熱性たらいなどを用意して染める方法もあります。

・あると便利なもの

上記で挙げたもの以外に、ゴムまたはビニール製の手袋やざる、トング、菜箸などがあると便利です。ざるはコーヒーの粉を煮出した後濾す際に使いますが、だしパックなどにコーヒー粉を入れて煮出す方法もあります。

木製テーブル、クロスやランチョンマットの上での作業や、綿や麻素材の衣類を着用して作業を行うと、染色液がついてうっかり染まってしまう場合もあります。エプロンやビニールシートなどであらかじめ対策を取っておくようにしましょう。

基本の染め方

コーヒー染めの基本的な手順は以下のようになります。

1.染める製品を浸透液に浸す

牛乳または豆乳と水を1:1の割合で加えた浸透液を作り、鍋またはたらいに入れてコーヒー染めする製品を1時間以上浸します。

まんべんなく浸さないと色ムラができる原因となりやすいため、布や紙が均等に浸かるようにしましょう。充分に浸したら取り出して絞り、すすがずにそのまま乾かします。

2.染色液を作って染める

飲んだ後のコーヒー粉またはインスタントコーヒーを使って染色液を作ります。水1Lに対して、大さじ3杯程度のコーヒー粉またはインスタントコーヒーを入れて10分程度煮出します。

コーヒー粉を使う場合は、染める前にざるなどを使って粉を濾すか、あらかじめだしパックなどに粉を入れて煮出した後に取り出してから染めるようにします。染めたい製品を入れたら菜箸やトングなどでまんべんなく染まるように動かしながら、沸騰しないように注意して更に10分ほど煮ます。

3.色止め剤を入れる

染色液1Lに対して大さじ1杯程度の塩またはミョウバンを色止め剤として加え、更に20分ほど浸します。

4.すすいで乾燥させる

染まり具合を見ながら浸す時間を調節し、好みの色に仕上がったらすすぎ洗いをして絞り、干して乾かせば出来上がりです。

コーヒー染めのポイント

濃く染めたい場合は使うコーヒー粉の量を増やすか、浸す時間を長くするほか「染める、乾かす」の工程を複数回繰り返す方法もあります。

染める際は高い温度の方が染まりやすくなりますが、染める製品を入れてから煮る場合は焦げ付かないように注意しましょう。

コーヒー染めをもっと楽しく!試してみたいアレンジ方法

コーヒー染めをもっと楽しむためのアレンジ方法もいくつかご紹介しましょう。

絞り染め

染める前の布を輪ゴムやタコ糸などで縛ってから染めると、縛った部分が染まらずに模様のような濃淡が楽しめる「絞り染め」ができます。

絞り染めは規則的に縛る、折り込んで結ぶなど、アイデア次第で様々な模様に染め分けることができるうえ、色ムラも味として楽しめるためおすすめのアレンジ方法の1つです。

糊を使った染め分け

絞り染め以外に、染めたくない部分に糊を使って染め分けを行うこともできます。糊を使用する場合は、防染糊と呼ばれるコーヒー染めや草木染め専用の市販の糊を使いましょう。

色物を染めてみる

白い布だけでなく、既に染められた色物や柄物を染めてみるのもおすすめです。グリーンやピンクなどの淡い色で染められたものなら、コーヒーのブラウンが加わることで柔らかな風合いに仕上げられる場合があります。

仕上がりが心配な場合は、本番前にハギレなどで事前にテストしてみるとよいでしょう。

他のハンドクラフトと併せて自分だけの作品づくりを

コーヒー染めしたハギレや生地を使ってトートバッグや巾着を作ったり、シャツや靴下を染めて刺繍をあしらったりするのもよいでしょう。ビーズやレザークラフトなどと組み合わせて、世界に1つしかない自分だけの作品を作ってみるのもおすすめです。

どんな作品を作ろうかと考えながらゆったりとコーヒータイムをとることで、コーヒー染めを楽しむ時間が更に広がります。お気に入りのコーヒーを探すところからこだわってみるのもよいでしょう。

飲み終わったコーヒーの使い道をもっと知りたい方へ

飲み終わったコーヒーは、コーヒー染め以外にも活用方法があります。キーコーヒーでは、コーヒー教室講師監修の動画コンテンツを多数配信しています。飲み終わったコーヒーの使い道を含むさまざまな情報を発信していますので、気になる方はぜひご覧になってみてください。

▶ 飲み終わったコーヒーの再利用に関する動画

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自宅で簡単に試せるコーヒー染めにチャレンジしてみよう

コーヒー染めとは、コーヒーを使って布などの製品を染める草木染めの1つです。柔らかなブラウンの風合いが楽しめるうえ、飲み終わったコーヒーの使い道としても役立ち、コーヒーの香りに包まれながら自宅で手軽に染色が楽しめる点もコーヒー染めの魅力となっています。

絞り染めや重ね染め、ハンドクラフトとの組み合わせも楽しめるコーヒー染めにぜひチャレンジしてみましょう。