コーヒーの楽しみ方は千差万別で、苦みが好き、酸味が好きなど、人それぞれ自由に楽しめるのがコーヒーの良さでもあります。ただ、逆に苦みや酸味が強いのは苦手といった方もいらっしゃるでしょう。そうした方におすすめなのがバランス系コーヒーです。
本記事では、心地よい調和のとれたコーヒーがお好きな方に向けたバランス系コーヒーについてお伝えします。お気に入りのバランス系コーヒーを見つけ、自分なりの素敵なコーヒータイムを過ごすための参考にしてください。
Contents
調和のとれたバランス系コーヒーとは
調和のとれたバランス系コーヒーとは、酸味、苦み、コクの調和がとれたコーヒーを指します。ここでは、それぞれについて詳しく見てみましょう。
酸味とは?
酸味は「Acidity(アシディティ)」と呼ばれ、本来コーヒーに備わるべき好ましい味わいの1つです。酸味を強く感じられる代表的なコーヒーとしては次のものが挙げられます。
- ・アフリカ大陸のケニア、タンザニア産のキリマンジャロ
- ・南米産のコロンビア
- ・中米産のグァテマラ、メキシコなど
- ・焙煎深度が浅煎りのもの など
また、同じ酸味でも上述したものに比べ柔らかさを感じられる代表的なコーヒーとして挙げられるのが「エチオピア産のモカ」です。
酸味は焙煎初期に増加し、熱分解によって味わいが形成されていきます。また、最近では酸味の強弱以外に「明るさ」「綺麗さ」「華やかさ」「甘みを伴った」などとも表現されるようになり、多様な酸味が楽しまれるようになりました。
▶関連記事:『コーヒーの酸味を楽しむポイントは?おすすめの種類やいれ方のポイントなどを紹介』
苦みとは?
コーヒーの苦みは、生豆に含まれるカフェインや、焙煎によって形成される褐色色素などの成分によって形成され、焙煎の深さによって強さが伴うようになっています。苦みが強いコーヒーとして代表的なものとして挙げられるのは次のとおりです。
- ・東南アジア ベトナム、タイ、フィリピン、ラオスなど
- ・インドネシア産のスマトラ島、ジャワ島、バリ島など
焙煎は、深度が深くなる程、苦みも強くなりますが、焙煎機の構造や焙煎温度、焙煎時間により口当りや香りも変わります。コーヒー会社や自家焙煎店毎のオリジナルの味作りに欠かせない1つとなります。
さらに苦みは抽出条件により過剰に抽出される場合もあります。また、コーヒー液の温度が高い時は苦みを強く感じやすくなりますが、飲んだ後に甘く優しい余韻と共に感じられる苦みは、気持ちをリラックスさせてくれます。
▶関連記事:『コーヒーの苦みを楽しむには?おいしく飲むポイントやおすすめの方法を紹介!』
コクとは?
コーヒーのコクとは、Body(ボディ)とも呼ばれ、一般的に酸味や甘み、香味に優れた高地産コーヒーに備わっています。代表的なコーヒーは次のとおりです。
- ・アフリカ大陸のケニア、タンザニア産のキリマンジャロ
- ・南米産のコロンビア
コクを引き出すには焙煎はやや深煎り(ハイロースト)以上をお選びください。いれ方では、布ドリップやフレンチプレスがおすすめです。
おすすめの調和のとれたバランス系コーヒー
調和のとれたバランス系コーヒーに必要な3要素、「酸味」「苦み」「コク」のそれぞれの特徴を紹介しました。次は3要素のバランスがとれたコーヒーのなかでも人気のある4種類のコーヒーを紹介します。
ブラジル
ブラジルは、中南米ブラジルで産出されるコーヒー豆の総称です。世界最大のコーヒー生産国として有名です。
実際、国際コーヒー機関が2024年1月に発表した世界のコーヒー豆生産量ランキングによると、ブラジルの生産量は全体の約37%です。
ブラジルは、酸味と苦み、コクそして香りのバランスが良いことから、「スタンダード」と称されています。そのため、他のコーヒー豆のバランスを見る際の基準となるケースも少なくありません。
程よい酸味と苦みがあり、柔らかな甘みを伴った口当りは、収穫後のコーヒーチェリーをそのまま乾燥させてから果肉や内皮(パーチメント)を脱殻するナチュラル製法により生み出されます。
苦み、酸味の強いコーヒーが苦手な方におすすめのコーヒーです。
▶おすすめ商品:『ブラジル No.2 豆 200g』
ブルーマウンテン
ブルーマウンテンの産地はジャマイカの東側に位置し、ジャマイカの最高峰「ブルーマウンテンピーク」を含むブルーマウンテンエリアです。
ブルーマウンテンの歴史は古く、18世紀にイギリスからコーヒー苗が持ち込まれたことがきっかけとなっています。その後、栽培方法が広く伝授され、18世紀末には海外へ向け本格的な輸出も始まりました。
ブルーマウンテンの産地であるブルーマウンテンエリアは、昼夜の激しい寒暖差、険しい斜面による水はけの良さなど、高品質なコーヒー豆栽培に適した土地です。
18世紀から現在に至るまで、この限られた地域で栽培されたコーヒー豆のみを「ブルーマウンテン」と称しています。
ほどよい酸味と苦み、そして軽やかなコクがあり、「コーヒーの王様」とも呼ばれています。
▶関連記事:「ブルーマウンテンコーヒーとは?産地の歴史や特徴、おいしい飲み方を紹介」
▶おすすめ商品:『ブルーマウンテン No.1 豆 200g』
ブルーマウンテンブレンド
ブルーマウンテンブレンドは、ブルーマウンテンのコーヒーを30%以上使用したブレンドコーヒーのことです。ブルーマウンテンの風味を活かしながら、目指したい味わいをイメージし、別の産地のコーヒーと組み合わせています。キーコーヒーのブルーマウンテンブレンドは、ブルーマウンテンの持つバランスのとれた味わいと、軽やかなコクを活かした上品な味わいです。
▶おすすめ商品:『KEY DOORS+香り広がるブルーマウンテンブレンド粉 180g』
メーカーオリジナルのブレンドコーヒー
コーヒー会社名や店舗の名前を冠したブレンドは多くの一般の方がおいしく飲めることを第一に考えてブレンドしているため、調和のとれたバランス系コーヒーであることが多く、オリジナル系のブレンドは最初に買うコーヒーとして間違いない一品といえます。
特に原材料名(生豆生産国名)の最初に「ブラジル」と記載があれば、バランス系コーヒーの可能性が高いと考えてよいでしょう。
キーコーヒーでも、バランス系としてキーコーヒーのブランド「KEY DOORS+」を冠した「KEY DOORS+スペシャルブレンド粉」を販売しています。バランス系のコーヒーを飲んでみたい方はぜひ、お試しください。
調和のとれたバランスのよいブレンドコーヒーにおすすめのコーヒー豆
ここまでおすすめしてきたバランス系コーヒーに慣れてきたら、自分でお好みの配合をしたブレンドコーヒーをつくってみてはいかがでしょう。
ここでは、自分で調和のとれたバランス系コーヒーをつくるためのポイントを解説しますので、ぜひ、参考にしてください。
ベースとなるコーヒー豆の選び方
バランスのよいブレンドコーヒーをつくる上でもっとも重要なポイントは、ベースとなるコーヒー豆選びです。基本的にはバランスのよい癖の少ないコーヒー豆をおすすめしますが、ここでは例として2つのタイプを紹介します。
<すっきりとした口当りのよいブレンドをつくるには>
中南米産のグァテマラやメキシコをベースにすると、すっきりと口当りのよいブレンドになります。どちらも後味のよさが特徴です。
<酸味や甘みが豊かなブレンドをつくるには>
南米産のコロンビアをベースにするとしっかりとした酸味と重厚な風味が特徴となります。そこに中米産コーヒーやエチオピア産のモカをブレンドすると華やかな香りを伴った味わいが楽しめます。
焙煎のポイント
コーヒーは、焙煎により生豆に含まれる成分が化学変化を起こすため、焙煎次第でコーヒー豆特有の苦みや酸味、コクは大きく変わってきます。
バランス系のブレンドコーヒーをつくる場合、おすすめの焙煎方法は中煎りです。市販されているレギュラーコーヒーやホットコーヒーはほとんどが中煎りで、多くの日本人に好まれている味といえます。
同じブレンドの配合でもやや浅煎りにすると酸味が際立ち、やや深煎りにすると苦みが際立つため、バランス系であれば中煎りがおすすめです。
おすすめの配合
調和のとれたバランス系コーヒーの配合の一例
[中米産50%、ブラジル30%、コロンビア20%]
後味がすっきりとした軽やかな味わいを楽しめます
[コロンビア50%、ブラジル30%、中米産20%]
飲んだ後の余韻が長く楽しめる味わいになります
[エチオピア産モカ40%、ブラジル40%、中米産20%]
口当りの柔らかいモカのフレーバーを楽しめます
使用する豆のグレードやロットによっても味わいが異なる場合が多く、ご自身にあったブレンドを探してみるのもいいでしょう。
バランス系コーヒーのおすすめをご紹介
キーコーヒーでは、バランス系コーヒーも豊富に取り扱っています。おすすめは、ブルーマウンテンやKEY DOORS+のスペシャルブレンドなどの調和のとれた「バランス系ブレンドコーヒー」、ブラジルやモカブレンドなど「バランスよく飲みやすいコーヒー」です。バランスのよいコーヒーがお好みの方はぜひお試しください。
まず何を飲めばよいかわからない場合は調和のとれたバランス系コーヒーがおすすめ
コーヒーは、豆によってさまざまな特徴があり、何を選ぶかで酸味も苦みもコクも大きく異なります。そのため、最初に選んだコーヒーが自分に合わないとそれだけでコーヒーを嫌いになってしまう可能性も少なくありません。
さまざまなコーヒーを試している方であれば、問題はないものの、初めて本格的なコーヒーを飲む場合は、まず調和のとれたバランス系コーヒーがおすすめです。酸味や苦みが際立つこともなく、さわやかですっきりとした飲み口を楽しめます。