トルココーヒーとは?飲み方や歴史、魅力を解説

トルコで飲まれているトルココーヒーとは、どのような飲み物なのでしょうか。トルココーヒーの歴史やどんな味なのか、いれ方や食事との合わせ方なども気になるところです。

この記事では、トルココーヒーの特徴や歴史、味などに加え、基本のいれ方やトルコの食文化などについてわかりやすく解説しています。トルコの魅力や豆知識についてもご紹介していますので、トルココーヒーとトルコについて知りたい際の参考にしてください。

トルココーヒーとは

トルココーヒーとはどのようなコーヒーなのか、歴史や特徴について解説します。

トルコ独自のいれ方で作るコーヒー

トルココーヒーとは、トルコ産のコーヒー豆のことではなく、トルコ独自のいれ方で作るコーヒーのことをさします。トルココーヒーは、細かく挽いたコーヒーの粉と砂糖を加え、煮出してコーヒーを抽出します。

トルココーヒーに使うコーヒー粉は、深煎りのコーヒー豆を極細挽きにしたものが一般的です。極細挽きは、上白糖より少し細かいくらいが目安となります。

コーヒーの粉と一緒に、カルダモンやシナモンなどの香辛料を入れて楽しむことがあるのも、トルココーヒーの特徴の1つです。他には、クローブやペッパーなどのスパイスが使われることもあります。

トルココーヒーの歴史

トルココーヒーは、いつ頃から飲まれるようになったのでしょうか。

トルココーヒーはハンドドリップのコーヒーよりも歴史が長く、100年以上前から存在したといわれています。トルココーヒーが広く一般に楽しまれるようになったのは、およそ16世紀中期から末期頃のオスマン帝国時代からで、コーヒーを飲みながら会話を楽しむ現在のカフェの原型のようなスタイルも、この頃出来たものといわれています。

このような歴史あるトルココーヒーとその文化はユネスコ無形文化遺産にも登録されており、伝統的なコーヒーの1つとしても知られています。

トルココーヒーで占いができる?

トルココーヒーには、飲み物として以外に、もう1つ楽しみ方があります。トルコでは、コーヒーをいれた際にカップの底にコーヒーの粉が残るため、その形を使って占いをする文化があるのです。

トルココーヒーを使った占い方は

  • 1. トルココーヒーをカップに注ぎ、コーヒーを飲む
  • 2. 飲み終わったあと、カップをひっくり返してソーサーに置く
  • 3. カップの底からコーヒーの粉が下へ落ちた頃に再度ひっくり返し、カップにできた模様を見る

といった手順で占います。カップに広がったコーヒーの模様によって「小鳥のように見えたら吉報がある」「ダイヤモンドのように見えたらプロポーズが近い」など、さまざまな結果を見ることができます。

イスタンブールの市場で、古い時代からスパイスの効いたトルココーヒーでお喋りに興じつつ、時には占いを楽しんでいた人々に思いを馳せたくなります。

トルココーヒーはどんな味?

ハンドドリップとは違ういれ方で作るトルココーヒーは、どんな味がするのでしょうか。トルココーヒーの味や種類について解説します。

苦みが強く濃厚でコクがある

トルココーヒーは、深煎りのコーヒーを煮出して抽出するため、ビターで風味の強いエキゾチックな味わいが特徴です。濃厚でビターな味わいは「エスプレッソの原型」と呼ばれることも。スパイスとの相性も良く、コクが魅力のコーヒーでもあります。

本場トルコで飲めるコーヒーの種類

トルココーヒーはミルクを入れず、砂糖だけで飲むのがスタンダードな飲み方です。とはいえ、カフェ文化のあるトルコではコーヒーのメニューも豊富で、ミルク(トルコ語はストゥル)を入れたものやカフェインレス、ドリップコーヒーなどを注文することもできます。

トルコへ行く機会があれば、まずはトルココーヒーを楽しんでみて、後は自分の好みに応じて好きなコーヒーを選ぶのがおすすめです。

トルココーヒーのいれ方

トルココーヒーの基本のいれ方や、使用する道具などについてご紹介します。

トルココーヒーに使う道具

トルココーヒーをいれる際の道具としては、イブリックやジャズベと呼ばれる柄の長いひしゃく型の器具が有名です。イブリックやジャズべを使い、コーヒーを煮出して抽出するのが基本のいれ方となります。

トルココーヒーをいれる専用のカップも、通常のコーヒーカップより少し小さい形をしていますが、専用のカップでなくても問題ありません。自宅でトルココーヒーをいれる場合、イブリックやジャズべの代わりに小さな鍋でも代用が可能です。

トルココーヒーの基本のいれ方

トルココーヒーの基本のいれ方は以下の通りです。

  • 1. イブリックにコーヒーの粉を入れます。ご家庭にある小さな鍋でも代用可能です。
  • 2. お好みで砂糖を入れます。トルコでは砂糖を入れて甘くして飲むのが一般的です。
  • 3. そのあと、水を入れ、スプーンなどでかきまぜながら弱火で煮立たせます。
  • 沸騰したらコンロからイブリックをおろし、軽くかきまぜ沸騰が落ち着いたら再び火にかけ、こちらを2、3回くり返します
  • 4. 泡が消えないようにデミタスカップに煮出したコーヒーをゆっくりと注ぎ、できあがりです。

トルココーヒーをおいしくいれるポイントとして、コーヒーの表面に浮かぶ泡を確認しましょう。泡が細かな泡で覆われていたら、上手にいれられたしるしです。

出来上がったトルココーヒーを飲む際は、コーヒーの粉がカップの底に沈むのを少し待ち、上澄みだけを飲むようにします。底に沈んだコーヒーの粉は飲まずに残すようにしてください。

イブリックの代わりに小ぶりの鍋で代用することができますが、鉄製鍋は風味に影響が出る可能性があるため、鉄製以外の鍋を使うことをおすすめします。

コーヒーと楽しみたい!トルコの食文化

コーヒーと一緒に楽しみたいトルコの食文化について解説します。

世界三大料理と呼ばれるトルコ料理

トルコ料理と聞くと、日本ではあまり馴染みがないかもしれませんが、実は「フランス料理」「中華料理」と並び世界三大料理に数えられる料理でもあります。

トルコ料理の中でも代表的なものについて、以下にピックアップしてみました。トルコ料理と聞いて思いつくものがなくても、メニューの名前を聞けば知っているものがあるかもしれません。

<ケバブ>

ケバブとは、肉や魚、野菜にスパイスなどで下味を付けて焼いた料理です。ケバブの中でも焼き方によって違いがあり、薄い肉を重ねて回転させながら焼く「ドネルケバブ」や、串に刺して焼く「シシケバブ」などがあります。

<ピラウ>

生のお米をさまざまな具材と共に炒めた後、スープで炊いた料理です。「ピラフ」の語源となった料理ともいわれています。お米が主食の日本とは異なり、トルコでピラウは付け合わせのおかずの1つとして食べられるのが一般的です。

<フムス>

フムスは、トルコや中東地域で主に食べられている豆料理です。煮て柔らかくしたひよこ豆をマッシュして、塩やにんにく、練りゴマ、オリーブオイルなどを加えて混ぜ、ピタと呼ばれる薄いパンに塗って食べます。

上記で挙げたものは、いずれのメニューも日本人の口に合うものばかりです。コーヒーとの相性がよいので、ドリップコーヒーやトルココーヒーと一緒に試してみましょう。

エキゾチックなトルコスイーツの魅力

トルコ料理は肉や豆料理だけでなく、魅力的なスイーツがあるのも特徴の1つです。代表的なトルコのスイーツには、以下のようなものが挙げられます。

<ロクム(ターキッシュデライト)>

英語でTurkish Delight(トルコの喜び)と呼ばれるロクムは、コーンスターチやでんぷんにくるみやピスタチオ、レモン汁やシロップなどを入れて作る、お餅のような食感のスイーツです。

ナッツフレーバーのほか、ローズウォーターやドライフルーツを練り込んだものなど、さまざまな種類があるのも特徴です。

<バクラヴァ>

バクラヴァは、レストランやパン屋などで買うことのできるトルコの代表的なお菓子の1つです。薄いパイ生地の中にペースト状にしたナッツを挟み、たっぷりの甘いシロップに浸した濃厚な味わいで、一度食べたらやみつきになることも多いのだとか。コーヒーにもよく合うおすすめのトルコスイーツです。

トルコに関する豆知識

トルココーヒーやトルコ料理がより楽しめる、知っているようで知らないトルコの豆知識についてご紹介します。

トルコが親日国といわれる理由

トルコは日本に好意的な親日国の1つとしても知られています。トルコが親日となった理由には「エルトゥールル号」と呼ばれる船が関係しています。

エルトゥールル号とはオスマン帝国時代の軍艦で、1890年にトルコの特使団を乗せて運航していたところ、日本近海で沈没してしまいました。この海難事故では多くのトルコ人が亡くなりましたが、日本が必死の救助を行った結果69名のトルコ人が救出され、トルコへ生還できたそうです。トルコが親日国になったのには、この事件が大きなきっかけとなったといわれています。

トルコの見どころ

ヨーロッパと中東の文化が融合したエキゾチックな国であるトルコは、観光地としても人気があります。イスラム教徒の多いトルコでは美しいブルーモスクや、オスマン帝国時代のトプカプ宮殿など、異国情緒と歴史を感じさせる建造物が見どころの1つとなっています。

気球ツアーで有名なカッパドキアや、イスタンブールのグランバザールなど、アクティビティやショッピングも楽しめます。

上記のような豆知識でトルコの知識が深まれば、トルココーヒーがより楽しめるでしょう。

トルココーヒーにおすすめのコーヒー

トルココーヒーにおすすめのコーヒーとしては、深煎りのものやスパイシーな香味が特徴のものが挙げられます。

キーコーヒーのオンラインショップでは、スパイシーな香味が特徴的なスマトラ島トバ湖周辺で収穫された最高等級のマンデリンや、凍る直前の温度で熟成させ、ダークチョコレートを思わせる香ばしい苦みが特徴の氷温熟成®珈琲フレンチローストなど、トルココーヒーにおすすめの上質なコーヒー豆をラインアップしています。コーヒー豆選びで迷った際は、お気軽にオンラインショップをご利用ください。

◇ マンデリン G1 レイクトバ 豆 200gはこちら

◇ 氷温熟成®珈琲 フレンチロースト 豆200gはこちら

また、キーコーヒーの公式インスタグラムでは、トルコ式コーヒーのレシピをアーカイブで見ることができます。自宅で作る際の参考にぜひご覧ください。

◇ インスタライブのアーカイブはこちら

トルココーヒーでエキゾチックなコーヒータイムを楽しんでみよう

トルココーヒーは、ビターな苦みとスパイシーな香りが特徴的なトルコ独自のいれ方で作るコーヒーです。トルコ料理やスイーツとの相性も良く、小さな鍋があれば自宅でトルコ式コーヒーをいれることも可能です。トルココーヒーにぴったりの上質なコーヒー豆を手に入れたら、トルコの歴史や文化に思いを馳せつつ、エキゾチックなコーヒータイムを楽しんでみましょう。