カフェでドリンクを注文する際に「カプチーノ」と聞いて、はっきりとどんな飲み物かイメージできる方は、意外と少ないのではないでしょうか。カフェラテやマキアート、カフェオレとの違いなども知っておきたいところです。
ここでは、カプチーノの概要やカフェラテ、マキアートとの違いに加え、カプチーノの豆知識についてわかりやすく解説しています。カプチーノの基本的な作り方やおいしい飲み方などもわかる内容となっています。
Contents
カプチーノとは
はじめに、カプチーノの概要について見ていきましょう。
イタリア生まれのミルクを入れたコーヒー
カプチーノとは、エスプレッソにフォームドミルクと呼ばれる泡立てたミルクを加えた飲み物です。お店によっては、スチームドミルクと呼ばれる、蒸気で温めたミルクとフォームドミルクの両方を加えて作る場合もあるようです。
名前の由来は「修道士の頭巾」
カプチーノ(cappuccio)はイタリア語で「頭巾」という意味を持っています。その昔、カトリック教会の中でカプチン会と称する一派があり、その修道士が被っていた頭巾とカプチーノのミルクの形が似ていたから、またはカプチーノのブラウンが修道士の制服に似ていたからなど諸説あるようですが、修道士の頭巾がカプチーノの名前の由来となっているようです。
カプチーノとカフェラテ、マキアートには共通点がある
カプチーノ以外に、カフェラテやマキアートといった名称を耳にする事があります。これらはすべてイタリア発祥の飲み物で、これら3つに共通することとしては、エスプレッソコーヒーにミルクを加えて作る、という点です。それぞれ呼び方が違うのは、エスプレッソとミルクの配分や加えるものが微妙に異なるためです。
それぞれのエスプレッソとミルクの配分は
[カプチーノ] ミルクとエスプレッソコーヒー7:3
[カフェラテ] ミルクとエスプレッソコーヒー8:2
[マキアート] ミルクとエスプレッソコーヒー1:3
となります。
カプチーノとカフェオレの違い
ミルクとコーヒーを使った代表的な飲み物にカフェオレがありますが、カプチーノがイタリア発祥であるのに対し、カフェオレはフランス発祥のミルク入りコーヒーです。それだけでなく、カプチーノとカフェオレには、それぞれ以下のような違いがあります。
[コーヒー] カプチーノはエスプレッソ、カフェオレはドリップコーヒーがベース
[ミルク] カプチーノはフォームドミルク、カフェオレは温めたミルク
[ミルクとコーヒーの配分] カプチーノは7:3、カフェオレは1:1
カフェオレがミルクとコーヒーを同量注いで作るのに対し、カプチーノはミルクとエスプレッソコーヒーを7:3の割合で作るため、カフェオレよりもミルク感を感じる味わいとなります。
また、カプチーノは泡立てたミルクを加えるため、ミルクのふんわりとした泡の舌触りが楽しめます。
カプチーノの基本的な作り方とおいしく作るポイント
カプチーノの概要がわかったところで、カプチーノの基本的な作り方とおいしく作るポイントについても解説します。
カプチーノの作り方
カプチーノの作り方はお店によっても異なりますが、ここではフォームドミルクとエスプレッソコーヒーが7:3の割合となる作り方をご紹介します。なお、エスプレッソコーヒーの抽出にはエスプレッソマシンが必須となります。
用意するもの
- エスプレッソコーヒー30ml
- ミルク70ml
作り方
- 1.エスプレッソコーヒーを抽出する
- 2.ミルクを泡立てる
- 3.泡立てたミルクをエスプレッソコーヒーへ加えて出来上がり
カプチーノをおいしく作るポイント
カプチーノで使うフォームドミルクは、泡が厚くなるようにするのがポイントです。エスプレッソコーヒーへ注いだフォームドミルクは泡が厚く(1cm程度)なります。
砂糖は入れずに、ミルクの甘みとエスプレッソコーヒーの苦みを楽しむのが基本の飲み方ですが、お好みで砂糖を入れても構いません。基本の作り方に慣れてきたら、フォームドミルクを多くするなど、自分だけのアレンジに挑戦してみるのもおすすめです。
カプチーノのおいしい飲み方
カプチーノのおいしい飲み方やアレンジ方法について、以下にいくつかピックアップしてご紹介します。
シナモンを加える
カプチーノにシナモンを加える飲み方は、本場イタリアでも好まれているポピュラーな飲み方です。日本では仕上げにシナモンパウダーを振った状態で提供されることが多いですが、本格的なお店やイタリアでは、シナモンスティックを添えて出されることが多いようです。
シナモンスティックが添えられたカプチーノを飲む際は、シナモンスティックでカプチーノをゆっくりとかき混ぜ、シナモンの香りを移して飲みます。
自宅でカプチーノを楽しむなら、シナモン以外のスパイスを試してみるのもおすすめです。カルダモンやクローブなど、甘い香りのスパイスと相性が良いので、好きなスパイスを試してみてはいかがでしょうか。
シロップやココアパウダーを使ったアレンジ
カプチーノは砂糖なしで楽しむのが基本の飲み方ですが、シロップなどの甘みを足す飲み方もあります。また、ココアパウダーを加える「カプチーノ・コン・カカオ」という飲み方もあります。「カプチーノ・コン・カカオ」に使うココアパウダーは、砂糖の入っていないタイプを使用するのが特徴です。カカオの香りや苦みでカプチーノよりも大人な味わいが楽しめます。
甘党の方は、カプチーノにキャラメルシロップを加えた「キャラメル・カプチーノ」がおすすめ。ミルクとエスプレッソコーヒーのハーモニーにキャラメルが加わり、甘くコク深い味わいになります。
カプチーノにヘーゼルナッツシロップを加えた「ヘーゼルナッツ・カプチーノ」も、一度は試したい飲み方です。ヘーゼルナッツの香ばしさとシロップの濃厚な甘みが、癖になります。 特徴のヘーゼルナッツシロップは、コ―ヒーやカクテルやなど、カプチーノ以外にも使えるため、1本常備しておいてもよいでしょう。
カプチーノで作るラテアート
フォームドミルクを加えて作るカプチーノは、ラテアートを楽しむことも可能です。アートを施したカプチーノは「デザインカプチーノ」とも呼ばれます。カフェラテよりも泡が多いため、デザインする際にはコツを掴む必要がありますが、ラテアートの技法でデザインカプチーノを作ることができます。
ラテアートの技法には大きく分けて「フリーポア」と「エッチング」の2種類があります。それぞれの技法でラテアートを作る方法は以下の通りです。
フリーポア:”Free Pour(自由に注ぐ)”という意味のフリーポアは、その名の通り、エスプレッソコーヒーにミルクを注ぐ際の対流でアートを描く方法です。リーフ柄やハート柄などが代表的なアートで、コツを掴めば初心者でも楽しめる技法の1つです。
エッチング:”Etching(銅板などに細かな傷をつけて絵を描く技法)”という意味のエッチング。ラテアートの際には、ミルクの上からピックなどを使い、ミルクの泡に画を描きます。フリーポアよりも高度な技術が必要とされますが、イラストが得意な人なら、比較的マスターしやすい技法でもあります。
フリーポアやエッチング以外にも、泡立てたミルクを盛り上げて作る3Dアートや、食紅などを使ってカラフルなアートを描く「フルカラー・ラテアート」といった技法もあります。
牛乳以外で作る
カプチーノに使うフォームドミルクには、牛乳を使用するのが一般的ですが、ミルク以外で作る方法もポピュラーです。ミルクを豆乳に替えたり、スキムミルクを使用します。
豆乳やスキムミルクが持つミルクとは違った味わいを楽しむだけでなく、低カロリーでヘルシーな点からも、牛乳以外のミルクで作るカプチーノはおすすめです。
アーモンドミルクやオーツミルクなど、さまざまなミルクでカプチーノを作ってみるのも楽しいかもしれません。
カプチーノをおいしく飲む際のポイント
イタリアでは、カプチーノは朝に飲むのが一般的で、ビスコッティやブリオッシュ、フルーツなどと一緒に朝食代わりに飲まれることが多いようです。フランスで食べられているクロワッサンとカフェオレの朝食と、少し似ているようです。
エスプレッソコーヒーやラテアートについてもっと知りたい方はこちら
カプチーノ以外にも、ラテアートやカフェラテなど、エスプレッソコーヒーを使った飲み物についての基本を知りたい方は、以下のページを参考にしてみてください。
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基本を押さえておいしいカプチーノを楽しもう
カプチーノとは、イタリア発祥のフォームドミルクとエスプレッソコーヒーで作る飲み物のことです。カフェラテやマキアートとはフォームドミルクとエスプレッソコーヒーの配分が微妙に異なりますが(※カフェラテは、温めただけのミルクを使う場合もあります。)、エスプレッソコーヒーにフォームドミルクを注いで作る点は共通しています。シンプルにフォームドミルクとコーヒーだけでカプチーノを味わうもよし、シロップやスパイスを足したり、ラテアートやデザインカプチーノにチャレンジするもよし。基本の作り方とアレンジを押さえて、おいしいカプチーノを楽しんでみましょう。