コーヒー豆は適切な方法で保存しないと、味や香りが劣化してしまいます。では、せっかく購入したコーヒー豆をおいしく楽しむにはどうすればよいかご存知でしょうか。
本記事では、味や香りの劣化を抑えるための保存方法や容器についてお伝えします。コーヒー豆を購入したものの、適切な保存方法がわからない、おいしい状態の良いコーヒーを長く楽しみたいといった方は、ぜひ参考にしてください。
Contents
コーヒー豆を保存する方法
まずはコーヒー豆を適切に保存するために知っておきたい『保存容器』について解説します。
コーヒー豆保存容器の種類
一般的なコーヒー豆の保存容器の種類は、キャニスター(瓶型・缶型)と保存袋(アルミ・フリーザー)です。ここではそれぞれの特徴やメリット・デメリットについて解説します。
- <キャニスター(瓶型)>
キャニスターとはフタ付きの保存容器を指すものです。
キャニスターのなかでも、瓶型は透明なので、中に入ったコーヒー豆の状態を見ることが出来ます。
ただし、遮光性がないので、中に入ったコーヒー豆に紫外線や電灯の光にさらされてしまい、劣化につながります。
- <キャニスター(缶型)>
キャニスターのもう1つのタイプは缶型です。瓶型に比べデザインの自由度が高く、インテリアとしても人気があります。
遮光性が高いため、日光や電灯の光の影響を受けにくいのがメリットです。
ただし、コーヒー豆は多孔質なため、周囲の匂いを吸収してしまう特徴があり、缶容器が持つ金属特有の匂いが移ってしまう場合があります。
- <保存袋(アルミバッグ)>
保存袋は、キャニスターに比べてかさばらず、置き場所に困らないのがメリットです。また、密閉性に優れている上、酸素を抜いて真空に近い状態での保存も可能なため、酸化のリスクが低いのも大きなメリットといえるでしょう。しかし、ジッパーなどがついていないものだと酸素を通してしまうため、開封後の保存には適さないでしょう。
さらに保存袋のなかでも、アルミは密閉性と遮光性が高い点で非常に優れています。
真空状態にできるタイプを選択すれば、コーヒー豆の保存容器としてはもっともおすすめだといえます。
- <保存袋(フリーザーバッグ)>
フリーザーバッグは真空状態にできるものが多く、キャニスターに比べると高い密封性があります。また、そのまま冷凍保存できるのは他にはない大きなメリットです。
コーヒー豆の保存容器で重視すべき3つのポイント
コーヒー豆の保存容器で重視すべきポイントは、「密閉性」「遮光性」「温度変化」の3点です。ここでは、それぞれの観点からおすすめの保存容器を見てみましょう。
- 1. 密閉性
コーヒー豆は湿気を吸うと劣化が早まります。また、酸素に触れると酸化が早まるため、コーヒー豆の味や香りを維持するにはできるだけ湿気や酸素を避けられる容器が必要です。そのため、密閉性を高めることはコーヒー豆の保存容器としては外せないポイントといえます。
- 2. 遮光性
湿気や酸素以外に紫外線や直射日光、蛍光灯の光などもコーヒー豆の大敵です。また、電灯の光でもコーヒー豆の劣化は進みます。コーヒー豆には脂質が多く含まれていますが、脂質は紫外線や光が当たると化学反応を起こし、劣化を早めてしまうのです。
少しでも劣化を遅くするには、遮光性のある容器に保存する必要があります。ガラス瓶やプラスチック製の容器は避けた方がよいでしょう。また、フリーザーバッグも冷凍保存できる点ではおすすめなものの、遮光性の面では注意が必要です。
- 3. 温度変化
コーヒー豆は温度変化にも弱いため、できるだけ一定の温度を保てる容器が保存に向いています。銅や鉄といった金属は外気温を伝えやすい素材のため、保存場所も意識する必要があります。
アルミバックは外気の温度が伝わりにくいですが、やはり高温多湿の場所での保存を避ける必要はあります。
コーヒー豆のおすすめの保存方法・保存期間は?
レギュラーコーヒーは、温度、湿度、空気、直射日光、の影響により風味を損なうため、密閉容器に入れ、冷暗所で温度差がない状態で保管をするのがおすすめです。
保存期間は豆の状態であれば約1カ月、粉に挽いた状態であれば約2週間が目安となります。
この違いは、粉にすることで表面積が増え酸素にふれる面が多くなり、酸化しやすくなることによるものです。
この期間内で飲み切れない場合には、温度や酸素にふれない状態を保てる冷凍保存をする方法もあります。
以下、長期保存をする場合に冷凍保存がおすすめな理由をみていきます。
コーヒー豆を長期保存する場合に冷凍保存がおすすめな理由
冷凍保存をおすすめするのはなぜなのでしょう。
それは、常温で保存するのに比べ、保温性が高いのはもちろん、真空状態で密閉すれば、常温の場所以上に化学変化が起こりにくくなり劣化のスピードが緩やかになるからです。
実際、同じ状態のコーヒー豆を紙袋で常温、キャニスター(缶型)で直射日光の当たらない湿度の低い部屋で常温、フリーザーバッグで冷凍の3つの方法で保存実験をした結果があります。
1週間・2週間・4週間の3つの期間でコーヒーをいれたところ、冷凍保存したコーヒー豆は「膨らみ」「苦み」「フレーバー」のすべての面で4週間目でも変わらぬ高い結果を残しました。
この結果からも長期間に渡っておいしい状態を維持するには冷凍保存がもっとも適しているといえます。
▶関連記事:『コーヒー豆はどう保存すればいい?おすすめの方法やポイントをご紹介』
コーヒー豆を冷凍保存する際の注意点4つ
コーヒー豆は冷凍保存がおすすめだとしましたが、やり方によっては早い時期に劣化するケースも少なくありません。そこで、ここでは、コーヒー豆をできるだけ劣化させずに冷凍保存するための注意点を4つ紹介します。
匂いがコーヒー豆に移らないようにする
コーヒー豆は多孔質なため、周囲の匂いを吸収しやすい特徴があります。そのため、匂いの強い食材を冷凍庫に入れる場合は、庫内の匂いがうつらないよう、密閉された容器や袋にて保存しましょう。
冷凍のままでコーヒーを抽出しない
冷凍保存したコーヒー豆でコーヒーをいれる場合、冷凍したままでいれるのは避けてください。コーヒーが上手く抽出されないリスクがある上、蒸らしの温度が変わってしまうため、できあがったコーヒーの味にまで影響が出る可能性が高まります。
冷凍保存したコーヒーを飲む際には、保存した容器のままコーヒーを常温に戻すよう注意しましょう。
解凍時には結露ができないように気をつける
冷凍保存したコーヒーを解凍する際、結露ができてしまうと品質が低下するリスクがあります。いきなり常温の場所において解凍するのではなく、冷蔵庫で時間をかけてゆっくりと解凍しましょう。
挽いてからではなく豆の状態で冷凍する
コーヒーは豆の状態の方が保存期間は長くなり、劣化の速度も抑えられます。そのため、冷凍保存する際は、挽いた後ではなく豆の状態のままがおすすめです。
もしコーヒー豆ではなく、粉の状態のコーヒーを購入した場合は、冷凍保存をしても約1カ月も味と香りを維持できない場合もあります。できるだけ早めに飲み切ってしまうようにしてください。
コーヒー豆をおいしく保存するための容器や器具のご紹介
おいしいコーヒーを飲むには、コーヒー豆にこだわることももちろん大切です。しかし、今回紹介したように、保存するための容器にもこだわることで、おいしいコーヒーをさらに長く楽しめるようになります。
キーコーヒーでは、コーヒー豆を保存する容器のほか、コーヒーフィルターや手挽きのコーヒーミル、銅製のメジャーカップなど、さまざまな器具も用意しています。おいしいコーヒーを楽しみたい方はぜひ、ご覧になってみてください。
▶キーコーヒー公式オンラインショップ:「その他の抽出器具」
コーヒー豆の保存には「密閉性」「遮光性」「温度変化」が重要なポイント
おいしいコーヒーを楽しむには、さまざまな要素が求められます。コーヒー豆の品質や挽き方、焙煎などももちろん重要です。しかし、それと同じぐらい重要な要素といえるのが、今回紹介した保存容器と保存方法です。
どれだけ高品質のコーヒー豆だとしても、保存方法が悪く劣化してしまえば、おいしいコーヒーは楽しめません。飲みたいと思ったときに最適な状態のコーヒー豆を用意できてこそ、おいしいコーヒーを楽しめるのです。
レギュラーコーヒーは、温度、湿度、空気、直射日光、の影響により風味を損なうため、密閉容器に入れ、冷暗所で温度差がない状態で保管をすることがおすすめです。豆の状態であれば約1カ月、粉に挽いた状態であれば約2週間が保管期間の目安となります。
この期間内より長期で保存したい場合には、しっかりと密閉、遮光した状態で冷凍保存をすれば劣化を抑えることができますが、冷凍保存したコーヒーを飲む際には保存した容器のままコーヒーを常温に戻すよう注意しましょう。温度変化による結露が発生する場合がありますので、コーヒー豆が湿度の影響を受けないよう注意する必要があります。
適切な方法で保存し、おいしいコーヒーを楽しみましょう。