監修 | キーコーヒー コーヒー教室 シニアインストラクター |
金井 育子(かない いくこ) |
美味しいドリップコーヒーをいれてみたい。今までよりも少しこだわっていれたい。そんな方のために今回はプロ直伝のペーパードリップコーヒーのいれ方を解説します。またいれ方だけでなく、必要な器具やコツもご紹介。プロのアドバイスを参考に、ぜひ本格的なドリップコーヒーに挑戦してみてください。
2018.09.10
監修 | キーコーヒー コーヒー教室 シニアインストラクター |
金井 育子(かない いくこ) |
美味しいドリップコーヒーをいれてみたい。今までよりも少しこだわっていれたい。そんな方のために今回はプロ直伝のペーパードリップコーヒーのいれ方を解説します。またいれ方だけでなく、必要な器具やコツもご紹介。プロのアドバイスを参考に、ぜひ本格的なドリップコーヒーに挑戦してみてください。
用意器具リスト |
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ドリッパー、サーバー |
ペーパーフィルター |
ケトル |
コーヒー粉 |
軽量スプーン |
タイマー |
コーヒーカップ |
ペーパードリップの手順一覧 |
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Step.1 器具を温める |
Step.2 カップを温める |
Step.3 ドリッパーにペーパーフィルターをセットする |
Step.4 コーヒー粉を量り、ドリッパーに入れる |
Step.5 1回目のお湯を注ぐ |
Step.6 蒸らす |
Step.7 2回目のお湯を注ぐ |
Step.8 3回目のお湯を注ぐ |
Step.9 カップに注いでできあがり |
アイスコーヒーにしたい場合は、アイスコーヒー用のコーヒー豆・粉(深煎り・極深煎り)を準備します。お湯の注ぎ方はホットコーヒーの場合とほとんど一緒ですが、しっかりとした味を出すためによりゆっくりとこの動作をするのが大切です。
またいれた後に、たっぷりの氷で急冷を行います。急冷は香りを封じ込め、透明度のあるコーヒーを楽しむために重要な手順になるので素早く行う必要があります。 アイスコーヒーの美味しいいれ方について詳しくはこちらさらに美味しくドリップコーヒーを抽出するために、コツをご紹介します。より本格的な味にするこだわりポイントは5つ。詳しくみていきましょう。
コーヒーの抽出は2分30秒~3分で行うとバランスの取れた味わいを出すことができると言われています。
抽出を早くやりすぎてしまうと、酸味の成分だけが溶け出してしまいます。また、抽出後、温度が高いうちは香り立ちも良いですが、温度が下がってくるとコーヒーの味が感じられなくなります。これは「抽出不足」と言い、なんだか物足りない、コーヒー感の弱い味わいになってしまいます。 また、時間をかけすぎてしまった場合、好ましくない苦みが出てしまい、口当りが悪くなってしまいます。このように苦みが強いと感じる時には3分を過ぎてしまったことや、他にもお湯を注ぐタイミングが合わなかったことなどの要因が考えられます。お湯は約90℃~95℃前後が適温と言われています。この温度を守ることで、酸味、苦み、香りがバランス良く溶け出します。温度を見分けるポイントとしては、お湯が沸騰したのを確認したら、火元を一番弱くすること。湯の表面のボコボコと踊るのが落ち着くこと。この方法だと温度計がなくても判断がしやすいです。
ケトルやポットの注ぎ口からお湯が飛び跳ねてしまうのは97℃を超えているので、コーヒーを抽出する際にもイヤな雑味が非常に溶け出してしまいます。 また、温度が低く過ぎると香りが弱く、物足らない風味になってしまうので気を付けましょう。水には軟水と硬水という種類があります。水単体で飲んでも味に違いが見られるので、どちらの水でコーヒーを抽出するかによっても風味が変わります。
日本で飲まれている水は弱軟水です。日常生活でも使われていて、飲みなれているという点でも日本でコーヒーをいれるなら軟水を使用するのが適しています。水分中の成分も少なく、コーヒーの成分が溶け出しやすいというメリットもあります。コーヒーそのものの味わいを楽しむことができます。 硬水にはミネラルやマグネシウムなどの成分が多く含まれているため、口当りとしては少々癖のある独特な味に感じられます。軟水とは違い様々な成分を含んだ硬水はコーヒーの味が溶け出しにくく、特に中煎りや普通煎りのコーヒーはしっかりとした味わいを感じられません。また、浅煎りのコーヒーだとほとんど味がわからないコーヒーになってしまいます。理由は、コーヒー抽出時にミネラルやマグネシウムがコーヒーの通り道を塞いでしまうためです。 硬水でコーヒーをいれたい場合には、深煎り豆を選ぶと比較的コーヒーの味わいが出ます。 硬水を使用する場合、お湯を沸かした後はポットに水垢や湯垢が付きやすいので注意が必要です。実はコーヒーをいれる際には、水道水を使用するのが一番理想です。日本の水は弱軟水のため、舌馴染みも良く、コーヒーの成分も溶け出しやすいので香りを楽しむ飲み物ととても相性がいいです。 ですが、塩素が強い時期や水道管の劣化でサビ等の影響がある場合には、活性炭の入ったろ過装置を取り付けるとコーヒーの風味が一層楽しめますのでおすすめです。
フィルターには上記のように主に3つ種類があります。それぞれのフィルターを使い分けていくだけでもコーヒーの風味は変化します。それぞれのフィルターの特徴を詳しくみていきましょう。
白いフィルターは酸素漂白が施されていて、茶色いフィルターは無漂白ものになります。どちらもコーヒー専用フィルターとして、処理されていますので、紙臭さ等はありません。お好みで選んでください。
ペーパーフィルターはにおいを吸収しやすく、湿気にも弱いので、保存する際にはチャック付きの袋や未使用のタッパー、陶器の入れ物に入れて保管することおすすめします。 ペーパーフィルターは使用するドリッパーの形状に合わせて使用します。今回はドリップコーヒーをいれる際、円すい型のものを使ったので、フィルターも円すい型のものを使用しました。 ドリッパーには台形型のものもあります。また、フィルターには文字での表記ではなくドリッパーの形が記載してあることもあるので、フィルター購入時には良く確認しましょう。金属製のフィルターは、ペーパードリップに比べて目が粗いため、「コーヒーオイル(油分)」が抽出されます。
金属製のフィルターは、紙製のフィルターのように、油分が紙に吸収されないため、コーヒーの油分を楽しむことができます。また、ペーパーフィルターに比べて目が粗いので、微粉が一緒にドリップされます。風味としては、フレンチプレスを使ったコーヒー抽出法に似ています。 フレンチプレスとは?いれ方についてはこちら布でのドリップ(ネルドリップ)はコーヒー抽出時に弾力のある布を使用することで、お湯を注いだ時にもコーヒー粉がうまく分散し、ストレスをかけずにいれられます。そのため、抽出効率が良く、丸みのある味わいになります。
ネルドリップとは?いれ方についてはこちらドリッパー | 抽出にかかる時間 | 特徴 |
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円すい型 | 2分30秒~3分 | ・スッキリとした味わい ・初心者の方でも比較的理想の味わいを出せる |
台形型 | 3分 | ・しっかりとした飲みごたえのある味わい ・お湯のコントロールが難しい |
ドリッパーは大きく分けると円すい型と台形型の2種類に分かれます。使用する器具が変われば、お湯の注ぎ方にも違いが生まれるので、一概にどちらを選べば美味しいコーヒーをいれられるとは言えません。
もしも、好みの味わいが決まっているならば、ドリッパーを選ぶ際のヒントにはなります。例えば、スッキリとした味わいを楽しみたいなら円すい型のドリッパーを、しっかりと飲み応えのあるコーヒーがお好みなら台形型のドリッパーがおすすめです。それぞれ詳しくみていきましょう。今回は一般的なペーパードリップを紹介しましたが、まだまだ抽出法には多くの種類があります。上記の表は主な抽出法をまとめたものです。
抽出法を変えれば気分も変わるもの。またドリップはコーヒーの味だけでなく、再現性にも深く関わります。今回のペーパードリップをしてみたら、また別のドリップにも挑戦してみてください。ドリップコーヒーは、コーヒーと器具を揃えれば、どなたでもいれることができます。ドリップする際にはお湯の注ぎ方やタイミング、コーヒー粉の泡の出方などを観察することが大切です。それから、実際に自分で飲んでみて、いれ方を振り返ってみる。すると次にはコーヒーをいれるレベルが上がっているはずです。
ドリップコーヒーは、コーヒー豆、ドリッパー、フィルター、注ぎ方等をお好みで組み合わせることによって、あなただけのコーヒーができあがります。試行錯誤することで、コーヒーを「いれる」プロセスも楽しめるはずです。ぜひ、貴方だけの最高の1杯をドリップコーヒーでいれてみてください。ドリップコーヒーは、コーヒーと器具を揃えれば、どなたでもいれることができます。お湯の注ぎ方やタイミング、コーヒー粉の泡の出方など観察をすることが大切です。それから、実際に自分で飲んでみていれ方を振り返ってみる。次にコーヒーをいれる際にはまたレベルが上がっているはずです。 ドリップコーヒーは、コーヒー豆、ドリッパー、フィルター、注ぎ方等をお好みで組み合わせることによって、あなただけのコーヒーができあがります。試行錯誤することで、コーヒーを「いれる」プロセスも楽しめるはずです。ぜひ、貴方だけの最高の1杯をドリップコーヒーでいれてみてください。
記事監修
金井 育子(かない いくこ)