甘みを感じるブラックコーヒーはある?おすすめの種類やいれ方を紹介!

ブラックでも甘みを感じるコーヒーはあるのでしょうか。甘みを感じやすいコーヒーの選び方やいれ方についてご紹介します。

甘みを感じるコーヒーとは

コーヒーを飲んだ時に感じる「甘み」とは、コーヒー自体に含まれる自然な成分からくるもので、砂糖や甘味料などを加えたものではなく、コーヒーそのものの特徴や焙煎、抽出によって生じるものです。この甘みにまつわる考え方や定義付けに関して、詳しく見ていきましょう。

コーヒーの甘みの基準

コーヒーに甘みを感じるかどうかは、コーヒーチェリーの段階での熟度や、コーヒー豆に含まれる苦みなどの成分との繋がりによって決まるため、糖分が決め手というわけではありません。

一般社団法人「日本スペシャルティコーヒー協会(SCAJ)」のホームページでは、スペシャルティコーヒーのカップクオリティを判定する際の甘さについて、次のように説明されています。

「甘さとは、焙煎されたコーヒーに含まれる糖分の量が絶対的なものではなく、甘さの印象度を創造する他の成分・要素との結合にも依存する。又、糖分が高くても、甘さを感じることを阻害する要因―辛さのある苦味、刺激的な酸味、強い汚れ、渋み等が有ると甘さを感じにくくなる。」

なお、スペシャルティコーヒーの定義については、以下のように説明されています。

「消費者が美味しいと評価して満足するコーヒーであること。 (中略) 生産国においての栽培管理、収穫、生産処理、選別そして品質管理が適正になされ、欠点豆の混入が極めて少ない生豆であること。そして、適切な輸送と保管により、劣化のない状態で焙煎されて、欠点豆の混入が見られない焙煎豆であること。さらに、適切な抽出がなされ、カップに生産地の特徴的な素晴らしい風味特性が表現されることが求められる。」

引用:日本スペシャルティコーヒー協会(SCAJ)「スペシャルティコーヒーの定義

「糖分が高いから甘い」「苦くないから甘い」というものでもなく、味わいの複合的なバランスによって「甘みを感じるコーヒー」だと判断されます。

ブラックでも甘みを感じやすいコーヒーを選ぶ際には、どのようなポイントを押さえておくとよいのでしょうか。

甘みのあるコーヒーを選ぶ際のポイント

コーヒー豆にはいくつかの種類があり「アラビカ種」「カネフォラ種(ロブスタ)」「リベリカ種」の3つに大きく分けられます。現在流通しているコーヒー豆の半数以上はアラビカ種です。一般的に、アラビカ種のコーヒー豆はカネフォラ種よりも甘みがあります。品質の高いアラビカ種を選ぶことで、甘みを感じやすくなるでしょう​。

また、焙煎の度合いも甘みの感じ方に影響します。焙煎度合いが浅~中煎りだと、コーヒー生豆由来の甘酸っぱさが引き立ちます。

深煎りにした場合は、焙煎によってコーヒーの味わいが引き出されて甘みが出てきますが、同時に苦みも増すために甘みを感じにくくなります。

甘みを感じやすいコーヒーの銘柄や産地はあるのか、焙煎の度合いごとの味の違いや、挽き方による甘みの感じ方の違いなどについて、以下でさらに詳しく見ていきましょう。

甘みを楽しむ!おすすめのコーヒーの選び方

甘みを感じやすいおすすめコーヒーの選び方についてご紹介します。

産地で選ぶ

甘みを感じやすいコーヒー豆の産地(銘柄)としては「エチオピア」「モカ」「コロンビア」、「キリマンジャロ」などが挙げられます。エチオピア産コーヒーはコク深くフルーティーな味わいが特徴です。エチオピアとイエメンの2国で生産されているモカも、ベリーを思わせる甘みを感じやすいコーヒー銘柄です。 

・エチオピア、モカなど甘酸っぱいベリー系の香味カテゴリーページはこちら

・コロンビア、キリマンジャロなど柑橘系の香味カテゴリーページはこちら

また、柔らかい口当りとナッティーな香味で、ブラウンシュガーのような香味が特徴のブラジル産コーヒーもおすすめです。

・ブラジルなど甘いブラウンシュガー系の香味カテゴリーページはこちら

焙煎度合い、挽き目で選ぶ

焙煎の度合いで選ぶ際は、浅煎りの方がフルーティーな酸味を感じやすく、深煎りの場合は浅煎りよりもコク深い甘みを感じやすくなります。

浅煎りのコーヒーは、フルーティーなアロマやフレーバーを持ちやすく、レモン、ライム、オレンジなどの柑橘系の果実風味が感じられます。また、深煎りになるとチョコレートやカラメル、黒糖のような甘みを感じられる傾向にあります。

挽き方で選ぶ際は、細挽きよりも粗挽きの方が苦みを感じにくいでしょう。細挽きにすると、苦みなど強い味わいが出る傾向にあります。

粗挽きにすることで、細かく挽いたものより、酸味や甘みの出やすい傾向になります。ただし、どのような風味が引き出されるかは、コーヒーの種類や焙煎度、抽出方法によっても異なるため、いろいろ試してお気に入りを見つけてみましょう。

甘みを感じるコーヒーのいれ方

コーヒーの甘みをより楽しめるいれ方についてもご紹介しましょう。

ドリップコーヒーの基本のいれ方(1杯分)

ドリップコーヒーの味わいを引き出す基本のいれ方は以下の通りです。

<用意するもの>

  • ドリッパー、サーバー
  • ペーパーフィルター
  • ケトル
  • コーヒー粉(10gで120mlの出来上がり量が目安)
  • 計量スプーン
  • タイマー
  • コーヒーカップ

<基本のいれ方>

 1. 器具とカップはあらかじめお湯を入れて温めておく。

2.ドリッパーにペーパーフィルターをセットしてサーバーへ置く。

3. コーヒー粉を量り、ドリッパーに入れる。

4. 1回目のお湯を注ぐ。目安の湯量は粉量の約2倍。注ぐ直前にタイマーをスタートさせ、2分半~3分で注ぎ終わるようにする。

5. 20秒ほど蒸らす。

6. 2回目のお湯を注ぐ。目安の湯量は1回目の約2倍の量。

7. 3回目のお湯を注ぐ。目安の湯量は2回目より少なくし、3回目、4回目、5回目と徐々に湯量を少なくして注ぐ。

8. カップに注いで出来上がり。

▶さらに詳しいコーヒーのいれ方が知りたい場合はこちら

甘みを引き出すポイント

コーヒーの甘みを引き出したい場合は、低温で抽出するのがポイントです。85℃を目安にするとよいでしょう。

一般的には95~90℃の温度がおすすめですが、それより低めの温度(90~85℃)で抽出すると、甘さやまろやかさが引き出されやすくなります。しかし、温度が低すぎると味わいが出にくくなるので注意が必要です。

95℃より高温だと苦みが強くなり、甘みを感じにくくなるため、コーヒーをいれる際は温度にもこだわってみましょう。

▶ 関連記事:『コーヒーは温度で味が変わる?おいしく飲むための温度やいれ方を紹介!』

アイスコーヒー(急冷法)の基本のいれ方

ここでは、急冷法によるアイスコーヒーの基本のいれ方をご紹介します。

<用意するもの>

  • ドリッパー、サーバー
  • ペーパーフィルター
  • ケトル
  • コーヒー粉(40gで出来上がり量240mlが目安)
  • 計量スプーン
  • タイマー
  • グラス
  • 氷(240mlのコーヒーに対して160gの氷を使い、400mlの出来上がり量を目安にする)

<基本のいれかた(急冷法)>

1. 器具にお湯をいれて温めておく。

2. ドリッパーにペーパーフィルターをセットしてサーバーへ置く。

3. コーヒー粉を量り、ドリッパーに入れる。

4. 基本のいれ方を参考にして、1~5回に分けてお湯を注ぐ。

5. 抽出が終わったらドリッパーを外し、氷を入れて急冷する。

6. グラスへ注いで出来上がり。

しっかりと器具も温めて、香り高く抽出した熱いコーヒーを氷で急冷することで、甘みや香りなどコーヒーが持つさまざまな味わいをしっかりと楽しむことができます。

▶ 関連動画:「アイスコーヒーのいれ方」

▶ さらに詳しい急冷法アイスコーヒーのいれ方が知りたい場合はこちら

他にもある?甘みを感じるコーヒーを楽しむ方法

ブラックコーヒーで甘みを楽しむ方法をご紹介します。

水出しコーヒー(コールドブリュー)

水出しコーヒー(コールドブリュー)とは、文字通り水で抽出したコーヒーのこと。水出しコーヒーは、実は甘みを楽しむのに向いている抽出方法の1つです。

水出しコーヒーは長時間かけて低温で抽出されるため、コーヒーの成分がじっくり溶け出します。これにより、苦みや酸味の抽出が抑えられ、より滑らかで甘みのあるコーヒーになるのです。

水出しコーヒーは、専用のコーヒーバッグがあれば浸けておくだけで簡単に作ることができます。すっきりとした滑らかな甘みを楽しみたい時にぜひ試してみてください。

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▶ 水出しコーヒーバッグはこちら

スイーツと一緒に楽しむ

甘みを感じにくいブラックコーヒーも、スイーツと一緒に飲めばおいしいマリアージュが楽しめます。

スイーツをお供にすることで、ブラックコーヒーのおいしさに改めて気づく場合も多いものです。甘みのあるコーヒーを選ぶのもよし、フレーバーコーヒーやスイーツをお供に選んで実際に甘みをプラスするのもよし。

自分だけのお気に入りの楽しみ方を見つけてみてはいかがでしょうか。

気になる香味のイメージからコーヒーを探してみませんか?

キーコーヒーでは「さわやかな柑橘系」「甘酸っぱいベリー系」「調和のとれたバランス系」「ほろ苦いビターチョコレート系」など、香味別にコーヒーをお選びいただけます。気になるイメージの香味があれば、以下のページから探してみてください。

▶ 香味イメージからコーヒーが探せるページはこちら

ブラックでも甘みを感じるコーヒーで大人のリラックスタイムを

ブラックでも甘みを感じるコーヒーは、実際に含まれる糖分の量だけでなく、苦みや酸味、香りなどの複雑な要素によって甘みの感じやすさが決まります。甘みを感じやすい産地のコーヒーを選ぶほか、焙煎度合いや挽き方、いれ方などにもこだわることで、よりコーヒーが持つ甘みや香りを楽しむことができます。ブラックでも甘みが感じられるコーヒーで、少し大人のリラックスタイムを過ごしてみましょう。