カフェやレストランのメニューで時々目にする「アフォガード」とは、どのようなメニューなのでしょうか。飲み物なのか、デザートなのか?コーヒーフロートみたいに見えるけど違いはあるのかなど、気になっている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、アフォガードとはどのようなものなのか、コーヒーフロートとの違いや味などについてわかりやすく解説しています。アフォガードの基本の作り方やアレンジレシピもご紹介していますので、コーヒーメニューのレパートリーを増やしたい際の参考にもなる内容となっています。
Contents
アフォガードとは
アフォガードとはどのようなものなのかについて、以下に詳しく見ていきましょう。
バニラアイスを使ったイタリアのデザート
アフォガードとは、バニラアイスとコーヒーを使用したイタリアのデザートのことです。イタリア語ではaffogato「溺れた」という意味で、バニラアイスがコーヒーに溺れているように見えることからついた名称だといわれています。Affogatoの読みは「アッフォガート」となりますが、日本ではアフォガードの名称でも浸透しています。
アフォガードの種類としては、エスプレッソコーヒーを使ったaffogato al cafe(アッフォガート・アル・カフェ)が有名ですが、イタリアではリキュールや紅茶など、ジェラート(アイスクリーム)にさまざまな飲み物をかける食べ方も一般的で、セミフレッド(半分冷たい)デザートとして知られています。
コーヒーフロートとの違い
アフォガードによく似た飲み物として、コーヒーフロートが挙げられます。コーヒーフロートは、アイスコーヒーにアイスクリームを浮かべた飲み物のことです。
コーヒーフロートで使われるのは冷たいドリップコーヒーで、アイスクリームは後からトッピングします。一方アフォガードでは、アイスクリームの上から暖かいエスプレッソコーヒーをかける点が異なります。
エスプレッソコーヒーとドリップコーヒーの違い
コーヒーフロートに使われるドリップコーヒーと、アフォガードに使われるエスプレッソコーヒーには、抽出方法に大きな違いがあります。
エスプレッソコーヒーは、1杯7~8gの極細挽きのコーヒー粉を9気圧(おいしいエスプレッソの抽出に最適な圧力とされる気圧)で30秒、30ml抽出したコーヒーです。
一方ドリップコーヒーは、1杯8g~12gの中挽きのコーヒー粉をドリッパーを使って2分半~3分で120ml抽出したコーヒーです。
また、コーヒーとミルクを使った代表的な飲み物として「カフェラテ」と「カフェオレ」が挙げられますが、エスプレッソコーヒーとミルクを使ったものがカフェラテ、ドリップコーヒーとミルクを使った飲み物がカフェオレになります。
カフェラテはエスプレッソに温めたミルク(牛乳)を注いだもので、カフェオレはドリップコーヒーに温めたミルク(牛乳)を1:1の割合で注いだものです。
アフォガードはどんな味?
アフォガードについてわかったところで、気になるのはその味わいです。アフォガードはどんな味なのか、アフォガード以外にエスプレッソコーヒーをベースにしたデザートはあるのかなどについて見ていきましょう。
飲み物とアイスのバランスによって色んな味が楽しめる
アフォガードは、バニラアイスのミルキーな甘さにエスプレッソコーヒーのほろ苦さが混ざり合い、甘さの中にコクを楽しめる絶妙なバランスのデザートです。エスプレッソコーヒーをかける量やバニラアイスの甘さによっても、味わいは微妙に異なります。
後からエスプレッソコーヒーを足すごとにアイスが溶けてアフォガードならではのマリアージュが楽しめるでしょう。
他にもある?エスプレッソコーヒーを使った冷たいメニュー
アフォガード以外にも、エスプレッソコーヒーを使った冷たいデザートやドリンクメニューはたくさんあります。ここではそのうちおすすめの2つをピックアップしてご紹介します。
<カフェフレッド シェケラート>
エスプレッソをシェイカーで急冷したイタリアのアイスコーヒーです。イタリア語ではCafe(コーヒー)freddo(冷たいエスプレッソ) shakerato(シェイカーなどで振られた)という意味になります。グラニュー糖を入れたり、リキュールを入れたりお店によって楽しみ方はさまざま。イタリアでは夏に飲まれることの多い人気ドリンクメニューの1つです。
<グラニータ>
グラニータは、イタリア版のかき氷のようなデザートです。Granire(グラニーレ:粒状にする)という単語に由来する名称で、フルーツの果汁やシロップを凍らせて粒状に砕き、シャーベットのようにして食べられます。グラニータにエスプレッソコーヒーをかけたものはグラニータ・ディ・カフェと呼ばれます。
実はイタリアではアイスコーヒーを飲む文化があまりなく、夏でも熱いエスプレッソコーヒーを楽しむのが一般的です。エスプレッソコーヒーを使用したグラニータは日本で人気があり、多くメニュー化されています。日本では定番化しているアイスカフェラテもその1つ。アメリカではIced coffeeなどのメニューもありますが、いわゆる「アイスコーヒー」や「アイスカフェラテ」は、日本で生まれた飲み物の1つです。
エスプレッソコーヒーをベースにした冷たいデザートはいくつかありますが、中でもアフォガードは冷たいだけでなく、温かいエスプレッソコーヒーを使うため「温かさ」と「冷たさ」が両方楽しめる点が魅力のドルチェでもあります。
アフォガードの作り方
アフォガードの基本的な作り方についてご紹介します。
基本の作り方
<用意するもの>
バニラアイス(ジェラート)ディッシャーNO16(容量63cc分)×2杯分(120~130g)
エスプレッソ 30ml
<作り方>
- 1.バニラアイス(またはジェラート)100mlをよく冷やした器にスケッパーやスプーン等を使って盛り付ける
- 2.エスプレッソ粉7gを使用して、温めたカップに30ml抽出する
- 3.準備したジェラートに2をかける
お好みの量のバニラアイスを器に入れ、エスプレッソをかけたら出来上がりです。
アフォガードを作る際のポイント
アフォガードを作る際のポイントとしては、できるだけ温かいエスプレッソコーヒーを使うことです。抽出したての温かいエスプレッソを注ぐことで、香り立ちのよいアフォガードが楽しめます。
エスプレッソマシンがない場合はレギュラーコーヒーで代用
ご自宅にエスプレッソマシンがない場合、レギュラーコーヒーでもアフォガードを再現することが可能です。エスプレッソの代わりに深煎り以上のコーヒーを使用し、通常より濃い目に抽出(例:10g→50~60ml)します。
*キーコーヒーのおすすめ商品*
◇ 『イタリアンBL豆』
◇ もっと簡単に作りたい方には、カフェオレベースもおすすめです☆
試してみたいアフォガードのおすすめアレンジ
アフォガードの基本の作り方を応用して、気軽に試せるアレンジレシピについてもご紹介しましょう。
アイスのフレーバーを変える
基本のアフォガードではバニラアイス(ジェラート)を使いますが、色々なフレーバーのアイスを使ってみるのもおすすめです。チョコレートアイスやキャラメルアイスはもちろん、ベリー系やナッツ系、チーズケーキフレーバーのアイスなどもよく合います。
どのフレーバーと相性がよいか食べ比べしたり、パーティーなどで複数のアイスとエスプレッソコーヒーを用意して、各自で試してみるスタイルでも楽しめます。
トッピングを添える
アフォガードの上にフルーツなどのトッピングを添えると、大人のコーヒーパフェのように華やかになります。オレンジ、レモンなどの柑橘系のほか、バナナやミックスベリーもおすすめ。
キャラメルクランチやナッツ類、サクサクのシリアルなどを合わせて食感の違いを楽しむのもよいでしょう。シナモンスティックやクローブなどのスパイスもトッピングに向いています。
他のスイーツと一緒に食べる
アフォガードは単体でも温かさと冷たさのマリアージュが楽しめるデザートですが、他のスイーツに添えることで、さらに温度の違いが楽しめます。
冷たさに寄せるならプリンやコーヒーゼリーと一緒に、温かさに寄せるなら焼きたてのデニッシュやパンケーキ、シフォンケーキにもよく合います。ケーキやスイーツを並べたプレートに小さなグラスに入れたアフォガードを添えれば、ちょっとしたおもてなしにもぴったりです。
お酒を加える
お酒やリキュールを少し加えることで、ちょっと大人のアフォガードが楽しめます。ラム酒やウィスキー、グラマンニエなど、コーヒーとアイスクリームの両方を引き立てるお酒がおすすめです。
アルコールが気になる場合は、熱を加えてアルコールを飛ばしたお酒を使用する方法もあります。ラムレーズンを添えてラムの香りを楽しんでみるのもよいでしょう。
おいしいエスプレッソコーヒーでアフォガードを作ろう
おいしいエスプレッソコーヒーは、アフォガードの完成度を高める重要なポイントとなります。キーコーヒーのオンラインショップでは、本格的なエスプレッソコーヒーをラインアップしています。コーヒー選びに迷った際はぜひお気軽にご利用ください。
◇ エスプレッソコーヒーのページはこちら
アフォガードで温かさと冷たさのハーモニーを楽しもう
アフォガードとは、バニラアイスやジェラートに温かいエスプレッソコーヒーを注いで作るイタリアのデザートです。温かいエスプレッソコーヒーと冷たいバニラアイスのハーモニーが魅力のドルチェは、アレンジ次第でさまざまな楽しみ方が可能です。
基本の作り方でシンプルに楽しむもよし、アレンジを加えて自分流に楽しむもよし。エスプレッソコーヒーをベースにしたレシピの1つにアフォガードを加えてみてはいかがでしょうか。