アラビカコーヒーとは?味わいや歴史、品種の違いなどを紹介
2025.04.15
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豆知識

コーヒーの種類や品種などを調べていると耳にすることのある「アラビカコーヒー」とは、どのようなコーヒーなのでしょうか。
この記事では、アラビカコーヒーの概要の他にも、耳にすることの多いカネフォラコーヒーとの違い、味わいの特徴などについてわかりやすく紹介しています。コーヒーの歴史についても紹介していますので、コーヒー知識を深める際の参考としてお役立てください。
アラビカコーヒーとは
アラビカコーヒーとはどのようなコーヒーなのかについて紹介します。
コーヒー豆の代表的な3品種の1つ
コーヒーのアラビカ種とは、コーヒーの品種の1つです。
コーヒーの品種は3種類に大きく分けられ、アラビカ種は代表的な3品種「アラビカ」「カネフォラ」「リベリカ」のうちの1つです。
流通しているコーヒーの5割以上がアラビカ種
アラビカ種のコーヒー豆は流通量が多く、現在流通しているコーヒー豆の5割以上がアラビカ種となっています。
カネフォラ種は4割程度で、リベリカ種は1割未満となっており、商用としてはほぼ扱われていません。
現在流通しているのはアラビカ種とカネフォラ種の2つが主な品種であるため、この2つについてさらに詳しく見ていきましょう。
アラビカとカネフォラ~コーヒーの品種について
アラビカ種とカネフォラ種の品種の特徴について紹介します。
アラビカ種コーヒーの品種
アラビカ種コーヒーの在来種には、ティピカやブルボンなどが挙げられます。ティピカやブルボンは現在栽培されている多くのアラビカコーヒーの主要な在来種として知られています。
このほか、アラビカ種にはカネフォラ種との交配種などもあり、現在も世界中で日々研究が進められています。
カネフォラ種コーヒーの品種
カネフォラ種の栽培品種は「ロブスタ」「コニロン」が一般的です。
3つのうち、現在広く流通しているのはロブスタ種であるため、カネフォラ種をロブスタ種と表す場合もあります。外観は丸くコロっとしており、先端が尖っているものがある(涙型)のが特徴で、低地でも栽培され、高温多湿な環境に順応し、病害虫の影響を受けにくい品種です。
アラビカとカネフォラ~コーヒーの歴史について
アラビカ種とカネフォラ種を比較しながら、それぞれの品種の歴史についても見ていきましょう。
アラビカ種の歴史
アラビカ種コーヒーはエチオピアが原産で、6世紀頃にアラビア半島南端のイエメンに伝わったとされています。
イエメンに伝わったコーヒーは13世紀頃から豆が焙煎され、飲用されるようになり、その後ヨーロッパやアメリカ大陸に伝わり、世界的に栽培され、流通するようになりました。
また、アラビカ種は高温多湿の環境や病害虫に弱い品種であることも知られています。現在紅茶の産地として有名なスリランカのセイロンは、かつてコーヒーの産地として知られていましたが、19世紀にさび病が広がり、甚大なダメージを受けたことによって、セイロンのコーヒー産業が壊滅した歴史があるのです。
こうした歴史の中で、多くの人の手によってアラビカ種の品種改良が進められ、現在ではいくつもの栽培品種が生み出されています。
カネフォラ種の歴史
カネフォラ種コーヒーはアラビカ種よりも遅く、19世紀に入ってからアフリカ最大の湖であるヴィクトリア湖の西側で発見されたのが最初とされています。
アラビカ種がさび病によって生産量が落ちた際に注目され、病害虫に強く多くの実をつけることから、アラビカ種に代わるコーヒーの品種として生産量を増やし現在に至っています。
アラビカとカネフォラ~コーヒーの味わいの違いについて
アラビカ種とカネフォラ種のコーヒーが持つ味わいの違いについても見ていきましょう。
アラビカ種コーヒーの味わいと特徴
アラビカ種コーヒーは、生産国など生産の産地によって味わいが異なり、現在ではさまざまな銘柄のコーヒーが流通しています。
代表的な人気銘柄には「ブルーマウンテン」「モカ」「キリマンジャロ」などが挙げられます。
ブルーマウンテンはカリブ諸島にあるジャマイカのブルーマウンテン地区で栽培されているコーヒーを指します。味のバランスが良く、優雅な香りと上品な口当りが特徴です。
モカは東アフリカエチオピア産やアラビア半島イエメン産のコーヒーです。フルーツや花を想像させる香りが特徴的で、歴史の古いコーヒー豆のひとつでもあります。
キリマンジャロは、東アフリカタンザニア産のアラビカコーヒーで、深いコクと豊かな酸味のバランスがよいコーヒーです。
このほかにも、アラビカ種にはさまざまな銘柄のコーヒーがあります。地域ごとに味わいの魅力は異なりますが、いずれも品質や味わいのバランスが良く、世界中で親しまれています。
カネフォラ種コーヒーの味わいと特徴
カネフォラ種コーヒーの味わいは酸味が少なく、麦を焦がしたような独特の香ばしい香味が特徴です。
カネフォラ種のコーヒーはストレートで飲む機会は少なく、インスタントコーヒーや缶コーヒー、アイスコーヒー用のブレンドに使われることが多くなっています。
このように、アラビカ種とカネフォラ種では味わいの特徴が異なります。
アラビカ種はストレートやブレンドで楽しむコーヒーとして、カネフォラ種はブレンドやアイスコーヒー用として、それぞれの特徴を活かして使い分けられています。
ブレンドコーヒーについて
ブレンドコーヒーとは、酸味や苦み、コクなどのバランスを考え、複数の豆をブレンドして作られたコーヒーのことです。
コーヒー会社名や店舗の名前を冠したブレンドは、一般の方がおいしく飲めることを第一に考えてブレンドされた、こだわりのコーヒーであることが多くなっています。
味の調和がとれているコーヒーは「バランス系コーヒー」と呼ばれることもあり、特に飲みやすいオリジナル系のブレンドは最初に買うコーヒーとして間違いない一品といえます。
深いコクや優雅な香りを持つアラビカ種は、特定の産地の味わいを楽しみたいならストレートコーヒーで、香ばしい苦みを持つカネフォラ種はアイスコーヒーやブレンドで味わってみるなど、コーヒーの品種による違いを知ることで、さまざまなコーヒーの魅力を楽しむことができます。
コーヒーは品種の違いだけでなく、銘柄による違いや焙煎の度合い、粉の挽き方によっても異なる味わいが楽しめます。ブレンドによる味わいの違いや抽出方法による違いも含めると、コーヒーの楽しみ方は無限にあるといえるでしょう。
おいしいコーヒーを楽しむためのポイント
品種による味の違いがわかったところで、おいしいコーヒーを楽しむためのポイントについても見ていきましょう。
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知識を深めてよりおいしくコーヒーを楽しもう
アラビカコーヒーとはアラビカ種のコーヒー豆のことを指しており、現在コーヒーの品種はアラビカ種とカネフォラ種の2つがもっとも流通している品種となっています。
コーヒーには品種だけでなく、産地による違いやいれ方によっても異なる味わいが楽しめます。さまざまな知識を深めて、よりおいしくコーヒーの世界を楽しみましょう。
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