コーヒーという情熱

【カフェ開業まとめ】必要な手続きや資格など準備段階の疑問を解決!

2023.04.18

開業方法・準備

資金・融資等

資格

カフェを開業しようとすると、さまざまな手続きや届出、準備が必要となります。開業までの流れや必要書類の作成方法に加え、カフェのコンセプトやメニューの決め方など、カフェ開業の際に知っておきたいことも多いのではないでしょうか。

ここでは、カフェ開業時に気になる点やカフェのメニュー・コンセプトの決め方、開業後の経営を成功させる方法まで、カフェ開業時に役立つ情報を網羅しています。これからカフェ開業を検討している方はもちろん、開業後の経営対策について参考にできる内容にもなっています。

カフェ開業時に気になるポイント

 

 

カフェ開業時に気になる各種届出や手続き、書類作成方法などについて解説します。

 

届出や手続きに関する疑問

 

カフェを開業する際に必須となるのは「飲食店営業許可証」です。カフェの規模や営業時間、メニューを問わず、店舗でカフェを経営する際には、所轄の保健所から飲食店の営業許可を受けなければなりません。

 

飲食店の営業許可証は、カフェだけでなく、コーヒースタンドや喫茶店などを開業する際にも必要です。

 

営業許可証を取得するまでの大まかな流れは以下のようになります。

 
  • 物件の選定、契約

  • 内装業者の選定、契約

  • 保健所へ事前相談、営業許可申請

  • 食品衛生責任者講習の予約、受講

  • 内装工事後、保健所の立会検査を受ける

  • 営業許可証交付
 

営業許可証の申請には、食品衛生責任者1名の設置が必要となります。食品衛生責任者の資格は、各地方自治体の食品衛生協会が開催する講習を受講することで取得可能です。また、調理師や栄養士などの免許を保有している場合には、講習の受講は不要となります。

 

間取りの大きな物件の場合、営業許可証以外に防火管理者の設置が必要なケースもあります。夜間にアルコールを提供する場合は深夜酒類提供飲食店としての営業許可も必要です。

 

詳しくはこちら→『開業に必要な届け出をチェック!手続きの方法と必要な資格』

事業計画書の作成

 

事業計画書では、カフェ経営の将来的な展望や短期、中長期における経営計画の数値化、売上予算といった「データによる計画」と、カフェのコンセプトや開業の経緯など「経営にかける熱意」などを伝える部分に大きく分けることができます。

 

開業時に融資申請などをする場合、事業計画書の作成は必須となりますが、融資を受けない場合でも、事業計画書を作ることで経営計画が明確になり、外部からのサポートを得やすくなる、というメリットがあります。

 

特にカフェのコンセプトや魅力、開業への思いなどを文章にまとめることで、カフェのイメージや魅力を伝えやすくなり、内装や看板、メニューなどを作る際にも役立つでしょう。

 

事業計画書の作成は、対外的なメリット以外に、オーナー自身のメリットも大きくなります。行き当たりばったりにカフェを開業するわけではなく、しっかりとしたプランを持って開業に臨むのでなければ、事業計画書の作成は難しいからです。自他共に納得できる事業計画書が作成できれば、カフェオーナーとしての自信にも繋がるでしょう。

 

詳しくはこちら→『カフェ・飲食店開業のための事業計画とは?事業計画書の書き方についても紹介』

開業資金に関する疑問

 

カフェを開業するにあたり、どの程度の資金が必要となるかは、物件の立地や広さ、築年数、内装工事の規模、居抜き物件かどうかなどによって大きく異なります。

 

開業資金の内訳としては

 
  • 物件取得費

  • 設計、内装工事費

  • 設備、備品購入

  • 広告宣伝費
 

などが挙げられます。

 

また、開業後には

 
  • 仕入れ

  • 地代家賃

  • 水道光熱費

  • 通信費

  • 消耗品費、雑費
 

などが毎月発生します。これらの諸経費を売上から差し引き、残った額が利益となりますが、諸経費の支払いが売上からペイできない場合は赤字となります。開業当初は経営が安定せず、赤字が続くことも珍しくないため、数ヵ月から半年程度の運転資金も準備しておいた方がよいでしょう。

 

開業時にかかる費用と開業後の運転資金を合わせると、開業前の自己資金としては、5~10坪程度の居抜き物件の場合でも最低500万円以上は準備したいところです。

 

詳しくはこちら→『カフェや喫茶店を開くには?必要な資金や費用を解説!』

どんなカフェを開けばいい?コンセプトやメニューについて気になるポイント

 

 

開業するカフェのコンセプトやメニューの作成について気になるポイントを解説します。

カフェのコンセプトの作り方

 

カフェのコンセプト設定は、カフェを開業するうえでもっとも重要となるポイントの1つです。カフェのコンセプトをどう決めるかによって、物件の広さや立地、内装やメニュー、価格設定なども異なってきます。

 

コンセプトを決める際は、5W2Hをベースに作っていきます。5W2Hとは

 

When(いつ)Where(どこで)What(何を)Who(誰に)Why(なぜ)、How(どのように)How much(いくらで)の頭文字を取ったものです。

 

5W2Hが明確なコンセプトを作ることで、ターゲットの世代や魅力の伝え方、人気となるメニューのラインナップなどにブレが少なくなり、何かを決定する際も迷いにくくなるでしょう。

 

詳しくはこちら→『魅力的なカフェを作る!カフェ開業に重要となるコンセプトの作り方』

メニューの開発、アレンジ方法

 

開業時に作成したメニューが長く定番商品となるのが理想ですが、お客様に飽きられることなく、また新規の顧客獲得のためにも、メニューの刷新や開発、アレンジなどは日々考えることが大切となります。

 

定番となるメニューは「また食べたい」と思わせる魅力があり、リピーターを獲得できるクオリティや価格設定になっているかをチェックしましょう。定番メニューを「日替わり」にすることで、定番でも飽きさせず、旬の食材を使ってコストも抑えられるのでおすすめです。

 

トレンドや季節感を意識したメニューは期間限定で提供することで「今度はどんなメニューが出るのかな」という期待感にも繋がるでしょう。

 

メニューを決める際にも、そのメニューのコンセプト作りはしっかりと行うようにします。

 
  • コンセプト

  • 原価、売価

  • レシピ

  • 見た目

  • 名称
 

の5つが魅力的になるように決めるのが理想です。魅力だけでなく、すべてのメニューのうちどのメニューがもっとも売上に貢献しているか、どのメニューの原価率がよいかといった分析も重要となります。

 

詳しくはこちら→『カフェ経営&集客に重要!通常メニュー・アレンジメニュー作りについてご紹介』

開業後の経営で気になるポイント

 

開店準備に追われつつもカフェ開業にこぎつけたら、今度は経営を軌道に乗せなくてはなりません。開業後の経営で気になるポイントについて解説します。

売上をアップする方法

 

カフェの経営を安定させるためにもっとも重要なのは、お店の売上をアップさせることです。せっかくカフェを開店しても、売上が伸びずに赤字が続けば閉店を余儀なくされてしまいます。売上をアップする方法としては

 
  • 席数を増やす

  • 営業日、営業時間を増やす

  • 価格を上げる

  • 価格を下げて多く売る

  • チラシ、SNSによる宣伝

  • メニュー、内装の改善
 

などが挙げられますが、すべてをやみくもに実施したらよいわけではないのが、経営の難しいところです。

 

1日あたりの客数や1人あたりの客単価、席あたりの回転数などを数値化し、問題点を把握することで有効な売上アップの方法が選びやすくなります。

 

売上を分析する計算式としては

 
  • 客数×客単価

  • 席数×回転数×客単価

  • 厨房と客席の比率

  • 座席数×満席率×回転数×客単価
 

などを参考に算出してみましょう。

 

客数は多いが客単価が低い場合は、メニューや価格の改善を行う、回転率や満席率が低い場合はレイアウトを再考して広告宣伝を増やす、ランチタイムの満席率が高い場合は席数を増やすといった有効な対策を取りやすくなるでしょう。

 

詳しくはこちら→『経営する際に知っておきたいカフェの売り上げの目安とアップのコツ』

利益の出し方、計算方法

 

カフェの売上アップも重要ですが、同じくらい利益率の高さもカフェ経営では重要視する必要があります。

 

「売上目標はクリアしているのに利益が少ない」という場合は、仕入れや固定費がかかり過ぎているか、価格設定が安過ぎる可能性があるからです。

 

例えば200万の売上があったとして、150万円の経費がかかった場合、手元に残る利益は50万円となります。100万しか売上がなかったとしても、経費が50万円だった場合は、売上が半分でも利益は同じ50万円となるのです。カフェ経営においては、売上と利益の両方をアップさせることが重要となります。

 

利益率を出す際には、お店の原価率と回転率が重要となります。原価率とは、メニュー1品の価格に対する原価の割合をさします。回転率は、1つの席を1日に何人のお客様が使用するかの割合です。

 

原価率が高く、売上から残る利益が少なかったとしても、回転率に応じて利益率は上がります。反対に、原価率を低く抑えていても、回転率が低ければ売上自体が少なくなるため、利益も小さくなるでしょう。一般的に、飲食店の原価率の目安は30%とされています。30%よりも原価率が高いか低いかを、一定の目安として判断することは可能です。

 

しかし、食べたらすぐに退席するラーメン店と、ゆったりくつろぐカフェでは回転数が大きく異なるように、コンセプトやメニューによっては、回転率を大きく変えることは難しいものです。

 

実際にはさまざまな角度から分析、計算しながら、自身の店舗に合った利益率の高め方を模索していくこととなります。

 

詳しくはこちら→『飲食店やカフェの原価率と回転率を知ろう!目安や利益の出し方も解説』

経営を成功させる方法

 

開業後のカフェ経営を成功させる方法としては、上記で挙げた内容を、自身の店舗に合った対策を選んで複合的に実践していくのがおすすめです。具体的には

 
  • 事業計画、コンセプトをしっかりと作る

  • 原価率や利益率などの分析

  • SNSを活用した広告宣伝

  • 新メニュー開発、アレンジ

  • 接客マナーや提供時間の改善
 

などが挙げられるでしょう。

 

詳しくはこちら→『カフェ開業は難しい?よくある失敗例と経営を成功へ導く対策とは』

まとめ

 

カフェの開業には、まずコンセプトを固めてから、事業計画書の作成や店舗となる物件探し、飲食店の営業許可申請や内装工事の業者選定、備品や消耗品の買い付けなど、さまざまな準備に追われることとなります。開業後は経営を軌道に乗せるため、売上分析や広告宣伝、メニューの見直しといったこまめなアップデートが重要です。上記の内容を参考にしながら、カフェ開業と経営を成功へと導きましょう。

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