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飲食店に専門店が増えている理由は?メリット・デメリットや成功のポイントを紹介

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飲食店には、ファミリーレストランや喫茶店、居酒屋など、1店舗で時間帯を問わず様々なメニューを楽しめる業態が全国にたくさんあります。一方、最近では専門店が注目されています。飲食店の業態が多様化するなかで、特定のメニューに特化して販売する飲食店の専門店化が進んでいるのには、どんな理由があるのでしょうか。

この記事では、専門店の概要や開業する際のメリット、デメリットについて分かりやすく紹介しています。専門店の具体例もご紹介していますので、飲食店のコンセプトを作る際の参考としてお役立てください。

飲食店における専門店とは

飲食業界における専門店とは、どのようなお店なのでしょうか、専門店の概要や、多様化している現状について見ていきましょう。

特定のメニューに特化した飲食店のこと

従来、飲食店の中の専門店といえば「中華料理店」「イタリアンレストラン」など、一定のジャンルに特化したお店をさすのが一般的でした。しかし、近年ではさらに特定のメニューに特化してサービスを提供する店舗が増えてきています。

例えば、中華料理の餃子だけにメニューを絞って販売する「餃子専門店」などが挙げられます。餃子専門店では、基本的に餃子以外のフードメニューは提供せず「にら餃子」「揚げ餃子」など、餃子のバラエティを増やして販売しているのが一般的です。

多様化する専門店

特定のメニューに絞って販売する専門店には、ピザやラーメン、チーズケーキなど、以前からあるものもあります。これらに加え、近年では「食パン専門店」、「かき氷専門店」、「焼き芋専門店」「わらびもち専門店」、「小籠包専門店」「鯖寿司専門店」など、特化するメニューが多様化しているようです。

専門店化する飲食店が増えている理由

専門店が増えている理由には、どんな点が挙げられるのでしょうか。飲食店を専門店とするメリットについて見ていきましょう。

仕入や食材ロスのコストを下げられる

特定のメニューに特化することで、仕入れる食材の種類を抑えることが可能となります。複数のメニューを提供することで起こりがちな「特定のメニューばかり注文が出て、他のメニュー用の仕入が無駄になってしまう」といった、食品ロスも減らしやすいのです。

業務効率が上がる

幅広いメニューに対応すると、食材の仕入だけでなく、調理に係る工程も煩雑になりがちです。1つひとつのレシピを覚えるにも時間がかかるため、開業して間もない時期やスタッフが入れ替わる時期、支店を増やすタイミングなどで大きく業務効率が下がってしまうリスクがあります。

その点専門店なら、1つのメニューのレシピを覚えればよいため、効率よく営業することが可能です。マニュアル化がしやすい点もメリットの1つ。同じものを作り続けるため味も安定しやすく「いつも同じおいしさ」を提供しやすい点は、店舗と顧客双方にとってのメリットになります。

訴求力が高い

専門店のメリットの1つとして、訴求力の高さが挙げられます。「〇〇専門店」と看板を出すことで他店と差別化しやすく、インパクトがあるため「専門店ならおいしいのかな」と良いイメージを持たれやすい、看板のインパクトからメディアへの訴求力も高く、PRしやすいといった点もメリットといえるでしょう。

小規模な店舗から始められる

専門店は、特定ジャンルの中のさらに特定のメニューに絞って提供するため、大きな厨房や調理設備を必要としないケースも多いでしょう。

そのため、小さな間取りのお店やキッチンカー、テイクアウト専門店など、初期費用を抑えた小規模なお店でも始めやすいです。

専門店として飲食店を開業する際のデメリット

さまざまなメリットがある専門店ですが、開業時の注意点はあるのでしょうか。専門店として飲食店を開業する際のデメリットについても見ていきましょう。

ターゲットが限定される

特定のメニューに特化して販売する専門店の場合、提供するメニューに興味がある、好物である顧客がいることが前提となります。そのため、専門に販売する特定のメニューが得意ではない顧客や、特に魅力を感じない顧客はターゲットとすることができなくなってしまいます。専門店として知名度は高まっても、メニューの選択によっては幅広いニーズに対応できない可能性がある点は理解しておくとよいでしょう。とはいえ、「今まで苦手だったけど、この専門店のものはおいしい」など、新たなニーズの開拓ができる可能性もあります。開業前のコンセプトやターゲットを明確にして、自信を持って販売できるメニュー選びをすることが大切です。

トレンドに左右されやすい

専門店が扱うメニューには、ブームやトレンドのものが多く見られる点も特徴的です。その時注目されているメニューを扱うことで一時的に売上は増加するかもしれませんが、短期間でブームが去り、売上が維持できない可能性もあるため注意が必要です。

最新動向をいち早く捉え、トレンドを上手に掴んで短期間で勝負するか、トレンドは期間限定商品として販売し、ブームが過ぎたら定番メニューに戻すなど、臨機応変に対応することも大切となります。

また、「専門店」と看板を打つからには、専門でないお店で販売されているメニューよりも魅力的であることが前提となります。自信のあるレシピで臨めば、ブームが去った後も固定客を掴める可能性もあるため、味やレシピについてしっかりと研究、開発するようにしましょう。

近年注目の専門店の例

専門店のメリットとデメリットがわかったところで、近年注目の専門店をいくつかご紹介します。

おにぎり

自宅でも作れて、コンビニなどでも気軽に買うことができるおにぎりですが、近年ではバラエティ豊かな具材や高級食材を使って握ったおにぎりを扱う専門店が増えてきています。

食材や握り方、塩加減にもこだわり、プロが握ったできたてのおにぎりは、日本人にはもちろん、インバウンド需要もあり、注目されている専門店の1つです。

ランチやお土産としての需要や作りやすさに加え、種類が増やしやすいといったメリットも魅力です。

アジアンフード

韓国や台湾のカフェ、屋台で提供されているメニューが日本でもブームとなり、専門店として開店しているケースもあります。

例えば、クロワッサンを薄く伸ばしたような「クルンジ」や、10ウォン硬貨を模したカステラのような焼き菓子の日本版である「10円パン」、クロワッサンに海苔や明太子などおにぎりの具を合わせた「オニワッサン」などが挙げられます。

少しブームの落ち着いたタピオカドリンクをはじめ、大きな鶏のから揚げ「ジーパイ」、豚肉を甘辛く煮てご飯に乗せた「ルーローハン」、マンゴーや豆、芋などを乗せた台湾風かき氷の専門店も、近年見かけることが増えてきています。

このほかにも、ベトナムのサンドイッチ「バインミー」や、タイの鶏肉炊き込みご飯「カオマンガイ」の専門店など、アジアンフードの専門店は多様化しています。

トレンドの移り変わりが早い中にあっても、アジアンフードの専門店は息が長いものも多く、ロングセラーになる可能性も高いでしょう。食材のコストも抑えやすく、まだ日本に浸透していないメニューを発掘して開業し、成功させる楽しみもあります。

専門メニューを考える際のポイント

専門店のメニューを考えるポイントとして、SNSなどをこまめにチェックしてトレンドを掴むことが挙げられます。

最新のメニューだけでなく、昭和や平成に流行したメニューが再度注目されるケースもあるため、幅広くアンテナを張ることも大切です。

「他店には負けない」とクオリティに自信が持てるか、ターゲットとなる年代や性別がブレていないか、といった点をチェックしつつ、ブームを作るつもりで計画を立ててみましょう。

メニューは1つに絞っても、ドリンクはある程度の種類を準備するのもおすすめです。「おいしい食パンとこだわりのカフェオレ」「おにぎりに合うアメリカンコーヒーセット」など、ドリンクメニューとセットにして顧客単価を上げる方法もあります。

専門店のメリットとデメリットを理解して開業を成功させよう

専門店は、メニューを絞って販売することで食品ロスを減らし業務効率を上げられる点、小規模店舗で始めやすくPRがしやすい点から、近年増えてきています。

おにぎりやアジアンメニューなど、食材のコストを抑えやすいメニューも多いため、初期費用を抑えて飲食店を開業したい場合にもおすすめの方法です。メリットとデメリットがそれぞれあるため、両方を理解して開業を成功させましょう。

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