個人店や小さな飲食店でのメニュー作成のポイントを解説
お客様にお店の魅力を知ってもらうにはさまざまな施策が考えられます。そのなかでも、重要なポイントの1つとなるのがメニューです。
特に個人店や小さな飲食店の場合、まずお店の特徴をお客様に知ってもらわなくては食べてもらうこともできません。そのため、店舗内のメニューはもちろん、認知手段としてのメニュー活用も考える必要があります。
本記事では、特に個人店や小さな飲食店でのメニュー作成や活用のポイントを解説しますので、開業している方もこれから開業を検討している方もぜひ、参考にしてください。
目次
個人店や小さな飲食店でのメニュー作成で必要な3つのポイント
メニューは他店舗との差別化要因になるのはもちろん、認知や集客につなげるツールとしての活用も可能です。ただ、そのためには次の3つのポイントを意識する必要があります。
メニューを多くし過ぎない
1つめのポイントはメニューを多くし過ぎないことです。個人店の多くは一人で調理から接客までを賄うケースも少なくありません。そのため、メニュー数を増やし過ぎると対応できなくなる場合があります。
メニューが多くないと集客が難しいと思うかもしれません。利益が出て人を雇えるようになってから様子を見つつ、少しずつメニュー数を増やしていきましょう。
それでも不安な場合は、セット商品を増やすのがおすすめです。サンドイッチとコーヒーセット、ピザトーストとコーヒーセットなど、セットメニューを増やせば、商品数を増やさなくてもメニュー数が増え、メニューに賑わい感が出ます。
▶関連記事:「【業態別】提供するメニューとコーヒーとの相性を解説」
メニュー数を絞る際は「おすすめ」「定番」を重視する
2つめのポイントは、「おすすめ」と「定番」を重視してメニューを決めることです。メニューを多くし過ぎないといっても、あれも入れたい、これも入れたいと迷ってしまえば、いつまで経ってもメニューを決められません。
そこで、何を残し何を減らすか迷った場合は、「おすすめ」と「定番」だけを残すようにしましょう。自分のもっとも得意なメニューと多くのお客様に受け入れられる定番メニューがあれば、お客様も注文がしやすくなります。
▶関連記事:「人気の出るカフェメニューはどう作る?定番からおすすめまで幅広く紹介」
できるだけ利益率の高いメニューを入れる
3つめのポイントは、できるだけ利益率の高いメニューを入れることです。個人店は席数も限られていて集客にも限界があります。
そのため、最初は顧客数よりも顧客単価を上げることで利益を稼がないと、運営も厳しくなり早々に店が回らなくなってしまうでしょう。
例えば、カフェの場合であれば、焼き菓子やクッキーなど日持ちがして原価率が比較的低い商品を増やすのがおすすめです。店舗内でついで買いしてもらえる可能性が高い上、おいしければお土産としても購入してもらえるようになります。
メニュー作成の流れ
メニューは一定の流れに沿って作成していくと失敗するリスクを最小限に抑えることができます。ここでは、メニューの作成方法について、順を追って解説します。
店舗のコンセプトを決める
メニューを決める上でもっとも重要なポイントは、店舗のコンセプトを決めることです。コンセプトによってどのようなお客様をターゲットにすべきかも変わってきます。
例えば、昔のアメリカ映画に出てくるようなアメリカンダイナー、鎌倉にあるような隠れ家的和カフェなど、できるだけ具体的に決めましょう。コンセプトが決まれば、自ずとターゲットやメニュー内容も見えてきます。
また、自分がどうしてもつくりたいメニューがある場合は、それを軸にコンセプトを決めるのもおすすめです。例えば、玉子焼きに自信があるのであれば、玉子焼きとご飯と漬物と味噌汁だけのメニューの定食屋といったコンセプトも考えられるようになります。
メニュー内容を決める
コンセプトが決まったら具体的にメニュー内容を決めます。ここでのポイントは、ターゲットを明確にすることです。
例えばアメリカンダイナーをコンセプトにした場合でも、家族層をターゲットにするのか、高校生や大学生をターゲットにするのかでメニュー内容も異なります。
どういったお客様に来て欲しいのかといったペルソナを明確にすると、メニュー内容を決めやすくなるでしょう。
また、この時点でメニュー一つひとつの名称も決めておくと、作成をスムーズに進められるようになります。
なお、メニューは店舗物件を決め、引渡しを行う前から検討を開始しましょう。店舗の引渡しが開始された後は、内装工事や食器の購入、設備の搬入、仕入先の調査などやるべきことが多くなるため、早め早めに動き出すことがポイントです。
メニュー表の種類を決める
次にターゲットに応じてメニューの種類を決めましょう。例えば、中高生の女性をターゲットにするのであれば、可愛いイラストを入れたメニューにする、高齢者向けであれば手書きで大きめのわかりやすいメニューにするなどが考えられます。
また、最近ではデジタルメニューも検討したほうがよいでしょう。タブレット端末を導入するコストはかかるものの、一人ひとりにメニューを聞いて回る必要がなくなるため、個人店であれば、手間を大きく削減できます。
ほか、コストを下げつつ手間を軽減する方法として、モバイルオーダーもおすすめです。
モバイルオーダーについて詳しくは「飲食店で活用できるモバイルオーダーとは?導入メリットや選び方を紹介」をご覧ください。
メニューの説明文を決める
メニュー内容と種類が決まったら、メニューに記載する説明文を決めていきます。
一般的なカフェであれば、それほど細かい説明を入れなくても問題ない場合が多いでしょう。ただし、他店舗ではあまり見かけない商品や一般的ではない海外の商品の場合は、適切に説明を入れるのがおすすめです。
また、食材の産地や作り手のこだわりなどは、店舗の雰囲気やターゲットにより要不要の判断をしてください。
商品の画像を撮影する
商品名だけでは完成図をイメージしにくいものについては、商品画像を用意するのがおすすめです。
ただし、個人で撮影に自信がない場合、逆に写真のできの悪さで注文されなくなる場合もあります。その場合はWeb上で食品撮影の勉強をする、高画質なカメラで撮影するなどの工夫が必要です。
また、予算に余裕があればプロのカメラマンに撮影してもらってもよいでしょう。特に飲食メニューは、写真だけでおいしそう、まずそうといった判断をされてしまうため、写真掲載は十分に検討することが重要です。
レイアウトを決め、印刷する
メニュー内容、種類、商品説明、画像まですべて揃ったら、最後にレイアウトを決め、印刷をします。
レイアウトのポイントは、「おすすめ」と「定番」をもっともわかりやすく配置することです。この店では何を注文すればよいのかを一目でわかるようにしましょう。
繁盛店にするためのメニュー作成のポイント
どれだけ良いメニューを作成しても、見てもらい実際に注文してもらえるようにならなければ意味はありません。ここでは、繁盛店にするために欠かせないメニューの作成、活用ポイントについて解説します。
メニュー内容は定期的に見直しをする
メニューは最初に決めたらそれで終わりではありません。定期的に見直しを行い、最初に想定したとおりになっているか、想定とは異なる結果になっているかを確認しましょう。
もし、おすすめや定番メニューの注文が少ない場合は、写真を変える、レイアウトや説明文を変えるなどしてより目立つようにします。
また、人気がない商品は商品名を再検討する、写真を変えるなどして、それでも人気が出ない場合はなくしてしまっても構いません。人気のないメニューのテコ入れに時間をかけるよりも、人気あるメニューに力をいれる方が重要です。
ただし、人気がないといってどんどんメニューからなくしてしまうと、メニューのボリューム感が薄れてしまうため、新商品と入れ替えをするのがおすすめです。そのためにも新商品候補は常に何品か用意しておくようにしましょう。
メニューの改善は基本的には人気商品の強化を優先し、店舗の独自性を出すことを意識することが重要です。
▶関連記事:「カフェオーナー必見!シーズン別メニューの作り方・集客のポイント」
メニュー表だけに頼らない
メニュー表を改善するには、その都度、手間とコストがかかります。そのため、新商品を出したり、人気商品を強化する場合、メニュー表だけに頼らない方法も検討しましょう。
例えば、店内に黒板を設置したり、壁に一品ごとのメニューを貼って日替わりや本日のおすすめなど、作成済みのメニュー表に記載できないメニューもつくるのもおすすめです。
また、店の入り口に立て看板式の黒板メニューを置くのもよいでしょう。まだ店舗に来たことのないお客様に対するアピールにもつながります。
店舗に来たことのないお客様へのアピールには、SNSの活用も検討しましょう。例えば、InstagramやX(旧Twitter)におすすめや日替わりメニューの写真を毎日投稿する、Googleビジネスに登録してお客様にメニューを投稿してもらえるようにするのもおすすめです。
オフラインとオンラインの両方を積極的に活用すれば、来店したお客様だけではなく、来店経験のない方へ向けた認知・集客手段として大きく貢献します。
お客様のワクワク感を演出するメニューを作成しよう
メニューは単に商品を掲載するためだけの表ではありません。店舗の名前や看板と同様に、どういった店で何を売りにしているかをお客様に知ってもらうための大切なツールの1つです。
メニュー作成は、店舗のコンセプトやターゲットを明確にすること、「おすすめ」と「定番」を重視すること、商品画像にこだわることがポイントになります。
また、黒板メニューや壁メニュー、SNSへの商品画像掲載などオフラインとオンラインを駆使することも重要です。
どうすればお客様が喜んでくれるか、ワクワクさせられるかを意識してメニューを作成しましょう。
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