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ワンオペのカフェ経営は難しい?メリットとデメリット、成功させるポイントなどを解説!

運営ノウハウ編集部オススメまとめ

ワンオペで経営するカフェ「ワンオペカフェ」を成功させるには、どのようなポイントに気をつけるべきなのでしょうか。

この記事では「ワンオペカフェ」とはどのようなカフェなのか、経営におけるメリットやデメリット、ワンオペカフェ経営にオススメな人の特徴などを解説しています。

ワンオペカフェとは

ワンオペカフェとは「ワンオペで経営できるカフェ」をさします。ワンオペとは”One Operation”という和製英語を略したもので、すべての業務や工程を1人で行うスタイルを意味します。

飲食店におけるワンオペ営業は、これまでも一部のチェーン店やカフェなどにおいて行われていましたが、コロナ禍を経て多様なスタイルの飲食店経営が注目されるようになり、オーナーが1人で切り盛りするカフェは「ワンオペカフェ」として改めて注目されています。

ワンオペカフェのメリット・デメリット

ワンオペカフェを経営するメリットとデメリットには、どのようなものがあるのでしょうか。以下に詳しく見ていきましょう。

ワンオペカフェのメリット

ワンオペカフェのメリットとしては、以下のような点が挙げられます。

・コンセプトを反映しやすい

1人ですべての作業に関わることができるため、カフェのコンセプトを細部にまで反映しやすい点はワンオペカフェの大きなメリットの1つです。

複数のスタッフを雇って営業する場合、接客や調理、盛り付けといった工程においてカフェのコンセプトを反映させるためには、一定の研修期間を設けてコンセプトを共有する必要があります。独創性があり、競合の少ないコンセプトであるほど、複数人で共有するのに時間がかかってしまうケースも少なくありません。ワンオペカフェなら、コンセプトを決めたオーナー自らがすべての作業をこなすため、スタッフ間での情報共有にかかる手間と時間を省略できます。

・人件費や教育コストを削減できる

共有が難しくないコンセプトの場合であっても、複数人で営業する際には一定の人件費や教育コストがかかります。ワンオペカフェの場合、こうした人件費や研修にかかる費用、マネジメントの労力などを削減することが可能です。

・初期費用やランニングコストを抑えやすい

人件費や研修費用だけでなく、全体的にコストを抑えやすい点もワンオペカフェのメリットの1つといえるでしょう。

一般的に、ワンオペで運営できる店舗の規模感は5~10坪とされています。ワンオペ可能な小規模の店舗は、物件取得時や内外装にかかる費用などの初期費用も抑えやすく、家賃や水光熱費といったランニングコストも抑えやすいでしょう。

ワンオペカフェのデメリット

ワンオペカフェには多くのメリットがある一方で、以下のような点がデメリットとなる場合もあります。

・業務負担が大きい

ワンオペカフェでは、すべての作業をオーナー1人で行うことになるため、オーナーの業務負担が大きい点は覚悟する必要があります。

繁忙期の切り盛りをどうするか、体調を崩した場合の対処など、ワンオペが難しい場合のケースもあらかじめ想定して対策を立てておくことが大切です。

・急な対応が難しい

SNSなどをきっかけに来店者数が急増したり、特定のメニューの注文数が増えたりといった予想していなかった事態に、ワンオペカフェでは1人でできる業務量に限界があるため、迅速に対応できない可能性があります。

営業中に店外でトラブルが起きた場合も、接客しながら対処するのが難しいケースもあるかもしれません。

緊急時に対応をサポートしてもらえる環境を整えるなど、業務負担を軽減するための対策と併せて事前に考えておくとよいでしょう。

・問い合わせなどに十分対応できない場合がある

予約希望や店舗までの道案内など、繁忙期に問い合わせがあった場合、集客に繋がる重要な連絡にも関わらず、ワンオペカフェでは十分に対応できない可能性もあります。

予約やメニューの注文、アクセスなどはSNSやオンライン上で対応できるようにするなど、ワンオペをサポートできるシステムの導入、活用を検討することが重要です。

ワンオペカフェの経営がオススメなのはどんな人?

ワンオペカフェの経営がオススメな人の特徴について見ていきましょう。

趣味ではなく、しっかりと稼ぐと決めている人

ワンオペカフェの場合、コストを抑えて1人で始められる気軽さから、趣味の延長のような感覚で経営しようと考える方も少なくありません。初期費用や運転資金に余裕があれば、趣味としてカフェをオープンすることも可能ではあります。

しかし、趣味として始めただけでワンオペカフェが長続きするケースはほとんどないといえるでしょう。経費や仕入コストを考え、しっかりと集客に繋げて利益を出せるような仕組みができていなければ、赤字が続きいずれはお店を閉めざるを得なくなってしまいます。

小規模なワンオペカフェであっても「しっかりと稼ぐ」と決めて、短期や中長期の経営計画を立てて営業できる人に、ワンオペカフェの経営はオススメです。

全工程を1人でやる仕事をしてきた人

ワンオペカフェでは、カフェ経営においてすべての作業を1人で行うこととなります。カフェや飲食店での勤務経験があったとしても「接客だけ」「調理だけ」「仕入や在庫管理だけ」など、一部の業務経験だけでは、すべてをスムーズにこなすことは難しいでしょう。

カフェに限らず、飲食店の運営を任された経験がある人や、店舗運営における全工程を1人でやる仕事をしてきた経験を持つ人なら、ワンオペカフェでやるべきことの流れも掴みやすいといえます。

自分の店を自分一人で経営する覚悟がある人

1人で切り盛りする小さなカフェとはいえ、開業すれば店舗の経営者となります。お客様から求められるコンセプトをベースに、魅力的なメニューの開発や細やかな接客、調理や盛り付けの品質向上を行い、季節ごとのインテリア変更やイベントの開催、食材の安定的な仕入れなど、目を向けるべき工程はたくさんあります。

すべての業務に責任を持ち、自分の店を自分の手で運営し、経営を成功させるという覚悟を持って臨めるかどうかは、ワンオペカフェをする上でとても重要です。

将来的にワンオペからお店を拡大させたい場合も、まずは経営者としての自覚を持ってワンオペカフェに取り組むことが大切となるでしょう。

ワンオペカフェを成功させるためのポイント

ワンオペカフェを成功させるために知っておきたいポイントをご紹介します。

小さいお店を選ぶ

お店選びは、ワンオペカフェの開業においてもっとも重要なポイントの1つとなります。ワンオペでも対応可能な小さい間取りの店舗を選びましょう。

大きな店舗の場合、ワンオペで回すハードルが高くなるだけでなく、初期費用や運営コストも高くなってしまいます。

5~10坪程度、席数は10席前後を目安に、1人で調理から提供までを行える動線も意識しながら選ぶようにしましょう。

▶関連記事:『間借りで飲食店開業!今注目のレンタルカフェやシェアカフェとは?

メニューを工夫する

ワンオペでメニューを提供する場合、メニュー数が多過ぎると調理にかなりの時間が必要となってしまいます。

オープン間もない時期には一度にメニューを増やし過ぎず、自信のあるメニューに絞って提供するのがオススメです。ある程度調理に慣れてきたら、季節ごとに期間限定メニューを作るなど、徐々に充実させていくのがよいでしょう。

可能であれば作り置きできるメニューや手間のかからないスピードメニューを開発するなど、メニュー自体にも工夫をすることが大切です。

店内の工夫

来店時にお水を提供して注文を取る、調理して盛り付け、テーブルまで提供する、食後の会計とテーブルの片付けを行う、といった一連の業務について、1人でもスムーズにできるような動線を考えることも重要となります。

カウンターからの出入りがしやすい設計になっているか、物を置きすぎて移動しにくくなっていないかなど、インテリアにも配慮するようにするとよいでしょう。

飲食だけでなく、物販を置くことで、ワンオペできる規模のカフェでも売上アップに繋げやすくなります。

▶関連記事:『小さなカフェでもおしゃれにできる?内装や間取りの決め方とは

家電機器の工夫

ワンオペの負担を軽減できるアイテムとして、家電やデジタル機器は積極的に活用するのがオススメです。

オーブンレンジやコーヒーマシン、圧力鍋などの調理器具はもちろん、モバイルオーダーやテーブル決済など、店舗のDX化を進めることでもワンオペ業務の負担を大きく削減できるでしょう。

営業日時の工夫

1人ですべての業務を行うワンオペカフェの場合、フルタイムでの営業が難しいケースもあります。

店舗営業を週3~4日としたり、午後からの営業など時短営業にしたりするのも1つの方法です。

営業日を減らして仕込みや仕入、帳簿管理などの時間に充てることで、ワンオペでも全工程に目配りしながら経営しやすくなるでしょう。

営業日時を短くしても利益が出るように、効率的な集客やメニュー開発を心がけることも重要です。過労で営業できないといった状態を避けるため、健康面でも負担の出ないスケジュールを心がけましょう。

サポートを頼める人材の確保

基本はワンオペでも、体調不良や繁忙期などにはサポートしてもらえるような体制を作っておくと安心です。

ホールや調理スタッフとしてのサポート以外に、経理や在庫管理などのサポートを専門家へ依頼するといった方法もあります。

ワンオペカフェについて更に詳しく知りたい方はこちら

ワンオペで営業できる小さなカフェの開業について更に詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。

▶関連記事:『小さな飲食店開業のノウハウは?成功させるポイントや注意点を解説

ポイントを押さえてワンオペカフェを成功させよう

ワンオペカフェとは、オーナー1人ですべての業務を行うカフェのことで、小規模から開業できる点や、人件費、初期費用などを大きく抑えられる点から注目されています。

すべて1人で行うためオーナーの負担は大きくなりますが、その分やりがいもあり、しっかりと覚悟を持って臨めば経営を成功させることも十分可能です。小さなカフェ経営のポイントを押さえて、ワンオペカフェを成功へと導きましょう。

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