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物件探し・居抜き物件でカフェを開業するポイントは?

開業方法・準備編集部オススメまとめ

カフェを開業の際にはさまざまなクリアしなければならない事柄がありますが、物件探しもその中の一つです。

いくら良いサービスと商品を提供しても、立地条件やお店の雰囲気、イメージが良くなければ集客は見込めないかもしれません。

とはいえ、固定経費である家賃は、なるべく抑えたいですよね。

物件を検討する際に、居抜き物件という選択肢があります。居抜き物件では、オープンに至るまでの費用を抑えられるといわれています。

そこで今回は、居抜き物件について、居抜き物件で開業するメリットとデメリット、居抜き物件を選ぶ際のポイントを解説します。

居抜き物件とスケルトン物件とはどういう物件?

「居抜き物件」に対して「スケルトン物件」があります。ここでは、居抜き物件とはどのような物件なのかと併せて、スケルトン物件についても説明します。

◆スケルトン物件とは?

スケルトン物件とは、内装が行われていない、文字通り骨組みだけの物件のことです。

よって、内装工事も設備も全て自分で行う必要があります。内装のイメージを考え、業者に設計を依頼し、工事を行わなければなりません。

しかし大変な分、自分の思い通りにできるというメリットもあります。

大きなデメリットとして挙げられるのは、費用と工期がかかることです。内装や設備の手配などにはまとまった費用がかかってしまう覚悟をしなくてはなりません。

また、契約してからオープンまでの期間もかかります。

電気や水道、ガスなどの手配を始め、設計や工事の打ち合わせから、工事の期間、カフェオープン前の準備期間を合わせると、半年ほどかかってしまうこともあるでしょう。オープン前のこれらの準備期間にも家賃が発生することを忘れてはなりません。

さらに、無事オープンに漕ぎつけたとしても、新しい土地で営業するのは、知名度ゼロからのスタートになります。集客のための戦略、宣伝費なども考慮しておく必要があるでしょう。

スケルトン物件では、カフェ開業前とオープンしてから上記のように費用がかかりますが、退去時にも費用がかかるのが一般的です。契約時に念入りな確認が必須となりますが、ほとんどの場合、入居前と同じ状態まで戻すようになっています。

◆居抜き物件とは?

居抜き物件とは、前の借り主が使っていた設備や機器、備品付きで売買または賃貸借されるものです。主に飲食店や旅館、店舗や工場などが居抜き物件になるケースが多くなっています。

住居で例えるなら「家具・家電付きアパート」のようなもので、全てを一から準備しなくてはならないスケルトン物件とは条件的には正反対です。また、居抜き物件は流通数も多いため、比較検討がしやすいのもポイントです。

居抜き物件では、付帯している設備も含めて価値が判断されます。 では、居抜き物件でカフェを開業することについて、より詳しくみていきましょう。

カフェを居抜き物件で開業するメリット

カフェの開業を居抜き物件で行うのには、メリットとデメリットがあります。まずはメリットから確認しましょう。

◆内装費の削減が見込める

居抜き物件は前のテナントが使っていた内装がそのまま使えるため、内装費が大幅に削減できます。

もちろん自分のお店として、希望の内装にする工事は必要になるかもしれませんが、何もないスケルトン物件とは違い、打ち合わせや工事にかかる期間も短縮することができるでしょう。工期が短くて済むということは、オープン前の家賃負担も軽くなるということです。

初期費用を抑えてカフェを開業したい方には、居抜き物件はおすすめといえます。居抜き物件なら、契約してから数週間後にオープンも充分に可能です。

◆顧客を取り込みやすい

カフェを開業するに当たり、集客は大きな課題になりますが、居抜き物件であれば前のお店からの顧客を取り込みやすいというメリットがあります。

前のテナントが同じようなお店であれば、顧客がそのまま通ってくれる可能性も高くなります。そのため、宣伝費の節約にも繋がるでしょう。

また、カフェをオープンする際に必要になる保健所の許可は、前に同じような飲食店が契約していた場合には、そこで初めて飲食店を始めるケースと比較して、許可が下りやすいというメリットも見込めます。

ただし同じ飲食店でもカフェとスナックなど業種や業態が変わる場合は、営業許可を受けるための条件が異なる場合があるので注意が必要です。

カフェを居抜き物件で開業するデメリット

続いて、カフェを居抜き物件で開業するデメリットをみていきましょう。

◆設備や機器が使えないリスク

付帯の設備をそのまま使えるのが居抜き物件のメリットの一つですが、それらが開業するカフェにとって不要なことがあります。

その場合は、まず片付け作業から行わなければなりません。また、その際の撤去費用が自己負担になってしまうことがあるので、契約書の確認を念入りにすることが重要になります。

さらに、設備や機器が古いものであったり、故障していたりというトラブルも起こり得るでしょう。備品の入れ替えや修理費用などが、誰の負担になるのかも要チェック項目です。

また、家賃には設備の使用料も含まれており、その所有権はオーナーにあります。つまり使えない設備だからといって、勝手に撤去や入れ替えをすることはできません。

設備付きの物件といっても、それらが目的に合わなかったり、内装がカフェのイメージに合わなかったりすれば、結局、改装のための期間や、さまざまな費用がかかってしまう可能性があるのは注意すべき点といえるでしょう。

◆評判・集客がしにくい立地

前のテナントが何故退去したのかということを調査しておくことが重要です。例えば、ご近所やオーナーとのトラブルの有無については、調べておいたほうが良いでしょう。

近くに飲食店の営業を快く思わない住人がいたり、オーナーが気難しいタイプであったりなど、自分にも被害が及ぶ可能性があるからです。また、前のテナントがトラブルを起こして退去していた場合、その悪い評判を引き継いでしまうこともあるので注意が必要になります。

加えて、同じようなタイプのカフェを営業していて売上不振で退去したという場合、立地条件が営業内容に合わなかったことが考えられます。周囲の環境や集客方法について、あらためて見直してみる必要があるでしょう。

前のお店の顧客が流れてくるとは限りませんが、そもそも集客が少なかったケースでは、引き続いて通ってくれる顧客を期待することが難しくなります。

居抜き物件の選び方は

デメリットもある居抜き物件ですが、条件が合えば、カフェ開業の際の物件として検討する価値は大いにあります。居抜き物件を選ぶ際に気を付けたいポイントについて紹介します。

◆2つの契約

居抜き物件では、賃貸契約と造作譲渡契約の2つの契約が必要になります。賃貸契約とはオーナーと結ぶもの、造作譲渡契約はほとんどの場合、前の借り主との間で結ぶものです。

この造作譲渡契約の内容に基づき、設備や内装を引き継ぎ、造作譲渡料を支払う仕組みになっています。譲渡される設備の動作確認、保証や未払い金の有無などが記載されているので、しっかりと確認しましょう。

また故障していた場合の費用負担をどうするのかについても、チェックが必要です。

◆家賃

カフェ開業のための物件探しのとき、家賃をいくらに設定するのかは重要なポイントです。

カフェの場合、1か月の売上の10%を家賃として設定するのが理想的とされています。例えば1か月の売上が100万円だったら家賃は10万円ということです。それ以外が原価、人件費、経費で、残りが利益となります。

居抜き物件の場合、設備使用料も合わせて家賃として設定されていますが、設備使用料を払っても居抜き物件が良いのか、初期費用がかかっても一から準備が必要なスケルトン物件のほうが良いのかの見極めは大切です。

家賃は毎月支払う固定経費となるため、売上見込み額を充分に考えて決定するようにしましょう。

◆立地

飲食店が繁盛するかどうかは立地に左右されることが多くなりますが、「土地勘がある場所」というのが選び方の一つのポイントです。

個人経営のカフェでは、その土地で働いている、あるいは地元の住人が顧客になることが多いでしょう。このような顧客は店の人との会話を楽しもうという気持ちも強いため、土地の話題についていけないよりは、一緒に盛り上がれるほうが顧客の心をつかみやすくなります。

その土地に愛着があることが、愛されるカフェ営業にも繋がるでしょう。

また、出店する場所においての競合調査も重要です。ほかにカフェがないから集客を期待できるという考え方もありますが、元々カフェの需要がない場所なのかもしれません。逆に競合店がいくつかあっても、カフェの需要が多い土地であれば、集客を見込めることもあるでしょう。

さらに、地域の再開発工事の予定を確認することも忘れてはいけないポイントです。再開発があると人の流れが変わり、考えていた集客ができなくなる可能性があるからです。

◆イメージや雰囲気、使いやすさ

居抜き物件の場合、元々の設備や内装を活かして営業をしていくことになります。

そのため、その設備や内装、外観が顧客に好まれるかどうかを見極めておく必要があるでしょう。

例えば、入りやすさといった点では、入り口がわかりにくかったり、入っているビルの雰囲気が悪かったりすると顧客は遠のいてしまうかもしれません。入ってきてもらわなければ、いくら魅力的なメニューを用意していても、人気のカフェになれるチャンスは少なくなります。

また働く際の作業効率を高めるためにも、水回りやガス、電気や空調などの設備は重要です。カフェを営業する条件として定められている厨房内の調理用・食器洗浄用の2つの水道は設置されているのか、必要な火力は供給できるのか、また適温にできる空調は設置されているのかなどをチェックしましょう。

居抜き物件を賢く活用しよう

カフェを開業するために、居抜き物件を活用するという選択肢があります。居抜き物件とは、前の借り主が使っていた内装、設備や機器、備品付きで借りられるものです。

そのため、内装工事や設備工事などの費用が大幅に削減でき、オープンまでの期間も短縮できるというメリットがあります。

しかし、それらの設備がイメージに合わなかったり、不要であったりした場合、かえって片付けや撤去に手間がかかってしまう可能性もあるでしょう。

とはいえ、初期費用が大きく抑えられるのは居抜き物件の魅力です。

周囲の環境や前の借り主の退去理由などを良く調査して、居抜き物件のメリットを賢く活用したカフェ運営を行うことを目指しましょう。

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